カンボジア経済

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プノンペン環状3号線 工事遅れるも2023年完成を目指す

2022年06月09日 | 経済
 公共事業運輸省によりますと、中国支援のプノンペンの環状3号線の工事進捗率は、73.7%で、2023年第3四半期の完成を目指しているとのことです。工事は、2019年1月に着工し、2021年末の完成を予定していましたが、新型コロナの影響や土地取得の遅れ等もあり、工期が大幅に遅延しています。5月26日に、公共事業運輸省による工事品質についての実地検査が行われました。
 環状3号線は、国道1号線の新プノンペン港付近からスタートして西に向かい、バサック川を越えて国道21号線と交差し、ワールドブリッジ経済特区の南を通り、国道2号線と交差、北西に向かって国道3号線と交差した後、北に向かい国道4号線を越えて、ロイヤルゴルフコースの前を通って向きを東に変え、国道5号線に連結し、プレックプノウ橋でトンレサップ川を渡り、ウィンウィンモニュメントの前を通過して国道6号線に至る延長約53キロメートル、片側2車線、コンクリート舗装の道路となる計画です。
 このうち国道4号線~国道5号線部分の片側2車線への拡張・コンクリート舗装工事は、既に完成しています。国道5号線~6号線部分も一応の整備が完了していましたが、状態が悪化しているため、現在改修工事が行われています。中国が支援対象とするのは南側の1号線から4号線までの部分になります。総工費2億7300万ドルのうち、2億5900万ドルは中国政府の借款により賄われます。建設工事は中国の上海建工集団が請け負っています。
 なお、新プノンペン港近辺からメコン河を渡る橋を建設し、対岸の「プノンペン~ベトナム高速道路」の起点と連結する計画もあります。
 現在、渋滞対策の観点から、朝5時から夜9時までコンテナトラック等の大型車のプノンペン中心部への進入を禁止しています。環状3号線は、拡大を続けるプノンペンの外側を通っているため、プノンペン市内への流入量を削減してプノンペン市内の渋滞を抑制するとともに、主要国道とプノンペン新港を連結する観点からも重要な道路になるものと見られます。また、プノンペン都では、プノンペン市内の工場や倉庫を将来的に環状3号線外側に移転していくという意向を表明しています。
 中国や韓国によるカンボジアでの道路整備については、低品質の施行や、工期の遅れがみられるのが実情です。公共事業運輸省は、こうした事態を防ぐために厳しい検査や指導を行っています。見かけの工期の短さや価格の安さに惑わされることなく、日本や米国が推進する「質の高いインフラ」に軸足を移していくことが期待されます。
(写真は、公共事業運輸省のフェイスブックより)

公共事業運輸省のフェイスブック(クメール語です)
https://www.facebook.com/mpwt.gov.kh/posts/321488946828773


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