カンボジア経済

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民間企業労働者向け年金制度10月に始動へ

2022年07月19日 | 経済
 6月28日、カンボジア労働省と経済財政省は、これまで延期されていた年金制度を10月1日から導入すると発表しました。また、7月5日、関連規則に関する省令を発出しました。
 カンボジア政府は民間労働者にも年金制度を導入する方向で検討を進め、2018年初頭からの導入を目指していましたが、雇用者等からの反発や新型コロナの影響もあって、導入が遅れていました。これまで年金は公務員のみが対象でしたが、今次導入される年期制度の対象は、国家社会保障基金(NSSF)に登録された1万社以上の民間企業の従業員約200万人となります。年金の支給対象者は12カ月以上保険料支払済の60歳以上の退職者で、支給額は20万リエル~120万リエル/月(約7000円~4万2000円/月)の予定です。
 NSSFでは、現在、労災保険(0.8%:雇用者負担)、健康保険(2.6%:雇用者負担)を導入済で、雇用者負担は給与の3.4%となっています(上限あり)。これに加えられる年金制度は、当初案では、給与の7%(雇用者負担3.5%+被雇用者負担3.5%)となっていましたが、雇用者・被雇用者等との折衝の結果、年金導入後5年間は4%(雇用者負担2%+被雇用者負担2%)となりました。しかし、6~10年目は8%(雇用者負担4%+被雇用者負担4%)、11年目以降は10.25%、更にその後10年毎に2.75%ずつ引き上げることとしています。
 カンボジアの労働者は、脆弱な状況に置かれており、病気やけがで貧困層に逆戻りする可能性が高いと言われています。このため、社会保障の拡充によって、労働者の生活の安定を図る必要は高いものがあります。今後はカンボジアでも高齢化が少しずつ進むと見られており、高齢者の生活安定に向けて、年金制度導入の効果が期待されます。


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