カンボジア経済

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IMF 世界経済見通し2022春 ロシアのウクライナ侵攻が暗雲

2022年04月22日 | 経済
 4月19日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)2022年4月版を発表しました。世界経済については、「ウクライナでの戦争が多大な代償を伴う人道危機を引き起こし、平和的解決策が求められている。また、戦争がもたらす経済損失は、2022年に世界の経済成長が大幅に減速する一因となるほか、物価上昇が加速するだろう。燃料と食料の価格が急上昇しており、低所得国の脆弱層が一番大きな影響を受けている。」としています。世界全体の成長率については、2021年6.1%(2021年10月予測5.9%)、2022年3.6%(同4.9%)、2023年3.6%と見ています。
 世界経済の回復に不確実性が高まっている中で、カンボジアの今年の成長率予測は引き下げられました。成長率予測は、2021年2.1%(同1.9%)、2022年5.1%(同5.7%)、2023年5.9%となっています。2024年以降2027年までの成長率は、6.1%~6.5%と高度成長に復帰すると予測しています。物価上昇率は、2021年3.0%(同2.5%)、2022年3.0%(同3.2%)、2023年3.0%と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年は26.7%にまで悪化しましたが、2022年は17.4%、2023年は9.5%に改善する見込みで、2024年以降も9%前後と予測しています。
 なお、IMFでは、「戦争が主な要因で一次産品が値上がりし、物価圧力は広範囲に広がっている。これを受け2022年の物価上昇率予測は先進国が5.7%、新興国と発展途上国が8.7%となる。」と物価上昇の影響に懸念を示しています。また、「人道危機に対応し、経済のさらなる細分化を阻止し、世界的な流動性を保ち、過剰債務の問題を管理し、気候変動に立ち向かい、コロナ禍に終止符を打つための多国間での努力が必須となる。」と指摘しています。
 世界的な物価上昇の中で、スリランカのように激しい物価上昇、為替変動、外貨危機、対外債務返済不能、政治的混乱等に直面して困難な状況にある国も出てきています。しかし、カンボジアは、途上国の中では物価も安定的、為替レートも安定、対外債務も問題ないレベルであり、マクロ経済運営は様々な外的ショックにうまく対応しているものと見られます。今後も、日本等先進各国や国際機関の協力を得つつ、経済の回復に向けた努力を継続することが期待されます。
(グラフは、IMFの発表より)

国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し2022年4月版(和文新聞発表)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2022/04/19/world-economic-outlook-april-2022


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