(「新型コロナ カンボジアの状況 2月28日」は、明後日3月2日に掲載いたします)
2022年1月に、カンボジア南部のカンポット、ケップ、シアヌークビル等を視察する機会がありました。
カンボジアの唯一の深海港であるシアヌークビル港は、日本の支援を活用して拡充を進めてきました。更に、日本からの円借款によって、沖合を埋め立てて新コンテナターミナルを建設する事業が始まっています。
シアヌークビルとプノンペンを結ぶ鉄道南線は、民間会社のロイヤル鉄道によって運営されています。最近、シアヌークビル近郊で貨物列車同士の衝突事故を起こしており、安全な定時運行を可能にするような実績ある海外事業者の参画も期待されます。
シアヌークビル港からスタンハウを経由して国道4号線に出る道路は、国道4号線のバイパスとしての役割も期待されて、拡幅改修工事が実施されており今年中の完成を目指すとしています。
シアヌークビル港の北に位置するスタンハウには、石炭火力発電団地が形成されています。マレーシア系のCELは、当初の100MWに加えて東芝プラントが建設した150MWの増設が完成しています。また、中国系のCIIDGでは、これまで405MW(135MW×3基)でしたが、更に350MW×2基、合計700MWの増設工事を実施中です。カンボジアも脱炭素を目指して、新規の石炭火力発電事業は認可しない方針であり、増設はこれが最後となる見込みです。電力需要の増大に対応して、スタンハウとプノンペンを結ぶ送電線も建設中で、カンボジア初の50万ボルトの超高圧送電線も完成間近です。
プノンペンとシアヌークビルを結ぶ国道4号線は、交通量の急増やコンテナトラック等の大型車両の増加で渋滞が目立つようになっています。国道4号線改修工事については、世界銀行の支援が決定しています。ようやく入札手続きが完了し、施工業者が決まり、これから改修工事が実施される予定です。渋滞を抜本的に解決するためのプノンペン~シアヌークビル高速道路は、2023年の完工を目指しています。高速道路は、プノンペン近郊の環状3号線からスタートし、中国系企業が開発を進めるスタンハウを経由してシアヌークビル港近くまでを結ぶ片側2車線、総延長190キロメートルの計画です。完成後は、プノンペン~シアヌークビル間を2時間半程度で走行可能になるとしています。総工費は、20億1900万ドル(約2220億円)の見込みです。中国政府系の中国路橋工程(CRBC)の現地法人のカンボジア・プノンペン・シアヌークビル・エクスプレスウエー(柬埔寨金港高速公路)が、BOT(建設・運営・譲渡)方式で受託しています。委託運営期間は50 年とのことです。今回の視察では、数カ所で工事が進められているのを見ることができました。なお、一部報道では、今年の6月にも完成と中国大使が発言しているようですが、きちんとした品質で工事が進められることを願ってやみません。
シアヌークビルとプノンペンを結ぶ国道4号線は、以前はあまり休憩するところがなく苦労することもありましたが、現在は、PTTやTela等のガソリンスタンドにきれいなトイレやカフェ、コンビニ等を併設した施設が多数できており、大きく改善しました。プノンペンまで5時間程度の旅もだいぶ快適になりました。なお、今回は、プノンペン近郊で夜になったのですが、街灯がないと真っ暗であり、運転マナーも悪いので、大分怖い思いをしました。街灯等の交通安全インフラの整備が期待されます。
(写真は、鉄道南線。コンテナ輸送に加え、石炭やガソリンの輸送も増えているようです)
シアヌークビル港からスタンハウへ向かう道路も改修が進んでいました。
スタンハウの石炭火力発電所(CIIDG)
増設中の石炭火力発電所(350MW×2基=700MW)
プノンペン~シアヌークビル高速道路の工事現場
国道4号線と高速道路の立体交差建設現場。今年の6月完工というのは難しそうに見えます。
国道4号線。大型車の交通量も多いので、改修工事が待たれます。
PTTのガソリンスタンド。きれいなトイレ、コンビニ、アマゾンカフェ等が併設されていて助かります。
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2022年1月に、カンボジア南部のカンポット、ケップ、シアヌークビル等を視察する機会がありました。
カンボジアの唯一の深海港であるシアヌークビル港は、日本の支援を活用して拡充を進めてきました。更に、日本からの円借款によって、沖合を埋め立てて新コンテナターミナルを建設する事業が始まっています。
シアヌークビルとプノンペンを結ぶ鉄道南線は、民間会社のロイヤル鉄道によって運営されています。最近、シアヌークビル近郊で貨物列車同士の衝突事故を起こしており、安全な定時運行を可能にするような実績ある海外事業者の参画も期待されます。
シアヌークビル港からスタンハウを経由して国道4号線に出る道路は、国道4号線のバイパスとしての役割も期待されて、拡幅改修工事が実施されており今年中の完成を目指すとしています。
シアヌークビル港の北に位置するスタンハウには、石炭火力発電団地が形成されています。マレーシア系のCELは、当初の100MWに加えて東芝プラントが建設した150MWの増設が完成しています。また、中国系のCIIDGでは、これまで405MW(135MW×3基)でしたが、更に350MW×2基、合計700MWの増設工事を実施中です。カンボジアも脱炭素を目指して、新規の石炭火力発電事業は認可しない方針であり、増設はこれが最後となる見込みです。電力需要の増大に対応して、スタンハウとプノンペンを結ぶ送電線も建設中で、カンボジア初の50万ボルトの超高圧送電線も完成間近です。
プノンペンとシアヌークビルを結ぶ国道4号線は、交通量の急増やコンテナトラック等の大型車両の増加で渋滞が目立つようになっています。国道4号線改修工事については、世界銀行の支援が決定しています。ようやく入札手続きが完了し、施工業者が決まり、これから改修工事が実施される予定です。渋滞を抜本的に解決するためのプノンペン~シアヌークビル高速道路は、2023年の完工を目指しています。高速道路は、プノンペン近郊の環状3号線からスタートし、中国系企業が開発を進めるスタンハウを経由してシアヌークビル港近くまでを結ぶ片側2車線、総延長190キロメートルの計画です。完成後は、プノンペン~シアヌークビル間を2時間半程度で走行可能になるとしています。総工費は、20億1900万ドル(約2220億円)の見込みです。中国政府系の中国路橋工程(CRBC)の現地法人のカンボジア・プノンペン・シアヌークビル・エクスプレスウエー(柬埔寨金港高速公路)が、BOT(建設・運営・譲渡)方式で受託しています。委託運営期間は50 年とのことです。今回の視察では、数カ所で工事が進められているのを見ることができました。なお、一部報道では、今年の6月にも完成と中国大使が発言しているようですが、きちんとした品質で工事が進められることを願ってやみません。
シアヌークビルとプノンペンを結ぶ国道4号線は、以前はあまり休憩するところがなく苦労することもありましたが、現在は、PTTやTela等のガソリンスタンドにきれいなトイレやカフェ、コンビニ等を併設した施設が多数できており、大きく改善しました。プノンペンまで5時間程度の旅もだいぶ快適になりました。なお、今回は、プノンペン近郊で夜になったのですが、街灯がないと真っ暗であり、運転マナーも悪いので、大分怖い思いをしました。街灯等の交通安全インフラの整備が期待されます。
(写真は、鉄道南線。コンテナ輸送に加え、石炭やガソリンの輸送も増えているようです)
シアヌークビル港からスタンハウへ向かう道路も改修が進んでいました。
スタンハウの石炭火力発電所(CIIDG)
増設中の石炭火力発電所(350MW×2基=700MW)
プノンペン~シアヌークビル高速道路の工事現場
国道4号線と高速道路の立体交差建設現場。今年の6月完工というのは難しそうに見えます。
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