カンボジア経済

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2018年 カンボジアからの輸出好調 貿易赤字は拡大

2019年02月07日 | 経済
 カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)によりますと、2018年の輸出は対前年比21%増の135億7500万ドル(約1兆4797億円)、輸入は対前年比21%増の187億9700万ドル(約2兆489億円)となりました。品目別内訳は、輸出は、縫製品・履物が全体の73.7%の100億200万ドル、農産品が6億3000万ドル(4.6%)等でした。輸入は。縫製原材料42億5800万ドル(22.7%)、石油製品17億7500万ドル(9.4%)、車輛15億7500万ドル(8.4%)、建設資材15億3700万ドル(8.2%)等でした。また、国別内訳は、輸出先は、EU29%、米国24%、英国9%、日本8%等でした。輸入先は、中国40%、タイ16%、ベトナム12%、日本4%等となっています。
 この結果、貿易赤字は、2017年の42億7000万ドル(約4650億円)から22%増の52億2000万ドル(約5690憶円)に拡大しました。しかし、貿易赤字の拡大は、経済成長を続ける段階の途上国では良くみられることで、日本も1950年代、1960年代の高度成長期には、貿易赤字に陥ることがよくありました。また、カンボジアについては、貿易赤字を、海外直接投資、観光収入、政府開発援助(ODA)等で埋め合わせており、総合収支は黒字が続いています。また、中国からの借入は増えているものの、対外債務全体としては問題ないレベルにあり、IMF・世界銀行の債務持続性分析でも「低リスク国(青信号)」に分類されています。
 2018年は総選挙もあったため、輸出の落ち込みも懸念されましたが、今のところ大きな影響はなかったものと見られます。しかし、欧米の特恵関税制度の資格停止が取りざたされており、また、カンボジア産のコメに対するEUのセーフガード措置(追加関税)の発動もあって、今年の動向には引き続き留意が必要なものと見られます。


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