英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『臨場』 第4話「眼前の密室」

2009-05-08 23:46:01 | ドラマ・映画
 面白かったんですけどね。

★面白かった点

 ①ドアに挟んだ木の葉が密室を成立させたが、実はそれを利用したトリックだった。「中途半端な密室」という表現は、言いえて妙。

 ②カーラーが被害者の死亡時刻を限定!
  「好意を寄せる男性(容疑者)の前では、化粧をし直す」→「死体はスッピンでカーラーを巻いていたので、容疑者が帰った後、化粧を落とした」→「容疑者が殺したのではない」
  面白い論証だ。

 ③何気ないクワガタが、真相を示唆していたのには驚き。

 ④赤塚渉(橋爪淳)の息子に「この木が大事なんだ。これがあれば、何度ひっくり返ったって、自力で起き上がれる。その「き」さえあればな」という言葉を送る。いい、言葉です。(実際に、ドラマの中でも、クワガタが自力で起き上がっていて、その時は何気なく見ていた)

 ただ、「赤塚の息子には、倉石自身が声を掛けてほしかったと思います。そのシーンで締め括ってもよかったのではないかと」は、伊達さん(『伊達でございます!』)の言葉で、同感です。

★疑問点

 ①動機が弱いというか、すっきりしないというか……事件記者なら、殺してもいじめの解決にはならないことは、分かりそうなもの。
 この辺りは、ぱるぷんてさん(『ぱるぷんて海の家』)が真理を突いています。

 ②いじめなど同情できる点はあるが、密室トリックなど計画性があり、しかも、部下まで利用して、自身の保全を図るのは同情できない。
 この辺りは、じゃすみんさんの『ドラマでポン!』で、納得のできる動機付けを設定してくれています。

 ③花園愛(新聞記者・契約社員…金子さやか)の1回の取材で、いじめが分かるようなら、苦労はしない。

 ④不確実な密室工作
・偽注文で出前と被害者がもめるが、玄関の前、あるいは玄関の中でもめる可能性が大で、その隙に、家に侵入できるかは疑問だ。
・花園愛が、命令を無視して張り込み続ける可能性もある。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藤 【補足を追加しました】

2009-05-08 18:56:43 | 歳時
 藤は今が盛りで、あちらこちらにぶら下がっています。




 写真はヤマフジです。これに対して、藤棚などが作られ、園芸に栽培されているのがノダフジ(単に藤と呼ばれるときもあります)です。
 両者の違いは、弦の巻き方が違うのと、ヤマフジの方が花の房が短い(小振り)なのと、小葉の枚数(ヤマフジ11枚、ノダフジ11~19枚)だそうです。

 最近、ヤマフジを見かけることが多いのですが、山が管理されてないことの現われだそうです。他の木々の上部に茂り、光合成の妨げになるので、管理された森林では、刈り取られるそうです。


【補足】
 山が管理されなくなったのは、木材の価格が下落して、林業で生活するのが難しくなったからだそうです。

 最近、何かというと「エコ」ですが、その割には、高速道路料金を1000円にして、排気ガスを撒き散らしているのはいいのかなと思ってしまいます。
 それはさて置き、「エコ」といえば、レジ袋(エコバッグ)やエコポイント(省エネ家電)とかが頭に浮かびますが、その少し前から、割り箸も糾弾されています。
 最近では、オバマ氏と『ちりとてちん』で有名になった小浜市は、塗り箸の産地で、『マイ箸運動』で意気盛んです。
 もちろん、私もエコ活動(マイバッグ、マイ箸)に異を唱えるつもりはありません。ただ、それならば、一貫性を持って行動して欲しいなあと思うわけです。
 テレビ局も「エコ」「エコ」と連呼するのなら、深夜放送を自粛すべきですし、クリスマスになると、至る所で電飾の花が咲かすのは如何なものなのでしょうか。

 あらら、話が横道に逸れてしまいました。
 割り箸の話でした。昭和の時代、割り箸はそのほとんどが国産でした。それが、森林破壊につながったかというと、そうではありません。間伐材や建築廃材が主に利用していました。
 
 森林を放置していくと、樹が伸び放題、茂り放題になり、日光が地面まで届かなくなります。地面どころか、下枝辺りも光が差し込みません。そうなると、光合成は樹の上部でしかできなくなり、樹はやせ衰えます。水害や土砂崩れも起こりやすくなります。
 そうならないよう、ある程度、樹を間引きして、光の通りを良くしてやるのです。また、それによって、空間的にも枝が伸びる余地ができて、樹木はしっかりしたものになります。(人間が森林に手を加えることが、本当にいいことなのかは分かりません)


 その間引き作業を「間伐」と言い、その木材を間伐材と言います。
 また、建築廃材も木材の有効利用です。

 だから、「割り箸=森林破壊」とは単純に言えないのです。


 ところが、資本主義の世界ですから、単価は安い方がいいです。間伐材や建築廃材とは言え、主材料の杉や桧やエゾ松は高価です。また、人件費もかかります。
 安価なカナダやチリなど外国産(アスペンやポプラや樺)に押されていきました。(箸としての価値は、アスペンよりは杉のほうが遥かに高いのですが)

 その上、木材自体が低価格の外国産に押され、阪神大震災で木材住宅の需要は減り、更に安い中国産の割り箸の進出(現在、世界の割り箸のほとんどが中国産)で、箸製造業者は更に苦しくなっていきました。

 アスペンをはじめとする外国産の箸は、一時的に儲ければいいと言う考えで、根こそぎ伐採していきます。「後のことは知ったことではない」のです。
 どの分野でもそうですが、「価格破壊」を奨励すると言うことは、今までの社会システムを破壊し、自然を破壊していくことになるのです。

 だから、現代においては「マイ箸運動」もその意義は高いと言えます。(ただし、箸を洗浄する水資源も頭に入れる必要があります)
 しかし、低価格を追い求めることが、林業を廃れさせ、森や山を荒れさせています。

 まあ、そういった堅いことはさて置き、「杉や桧の割り箸=森林破壊でない」ということを、分かっていただきたかったのです。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする