6月7日記事『将棋初級講座①』の後編です。

問題図で、普通に▲2二金と打っても△4二玉と逃げられて全く捕まりません。
「受け方(後手)の玉が、もし2一に居たら、(下図のように)頭金の形にできるのになあ」

と思いませんか?
将棋では、「もし~だったらなあ」と思うことが解決の第一歩になることが多いのです。願望を実現させる工夫が、局面に埋まっていることが多いのです。
今回の問題の解決法は、「餌をちらつかせて捕まえる」のに似ています。いえ、そんなギャンブル的な要素はなく、もっと強制力があって、「強引に引っ張り込んで抑え込む」と言った方が正確な表現ですね。
それはともかく、玉を2一におびき寄せる(引っ張り込む)餌は何でしょうか?持ち駒の金?いえ、それでは逃げられるだけです。では……そうですね、1二の角が怪しいですね。これを餌にしてみましょう。

▲2一角成!(一閃図)……「只なのでは?」と思った方は正しい初級者です。(バカにしているのではなく、しっかり駒の利きをマスターしているという意味です)
角の只捨てに限らず、将棋には駒を捨てる手がよく登場します。単に取られるのは、非常に痛いのですが、それより大きな収穫が得られれば、好手となります。今回の収穫は、もちろん玉です。
2一の馬が只なので、取ってみましょう。(基本似図)

そうすると、玉が一路移動したので、基本技の「頭金」が可能になっています。
というわけで、ピシリと▲2二金!(解決図)

頭金で解決です。
さて、先ほどの説明で、「餌でおびき寄せるのではなく引っ張り込む」と言う表現をしましたが、単に餌でおびき寄せるのでは決定打にはなりません。例えば、2一に捨てる餌が金だったらどうでしょう?

欲張りな玉なら、パクリと食いつき「頭金」が実現しますが、危険を察知する賢い玉は△4二玉と体をかわします(サヨナライオン図)。

将棋の面倒くさ…いえ、素晴らしいところは、相手の応手をすべて想定し対応しなければならないということです。
初手の2一角成(一閃図)の素晴らしい点は、△4二玉とかわされた場合でも、2一の馬の利きが4三まで利いていて、▲4三金(変化図)と、詰ますことができることです。

あと、この図で気づいていただきたいことは、仮に4一の金や5一の銀がいなかったら詰まないということです。5一の銀がなかったら▲4三金と打たれても5一玉と逃げることができます。
通常、金や銀が玉のそばに居れば、守りに役立つのですが、この場合は逆に邪魔になっています。このように、時と場合によって、逆効果になることもあるというのも、将棋の面白さの一つだと思います。
最後に、この問題のバリエーション図を挙げておきます。

問題図で、普通に▲2二金と打っても△4二玉と逃げられて全く捕まりません。
「受け方(後手)の玉が、もし2一に居たら、(下図のように)頭金の形にできるのになあ」

と思いませんか?
将棋では、「もし~だったらなあ」と思うことが解決の第一歩になることが多いのです。願望を実現させる工夫が、局面に埋まっていることが多いのです。
今回の問題の解決法は、「餌をちらつかせて捕まえる」のに似ています。いえ、そんなギャンブル的な要素はなく、もっと強制力があって、「強引に引っ張り込んで抑え込む」と言った方が正確な表現ですね。
それはともかく、玉を2一におびき寄せる(引っ張り込む)餌は何でしょうか?持ち駒の金?いえ、それでは逃げられるだけです。では……そうですね、1二の角が怪しいですね。これを餌にしてみましょう。

▲2一角成!(一閃図)……「只なのでは?」と思った方は正しい初級者です。(バカにしているのではなく、しっかり駒の利きをマスターしているという意味です)
角の只捨てに限らず、将棋には駒を捨てる手がよく登場します。単に取られるのは、非常に痛いのですが、それより大きな収穫が得られれば、好手となります。今回の収穫は、もちろん玉です。
2一の馬が只なので、取ってみましょう。(基本似図)

そうすると、玉が一路移動したので、基本技の「頭金」が可能になっています。
というわけで、ピシリと▲2二金!(解決図)

頭金で解決です。
さて、先ほどの説明で、「餌でおびき寄せるのではなく引っ張り込む」と言う表現をしましたが、単に餌でおびき寄せるのでは決定打にはなりません。例えば、2一に捨てる餌が金だったらどうでしょう?

欲張りな玉なら、パクリと食いつき「頭金」が実現しますが、危険を察知する賢い玉は△4二玉と体をかわします(サヨナライオン図)。

将棋の面倒くさ…いえ、素晴らしいところは、相手の応手をすべて想定し対応しなければならないということです。
初手の2一角成(一閃図)の素晴らしい点は、△4二玉とかわされた場合でも、2一の馬の利きが4三まで利いていて、▲4三金(変化図)と、詰ますことができることです。

あと、この図で気づいていただきたいことは、仮に4一の金や5一の銀がいなかったら詰まないということです。5一の銀がなかったら▲4三金と打たれても5一玉と逃げることができます。
通常、金や銀が玉のそばに居れば、守りに役立つのですが、この場合は逆に邪魔になっています。このように、時と場合によって、逆効果になることもあるというのも、将棋の面白さの一つだと思います。
最後に、この問題のバリエーション図を挙げておきます。

