英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season16 第10話 元日SP「サクラ」

2018-01-01 21:28:19 | ドラマ・映画
“聖夜に発生した発砲事件とサイバーテロ!!”(番組サイトの「ストーリー」の謳い文句の引用)
という冒頭。相棒で“テロ”が絡むと、テロに見せかけ犯罪を隠蔽しようとした内部班だったり、テロとは名ばかりのエセテロリストだったりすることが多く、今回も尻すぼみになってしまうのではないだろうかという危惧を抱いた。

 脚本家による先入観を持たないために、視聴前に担当脚本家についての情報はカットしているが、途中からある脚本家の名が浮かんだ。

【その脚本家の特徴、その1】
劇中、情報や疑問点の整理をする
 右京に語らせることが多く、今回も
「サクラの銃弾は5発。1発は風間巡査部長が、もう1発は犯人が使用し、残りは3発。
 “犯人が銃を奪った目的は何なのか?”
 そもそも“犯人は、なぜ風間巡査部長を盗撮していたのか?”
 それからもう一つ、“被害者は、なぜ姿を消したのか?”」



【その脚本家の特徴、その2】
疑問がある程度解明されると、そこから更なる疑問が次々湧き上がる。さらに、それらを丁寧に回収していく
・自殺した巡査部長は、元刑事で山脇内閣人事局長の溺死について疑問を持っていた?(上層部から圧力が掛かり、左遷)
・山脇氏の死の真相は?(有馬が少年たちにハックさせ、脅迫していた)
・内閣官房副長官・折口氏にも山脇氏と同様な危機が?(折口も脅迫されていたが、最後には失脚を恐れず有馬を告発)
・内閣審議官・有馬武人と衣笠副警視総監が連携?(右京がその関係を推理)
・銃で撃たれた男(“安田”と名乗る)が、冠城と接触し脅迫。脅迫のネタは?(ラストで判明)
・失踪した少年・智弘の呟き…「そんな恐ろしいものを見たなんて、思わなかったんだ」……(警視庁のサーバーに侵入したことと後に判明)
・ハンドルネーム「QTES 689」を残した理由(喬樹に隠れ家を知らせる暗号)


【その脚本家の特徴、その3】
レギュラーの登場人物が、いつもよりちょっとだけ善人になったり、人情的になる
・伊丹&芹沢の特命係への邪険さが少なく、刑事部長の私利的言動や特命係への風当たりも少ない(小さい)
・冠城も美彌子と彼女の娘を守るために脅迫に応じる
・美彌子も少年の未来を思い、自分たちが傷つくことを恐れない。
・美彌子の部下たちも、正義に従う
・峯秋も右京たちに助け舟を出す
・少年に対してということもあるが、右京の言葉も優しい
「キミは自分のしたことに責任を取らなければなりません。
 しかし、ぼくは今回のことで、キミが自分の生きている社会を諦めてほしくないと思ています。
 この社会では、たくさんの不正が存在します。
 君が今回体験したように、“この世に正義などないのではないか”と感じる時もあるかもしれません。
 正義が人間人間が考え出したモノ…根の弱い人工の植物のようなものだからです。
 その存在を望み、大切に育てる人がいなくなれば、たちまち枯れてしまう。
 不正に飲み込まれて力のない人間は、押しつぶされていってしまう。
 僕は、キミに…“正義と公正さを望み、それを実現しようと思う”努力する側の人間であって欲しいと願っています。
 そして…………キミはそうなれる。僕は信じています」



【その脚本家の特徴、その4】
現代社会の理不尽さと、それに立ち向かおうとする意志がテーマ
手下の安田(少年を脅す際の“一千万円以下の罰金”という言い回しも巧妙)とその親分の内閣審議官・有馬の悪辣な言葉と詭弁
「警察っていうのは、強いもんの味方なんだよ。
 “力のあるものは何をやっても裁かれない”そういうふうにできてんだよ
 “この世に正義や公正さなんてある”と思ってるんだったら、いい加減、目を覚ました方がいいぞ」
「些末なルールに囚われ、結果、脅威を増大させることは、むしろ大罪と言うべきではありませんか?」



これに対する右京の言葉
「絶大な権力を握る者が自らルールを破り、己に都合の良いルールを人々に強要しようとする方が大罪だと、僕は思いますが」


 私の贔屓目もあるが、さすが太田愛だ


 特命係には『停職処分』も関係ないようだ。
 でも、警察手帳がなくて困るシーンもあった。



第1話「検察捜査」
第2話「検察捜査~反撃」
第3話「銀婚式」
第4話「ケンちゃん」
第5話「手巾(ハンケチ」
第6話「ジョーカー」
第7話「倫敦からの客人」
第8話「ドグマ」
第9話「目撃しない女」

元日スペシャル2011 「聖戦」 脚本:古沢良太
元日スペシャル2012 「ピエロ」 脚本:太田愛
元日スペシャル2013 「アリス」 脚本:太田愛
元日スペシャル2014 「ボマー~狙撃容疑者特命係・甲斐享を射殺せよ!」 脚本:太田愛
元日スペシャル2015 「ストレイシープ」 脚本:真野勝成
元日スペシャル2016 「英雄~罪深き者たち」 脚本:真野勝成
元日スペシャル2017 「帰還」 脚本:真野勝成

【ストーリー】番組サイトより
聖夜に発生した発砲事件とサイバーテロ!!
事件に関わる高校生3人同時失踪の背後に権力者の影!?
停職危機の特命係が最高難度の事件に挑む!


 クリスマスイベントの会場で発砲事件が発生。しかし、奇妙なことに加害者のみならず被害者も行方をくらましてしまう。
 残された銃弾から、制服警察官に支給されている拳銃、通称“サクラ”が使われたと判明した直後、交番で制服警察官が自殺し、銃が持ち去られているのが発見された。広報課長の美彌子(仲間由紀恵)は、混乱を避けるため発表を控えようとするが、『QTES689』というハンドルネームを持つ何者かが、緊急災害速報メールの発信元をハッキングしてサクラ盗難の証拠映像を拡散してしまう。
 独自の捜査を始めた右京(水谷豊)は、自殺した警察官が元所轄刑事で、3か月前に事故と処理された内閣人事局長の死を、一人で捜査していたという情報を掴む。どうやら、局長の死と今回の発砲事件に何らかの繋がりがありそうだが…!?

 いっぽう、発砲事件で撃たれた後、姿をくらました被害者を捜索中の亘(反町隆史)は、不意に当人から接触を受ける。安田(梶原善)と名乗った男は、“ある話”を亘に持ち掛けてきて…!?
 そんな中、特命係は思わぬ情報源から、半年前に謎の失踪を遂げた上条喬樹(健太郎)をはじめとする3人の男子高校生が、一連の事件と関係している可能性に気づく。
 ところが、捜査本部は全く違う思惑に支配されていた。内閣情報調査室の審議官・有馬(鶴見辰吾)が、副総監の衣笠(大杉漣)を通じて、不穏な強硬手段を指示したのだ。いっぽう、死亡した局長と懇意にしていた官房副長官の折口(篠井英介)の周辺でも、一連の事件に繋がると見られる不吉な思惑がうごめいていた。

停職の危険を冒しながらも捜査を続ける右京と亘
銃撃犯とサイバーテロの実行犯は同一人物なのか!?
権力者、警察、失踪した高校生、そして特命係……
それぞれの思惑が交錯し、事態は国家を揺るがす驚愕の結末へと向かう!!


出演:水谷豊 反町隆史 鈴木杏樹 大杉漣 仲間由紀恵 石坂浩二
ゲスト:健太郎 篠井英介 梶原善 鶴見辰吾

脚本:太田愛
監督:内片輝
コメント (4)
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