12月15日、日本貿易振興機構(JETRO)は、「2022年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」を公表しました。2022年8~9月、北東アジア5カ国・地域、東南アジア9カ国、南西アジア4カ国、オセアニア2カ国の計20カ国・地域に進出する日系企業に対する現地での活動実態に関するアンケート調査の結果となります。有効回答は4392社でした。調査結果は、営業利益見通し、今後の事業展開、経営上の問題点、原材料・部品の調達、輸出入の状況、環境問題への対応、サプライチェーンにおける人権に関する方針、賃金実態の8点にまとめられています。
全体的には、「2022年の営業利益を黒字と見込む企業の割合は上昇し、新型コロナ前の2019年度調査と同水準に。ASEANは6割を超え、インドは新型コロナの反動を中心とした内需拡大で7割を超えた。一方、中国はゼロコロナ政策の影響で黒字企業の割合が減少」と分析しています。また、「今後1~2年の事業展開の方向性について、ASEANは「拡大」の意向が上昇し、5割に迫る水準となった。一方、中国の「拡大」意向は3割となり、2007年度調査以降最低の水準に。また、ミャンマー、スリランカは3割程の企業が「縮小」と回答。」としています。
カンボジアについては、景況感を示すDI値が2022年20.6,2023年46.3(20カ国中第6位)まで回復しています。今後1~2年の事業拡大意欲も、53.3%が拡大するとしており(20カ国中5位)、回復に向けた動きが示されています。カンボジアでの経営上の問題点としては、従業員の賃金上昇、通関等諸手続きが煩雑、競合相手の台頭(コスト・価格面で競合)、税務(法人税、移転価格課税など)の負担、従業員の質等が挙げられています。マーケット成長への期待については、現在の市場規模と市場の成長性を比較した数値で、20か国中第1位となり、ポテンシャルの高さを示しています。また、日本の製造原価を100とした場合、現地での製造原価を見てみると、カンボジアは2022年54.2(2019年62.9)と19カ国中で2番目に安価に製造できるとしています
製造業・作業員の給与年間実負担額(本給、諸手当、社会保障、残業、賞与などの年間合計。退職金は除く。)は、カンボジアは3541ドル(前年3286ドル)となっています。中国1万1854ドル、タイ7596ドル、ベトナム4783ドル、ラオス1572ドル、ミャンマー1312ドル、バングラデシュ2222ドル等の周辺国と比べてみてもいまだに低いレベル(17か国中13位)にあります。周辺国の賃金が為替の変動(ドル高)で目減りしている中で、カンボジアはドル化経済のため影響が少なく、カンボジアの賃金の上昇が目立っています。しかし、カンボジアの相対的な低賃金は当面は維持されるものと見られます。
(写真は、日系企業が多数進出しているプノンペン経済特区)
JETROの発表
https://www.jetro.go.jp/news/releases/2022/9d782aad41a05104.html
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全体的には、「2022年の営業利益を黒字と見込む企業の割合は上昇し、新型コロナ前の2019年度調査と同水準に。ASEANは6割を超え、インドは新型コロナの反動を中心とした内需拡大で7割を超えた。一方、中国はゼロコロナ政策の影響で黒字企業の割合が減少」と分析しています。また、「今後1~2年の事業展開の方向性について、ASEANは「拡大」の意向が上昇し、5割に迫る水準となった。一方、中国の「拡大」意向は3割となり、2007年度調査以降最低の水準に。また、ミャンマー、スリランカは3割程の企業が「縮小」と回答。」としています。
カンボジアについては、景況感を示すDI値が2022年20.6,2023年46.3(20カ国中第6位)まで回復しています。今後1~2年の事業拡大意欲も、53.3%が拡大するとしており(20カ国中5位)、回復に向けた動きが示されています。カンボジアでの経営上の問題点としては、従業員の賃金上昇、通関等諸手続きが煩雑、競合相手の台頭(コスト・価格面で競合)、税務(法人税、移転価格課税など)の負担、従業員の質等が挙げられています。マーケット成長への期待については、現在の市場規模と市場の成長性を比較した数値で、20か国中第1位となり、ポテンシャルの高さを示しています。また、日本の製造原価を100とした場合、現地での製造原価を見てみると、カンボジアは2022年54.2(2019年62.9)と19カ国中で2番目に安価に製造できるとしています
製造業・作業員の給与年間実負担額(本給、諸手当、社会保障、残業、賞与などの年間合計。退職金は除く。)は、カンボジアは3541ドル(前年3286ドル)となっています。中国1万1854ドル、タイ7596ドル、ベトナム4783ドル、ラオス1572ドル、ミャンマー1312ドル、バングラデシュ2222ドル等の周辺国と比べてみてもいまだに低いレベル(17か国中13位)にあります。周辺国の賃金が為替の変動(ドル高)で目減りしている中で、カンボジアはドル化経済のため影響が少なく、カンボジアの賃金の上昇が目立っています。しかし、カンボジアの相対的な低賃金は当面は維持されるものと見られます。
(写真は、日系企業が多数進出しているプノンペン経済特区)
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