英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2018全日本バスケットボール選手権 決勝 JX-ENEOSサンフラワーズ vs デンソー アイリス

2018-01-09 15:46:34 | スポーツ
2018全日本バスケットボール選手権の決勝は、JX-ENEOSサンフラワーズとデンソー アイリスの顔合わせとなった。(以後、「JX」「デンソー」と表記)

 デンソーの新加入は、ルーキーのオコエ桃仁花(明星学園、プロ野球のオコエ選手の妹さん)、佐古瑠美(桜花学園)、笠置晴菜(昭和学院)、粟津雪乃(桜花学園)、田村未来(早稲田大)、赤穂ひまわり(昭和学院、赤穂さくらの妹さん)の大量6人。畠中春香(大阪人間科学大)は新人登録だが、アーリーエントリーで昨シーズン途中から出場している。
 チームを去ったのは、高田汐織(富士通へ移籍)、牛田悠理(引退)、伊藤恭子(引退、デンソー・サポートスタッフ)。新加入と退団の人数が合わないが、昨シーズンの登録は畠中を合わせても12人で、故障者が出て6人でゲームに臨んだこともあったようだ。
 人数が増えてもルーキーばかりなので、高田汐織、牛田悠理、伊藤恭子の抜けた穴は大きく、層が厚くなったとは言えない。しかし、スターティングメンバーは揃っている。特に、高田真希に赤穂姉妹のペイントゾーンはかなり強力、スタメンの稲井と篠原に伊集を加えたガード陣も動きが良い。
 JXの戦力変化についてはこちらをご参照ください。

 ゲーム序盤、高田を中心に攻め(6得点)、デンソーが8-2とリードしたが、岡本、大崎、吉田がしぶとく点を稼ぎ、逆に11-8とJXが3点のリードを奪う。
 しかし、デンソーも踏ん張り、一進一退の攻防が続き、第1ピリオドは、JX15-16デンソーで終了。
 得点は拮抗しているが、デンソーのペイント陣に手を焼き、JXは個人技で凌いでいる感じで、デンソーのペース。

 第2ピリオドに入ると、第1ピリオドよりさらにデンソーペースが色濃くなってきた。
 JXは岡本に代えて大沼を入れ、流れを変えようとする。ただ、岡本と大沼は、身長は大沼があり、スピードは岡本があるという差はあるが、ドライブも3Pシュートも武器、ディフェンスもしつこいと共通点の多いプレーヤーで、効果的かは疑問。大沼の方が大きいので、デンソーのペイント陣に適応しやすいかもしれないが。
 大沼は早速3Pシュートを放つが、エアボール。さらに、渡嘉敷と宮澤、吉田と大沼で息が合わず、ターンオーバー(記録は渡嘉敷と吉田のターンオーバー)。この間、デンソーは伊集がミドルシュート、稲井がロングシュートを決め、JX15-20デンソー(1分32秒)
(稲井のシュートは最初3Pと認定されたが、2Pに訂正された模様)

 たまりかねたJX・佐藤ヘッドコーチがタイムアウトを取る。
「みんな、インサイドにばかりボールを入れようとして、また腰高になっている、ボールを上げて!
 シュート、ドライブ、それからパス。……みんな、中に入れて、どうにか中に助けてもらおうとしている。自分で切り開け、そこを!

 的確な指示だと思うが、驚いたのは岡本をコートに戻し、大崎を下げたこと。
 ここまで、渡嘉敷&大崎のツインタワーがデンソーのペイントトリオに手こずっていた上、上記のように意思なくツインタワーに託していたのでは、オフェンスが好転できない。なので、ツインタワーをひとりにした方が、中に入れるにしても、意図を持ってのパスになる(2人いると、どちらに入れるか迷い、≪取りあえず中に≫となる)。
 しかし、ベンチに下げるとしたら、精彩を欠き得点0の渡嘉敷で、ここまで6得点で攻守に頑張っていた大崎はベンチに下げにくい。もちろん、≪頑張った大崎に疲労が溜まり、働いていない渡嘉敷はエネルギーを持て余している≫という考え方はあり得る。
 とにかく、冒険的なメンバーチェンジを避け、レギュラーをコートに出し続けることが多い佐藤HCにしては、思い切った交代だった。

 佐藤HCの檄が効いたのか、積極的なビシッとしたオフェンスとなった。吉田が3Pシュートとドライブシュート、宮澤がターン&ジャンプシュートを決める。ディフェンスも厳しい圧力を掛けデンソーのオフェンスを封じ、22-20と一気に逆転
 4分11秒、赤穂ひまわりが3つ目のファールを犯し、ベンチに。
 デンソーはゾーンディフェンスに変えたが、岡本がその間隙をぬって、コーナーで待つ大沼にパス。これを大沼が3Pシュートを決め、25-22(4分21秒)
 この後、JX宮澤のミドルシュートに対し、デンソーも山田の3Pシュート、稲井のドライブシュートで27-27と譲らないが、すぐさま宮澤が3Pシュートを決め、デンソーの気勢を削ぐ。
 そして、6分44秒、流れを決定づけるプレーが出る。フリースローラインの1mほど手前でボールを持つ吉田が、横を走り抜ける渡嘉敷にサイドパス。高田がリンク下におり、強引に思えたが渡嘉敷はそのままゴールに突入。高田と渡嘉敷が接触(衝突)、オフェンスファールかと思えたが、ディフェンスファール。
 ≪まあ、オフェンスファールはなかなかならないからなあ≫と思ったら、その直前にちょっかいを出した伊集のファールだった。確かに手を渡嘉敷の腕に掛けており、渡嘉敷はその妨害には全く影響を受けていなかった(笑)が、ファールと言えばファールだ。伊集が手を出さなかった場合、この後の渡嘉敷と高田の折衝がどうなるかは不明だが、余計なファールだった。
 2本のフリースローを決めた渡嘉敷は、この試合、初得点。フィールドゴールはならなかったが、リングに向かうプレーができ、得点をマークでき、ここまでのモヤモヤも晴れたのではないだろうか?
 この後すぐ、ゴール下に入った渡嘉敷に吉田がパスを通し、渡嘉敷、このゲーム、初のフィールドゴール!JX34-27(残り2分40秒)

 眠っていた渡嘉敷まで目を覚ましては、デンソーは苦しい。高田が27得点と奮闘し、赤穂さくら13点・7R、稲井も9点・5R・7ASと健闘したが、宮澤、吉田、大崎、岡本、吉田、宮崎、大沼らが存分に活躍されては勝ち目はなかった。

 前半はJX40-29デンソー。第3ピリオド終了時、62-41……結局、84-62でJXが5連覇22回目の栄冠に輝いた。
 宮澤…19得点、渡嘉敷…17点・5R、大崎…16点・5R、吉田…10点・9AS、岡本…6点・6AS。

 デンソーの赤穂ひまわりは、ファールトラブルもあり2得点に留まり、JXの厳しい洗礼を受けた。
コメント (2)
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