カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

S&P カンボジアを格下げ

2011年11月02日 | 経済
 10月31日、大手格付機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、カンボジアの長期信用格付をこれまでの「B+」から「B」に一段階引き下げたと発表しました。S&Pでは変更理由を6月に導入した新システムで政治、経済のファンダメンタルスに重点を置くようになったためとしています。経済については、低い所得、高度にドル化された経済、限定的で余裕ない財政が問題とされています。新聞報道によれば、政治環境については、非効率な組織、ガバナンス、政権移行能力の欠如を問題点として挙げています。また、対露・対米債務についても触れており、「Weak debt payment culture (借金を返済しない文化)」という評価としています。
 弊研究所の意見としては、一人当たり所得は順調に伸びており、政治環境にも特段の変化がない状況ですので、格下げまでしなくてもと思うところです。また、対露・対米債務についても、フン・セン首相が「汚れた借金」と呼んでいる状況を把握していれば、このような評価にはならないものと考えます。S&Pやムーディーズといった大手格付機関は、リーマンショックを予測できなかったことから「査定が甘い」との厳しい批判を受けており、最近は辛口の評価、格付が目立ちます。
 なお、カンボジアは国際マーケットからの商業借款は借り入れていないため、格付の変更がただちに大きな影響を与えるということは考えにくい状況です。しかし、カンボジアに投資を考えている企業、特に金融業界の企業の投資判断に中期的に影響を与える可能性があります。



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