カンボジア経済

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タイからカンボジアへ 初の直通貨物列車運行

2023年08月10日 | 経済
 タイからの直通貨物列車がポイペト国境を越えてカンボジアに入り、プノンペンまで運行したと、ロイヤル鉄道は7月26日に発表しました。試験的な運行とのことですが、両国間を直通貨物列車が走行するのは初めてのこととなります。
 カンボジア鉄道北線は、プノンペンとタイ国境のポイペトを結んでおり、ポイペトから国境を越えてタイ国鉄と連結しています。フランスにより1929年から建設されたものです。1970年代以降の内戦での損傷が激しく、2010年からアジア開発銀行等の支援を受けてリハビリ工事を行いましたが、途中で資金不足となり、政府予算で細々と改修工事が行われてきました。
 2018年7月4日、タイとの国境からプノンペンまでの北線全線(約390キロメートル)が接続されました。国境の鉄橋は、タイの支援により完成しました。2019年4月22日、カンボジアとタイを結ぶ鉄道開通の記念式典が、カンボジアのフン・セン首相、タイのプラユット首相が参加して開催されました。この時点で線路は繋がったものの、二国間の協定の交渉が遅れたことや新型コロナの影響で、直通列車の運行には至っていませんでした。
 鉄道によるカンボジアとタイとの間の貨物輸送のためのロジスティクス改善の期待は高まっていますが、日本企業が望むようなレベルとなるには、まだもう少し時間が必要と見られます。また、並行している国道5号線は整備が進みつつあり、トラック輸送との競合も厳しくなるものと見られます。旅客についても、既にかなり発展しているバス輸送と厳しい競争となることが予想され、楽観は許されないのが実情です。カンボジア政府の地道な改善努力が期待されます。
(写真は、直通貨物列車。ロイヤル鉄道のフェイスブックより)

ロイヤル鉄道のフェイスブック
https://web.facebook.com/TRRCambodia/posts/pfbid0K5q8DXtHR56BUnBSW2FoooHdW8wznfeU96vrDC3pYN46cRysHpYMYvJZQtjiSWizl

タイとカンボジアの国境にかかる鉄橋。2022年12月撮影



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