カンボジア経済

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格付機関のS&P カンボジア経済予測 不良債権比率上昇に懸念

2022年07月28日 | 経済
 国際的格付機関のスタンダード・アンド・プアーズ・グローバル・レーティング(S&P)は、世界銀行見通し(Global Banking Outlook)2022年年央版を発表しました。この中で、84カ国の分析結果を公表しています。
 カンボジアについては、ワクチン接種の成功による経済の早期再開もあって2022年のGDP成長率を6.3%と予測しています。ウクライナ危機の影響は限定的で、中長期的には世界でも最も高い成長率に復帰すると見ています。
 金融業界については、新型コロナ対策として導入された返済が困難な借入の条件変更(緩和)について、効果があったとする一方で、2022年6月末でこの制度が終了したことから、今後不良債権比率が上昇してくる懸念があるとしています。2021年末で条件変更された貸付の比率は全体の12.9%を占めており、このうち10%~12.5%程度は返済困難な不良債権となると見られるとして、不良債権比率は2022年末の2.5%程度から2023年には3%~4%程度にまで上昇する可能性があると見ています。
 リスクとしては、建設・不動産業への貸付の不良債権化をあげています。建設・不動産向けの貸付は拡大を続け、現在貸付全体の18%程度を占めています。中国等からの投資に支えられていた建設・不動産セクターは新型コロナの影響を厳しく受けて過剰供給状態にあり、不動産の実質価格は2020年に9%、2021年には13%下落したと見ています。建設・不動産セクターの不況やプロジェクトの破たんが金融業界に影響を与える可能性があり、金融業界にとって重要なリスクとなっていると指摘しています。
(写真は、建設が止まっている不動産事業が多く見られるシアヌークビル)

S&Pのサイト
https://www.spglobal.com/ratings/en/research/pdf-articles/220721-global-banking-outlook-midyear-2022-here-comes-the-rain-again-101563908


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