9月18日、第23回ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議が、テレビ会議方式で開催されました。会議では、ベトナムのディン・ティエン・ズン財務大臣、レ・ミン・フン国家銀行総裁、日本の麻生太郎副総理兼財務大臣、黒田東彦日本銀行総裁の共同議長を務め、カンボジアを含むASEAN10か国、中国、日本、韓国の財務大臣、中央銀行総裁等が参加しました。会議では、最近の地域経済・金融情勢、チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)の改善、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)の強化、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)の進展、災害リスク金融・保険におけるASEAN+3金融協力、ASEAN+3財務プロセスの戦略的方向性等について討議されました。
このうち、金融危機の際に多国間でドルを融通する「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」については、IMFデリンク割合の30%から40%への引き上げ、要請国・供与国双方の自発性及び需要に応じたCMIMに対する現地通貨による支援の制度化が今年の協定改定に含まれました。「チェンマイ・イニシアティブ」は1997年のアジア通貨危機を踏まえ、日本・中国・韓国とASEAN10か国が整備してきたもので、外国為替市場の急激な動揺を防止するために、国際的な協調を基に為替介入等を実施するための外貨融通の枠組みです。
CMIMの資金規模は全体で2400億ドル(約28兆円)ですが、このうち各国の合意だけで貸し出せる比率(IMFデリンク割合)は全体の30%(720億ドル)であり、残り70%は国際通貨基金(IMF)が協調支援を決定することを条件として融通できることとなっていました。IMFの支援決定については、アジア通貨危機の際に、大きな問題もあったと指摘され、各国の信頼度が必ずしも高くないこともあり、加盟各国の合意だけで融通できる割合を引き上げるべきだとの意見が大勢を占め、IMFデリンク割合が30%から40%に引き上げられたものです。なお、IMFデリンク部分の判断に当っては、各国が協同して設置したASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)が各国の状況を精査した結果を活用することとなっており、そのためのCMIMコンディショナリティ・フレームワークが完成しました。
カンボジアについては、貢献額は2.4億ドル(約250億円)ですが、引出可能総額は、その5倍の12億ドル(約1260億円)となっています。高度にドル化したカンボジア経済にとって、外貨準備額に加えて、このような国際的な外貨融通制度があることは、万一の場合の備えばかりでなく、平常時でも信頼度の向上やリスクの低減の効果も高いものと見られます。
(写真は、プノンペン市内)
日本の財務省のサイト
https://www.mof.go.jp/international_policy/convention/asean_plus_3/index.html
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このうち、金融危機の際に多国間でドルを融通する「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」については、IMFデリンク割合の30%から40%への引き上げ、要請国・供与国双方の自発性及び需要に応じたCMIMに対する現地通貨による支援の制度化が今年の協定改定に含まれました。「チェンマイ・イニシアティブ」は1997年のアジア通貨危機を踏まえ、日本・中国・韓国とASEAN10か国が整備してきたもので、外国為替市場の急激な動揺を防止するために、国際的な協調を基に為替介入等を実施するための外貨融通の枠組みです。
CMIMの資金規模は全体で2400億ドル(約28兆円)ですが、このうち各国の合意だけで貸し出せる比率(IMFデリンク割合)は全体の30%(720億ドル)であり、残り70%は国際通貨基金(IMF)が協調支援を決定することを条件として融通できることとなっていました。IMFの支援決定については、アジア通貨危機の際に、大きな問題もあったと指摘され、各国の信頼度が必ずしも高くないこともあり、加盟各国の合意だけで融通できる割合を引き上げるべきだとの意見が大勢を占め、IMFデリンク割合が30%から40%に引き上げられたものです。なお、IMFデリンク部分の判断に当っては、各国が協同して設置したASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)が各国の状況を精査した結果を活用することとなっており、そのためのCMIMコンディショナリティ・フレームワークが完成しました。
カンボジアについては、貢献額は2.4億ドル(約250億円)ですが、引出可能総額は、その5倍の12億ドル(約1260億円)となっています。高度にドル化したカンボジア経済にとって、外貨準備額に加えて、このような国際的な外貨融通制度があることは、万一の場合の備えばかりでなく、平常時でも信頼度の向上やリスクの低減の効果も高いものと見られます。
(写真は、プノンペン市内)
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