カンボジア経済

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政府のガソリン価格規制 算定方式を変更

2022年04月06日 | 経済
 3月22日、カンボジア経済財政省、商業省、鉱業エネルギー省は、ガソリン上限価格決定メカニズム改定に関する共同省令を発出しました。カンボジア政府は、2016年3月にガソリン等の小売上限価格を定める規制を導入しました。上限価格決定メカニズムは、MOPS価格(Means of Platts Singapore:プラッツ社が発表する石油製品のFOBシンガポール中値)を基準価格とし、これに税金と営業費用等を加えたものとなっています。レギュラーガソリンの場合、税金等が18.47セント/リットル、プレミアム20セント/リットル、合計金額の10%の追加料金がMOPSに加えられて算定されています。また、算定は、これまで月2回でしたが、月3回(各月の1日、11日、21日)に変更されました。
 最近の国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇し、3月初めには130ドル台にまで上昇し、その後も乱高下しています。2021年3月初めは60ドル台であり、1年間で価格は2倍となっています。カンボジアのガソリン価格も上記のメカニズムによって国際価格に概ね連動して動いているため大きく上昇してきており、物価全体への波及も懸念されます。レギュラーガソリンは、2021年3月には3500リエル/リットルでしたが、2022年3月後半は5300リエルにまで上昇しています。
 カンボジアは、ガソリン等の石油製品を全量輸入に頼っているため、原油等の国際価格の変動の影響を直接受ける状況にあります。海上油田の開発促進や再生可能エネルギーの活用、石油の戦略的備蓄制度等も含めて総合的な政策が策定されることが期待されます。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。3月27日撮影)



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