日本経済研究所 カンボジア・ラオスの投資環境

　7月7日に日本経済研究所は、「メコン地域の経済回廊（後編）カンボジア・ラオスの投資環境」と題するレポートを発表しました。著者は、日本経済研究所の安永英資国際局長と武谷由紀国際局主任研究員です。
　レポートでは、外国直接投資の動向、日系企業の進出状況、物流インフラと南部経済回廊の利用状況等について、調査結果がまとめられています。更に、メコン地域を圏域全体で捉えると日系企業にとって大きな潜在力を秘めていると指摘しています。特に南部経済回廊は、カンボジアで生産活動を行う製造業にとってメコン地域内の重要な物流ルートであり、その役割は大きいとして、具体的には、カンボジアで製品・部品を生産し、タイのマザー工場へ納入するタイプラスワン型企業やカンボジアで製品・部品を生産し、ベトナムから日本へ輸出する日系企業が見られるとしています。また、今後、メコン地域諸国が経済回廊によってさらに一体化すれば、進出中もしくは今後進出を計画している日系企業のサプライチェーンを変える可能性があると期待を示しています。
　課題としては、ハードインフラの整備（幹線改良やアクセス道路新設、電力の安定供給体制や経済特区の整備等）、ソフトインフラの強化（越境交通協定（CBTA）における運用面の一層の改善及び通関検査の人材育成等）、官民連携による地域間協力の推進（タイ（洪水対策）やベトナム（工業化戦略策定）の経験をカンボジアと共有すること等）が挙げられています。

日本経済研究所のサイト
http://www.jeri.or.jp/news/#link01


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