カンボジア経済

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自由貿易協定を活用する輸出重点品目を決定へ

2022年07月20日 | 経済
 7月6日、商業省は関係15省庁と自由貿易協定(FTA)を最大限活用するための戦略計画を策定するための省庁間会議を開催しました。商業省では、この計画案を7月中にも取りまとめて、閣僚評議会に送りたいとしています。
 計画案では、今年1月に発効した地域的な包括的経済連携(RCEP)、中国との二国間FTAや、間もなく発効が予定される韓国との二国間FTA等を活用するために、輸出優先11品目が選定されています。11品目は、魚、コメ、キャッサバ、バナナ、ロンガン(パイリン)、マンゴー、カシューナッツ、肉類、ゴム、パイン、胡椒です。輸出競争力が、ある程度強い品目を選定したとしています。計画案では、カンボジアからの輸出の課題と対策、農産品加工業への投資誘致、輸出品目の高付加価値化等が検討されています。
 鳴り物入りで発効となった中国との二国間FTAですが、発効後6カ月間(2022年1月~6月)、その効果は全く発現しませんでした。2022年上半期の中国との貿易では、カンボジアからの輸出は13.2%減少したのに対し、カンボジアへの輸入は24.2%の大幅増加となっています。この状況を改善するためには、中国向けの農産品・加工品の輸出を振興することが必要と見られ、今回の計画案はその線に沿ったものです。しかし、中国でのゼロコロナ政策の影響もあって、カンボジアから中国への輸出を増やしていくことは、たやすいことではないものと見られます。今後、カンボジア政府とカンボジアの輸出産業が連携して地道な取り組みを続けていく必要があるものと見られます。
(写真は、カンボジアの輸出を支えるシアヌークビル港)



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