英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『99.9-刑事専門弁護士- SEASON Ⅱ』 第1話

2018-01-16 15:53:56 | ドラマ・映画
相変わらず人を食ったような態度の主人公
脇役も「周囲に居たら嫌かも」と思うキャラが多い……


【番組サイトの『はじめに』より引用】
タイトルの「99.9」は、日本の刑事事件における裁判有罪率(起訴された際に裁判で有罪になる確率)を示している。世界一の有罪率を誇っており、日本の司法制度の高い信頼性の証明ともいえるが、そこには大きな落とし穴が隠されている。一旦起訴されると検察の考えたストーリーが正しいと鵜呑みにされがちなのだ。さらに、刑事事件を専門に扱う弁護士の数も極端に少ないため、丁寧に検証することは極めて困難となってしまう。しかし、たとえ99.9%有罪が確定している事件でも、残り0.1%が確定しない限り、それは本当の意味で“事実"に辿り着いたことにはならない。
本ドラマは、最後の0.1%まで諦めず事実を追い求めていく弁護士たちの姿を描いた物語である。


 主人公・深山大翔(松本潤)は「0.1%の事実」と言っていたと思うが、「0.1%の可能性」と言った方がしっくりくる。
 主人公というか、制作サイドは事実や“事実”という言い回しに拘り、「事実を追い求めていく」という主人公たちの姿勢を貫いている。
 しかし、依頼者(被告)の気持ちを軽んじているように感じ、疑問に感じる。

(この点については、SEASONNⅠの最終話でも考察している)

今シリーズのヒロインは元裁判官
……裁判官は提出された証拠だけを見て判断する。これは公正、中立な審判者として裁判を行う裁判官としては当然だが、裁判官を辞めて弁護士として仕事をしているのだから、それに固執する彼女の考え方や態度は、あまりに頭が固すぎと感じた。(もっとも、今後、深山に感化されていくであろう)

 主人公の態度やサブキャラのうざさにはストレスを感じるが、それを事件そのもののミステリー度や謎解きの面白さが上回ってくれることに期待したい(前シリーズもそういう期待を抱いて視聴したが……)



今回の事件 ………被告のアリバイ主張の時刻が、証言者の時刻とずれがあり、その事実の揺るぎなさが決定的なものに思えた
証言1.社員の阿部は「取引先に発注した後の夜8時に社長(被告)が会社を出た」と証言。
取引先に留守録の音声データが残っており、その時刻も8時だった。(社長は9時ごろだと主張)

 ………実際は、証言2の現場からスマホで電話を掛けていた。


証言2.社員の伊藤と出会い、スマホで彼女を撮ったが、その時刻が8時過ぎだった(社長は9時過ぎだと主張)
その画像には、その場所に設置された時計が写っており、8時過ぎを示していた

 ………実際は、阿部が撮ったものだった。

今回の突っ込み
証言1について
「スマートフォンでの撮影画像の角度で被告が撮ることができない」……これは最初観た時にすぐピンと来てしまった。
 ≪これだけでは弁護する材料としては弱い≫としていたが、検察側はこの点について、合理的な説明をする必要があると思うが、どうなのだろう?


証言2について
 留守録データが社長の主張時刻と違っていたが、取引先と自社の発信・受信履歴を照らし合わせれば、犯人の工作のボロが出るはず。
『科捜研の女』なら、この二つの証言(主張)の検証は最初の15分で終わってしまうような気がする………

現場検証等について
 凶器の出処や凶器を含む指紋などの検証はしないのだろうか(犯行状況については深く検証していたが)

犯人の犯行動機について
 社長にこき使われて不満を持っていたとはいえ、社長を殺めるのならともかく、他人を殺害して社長を嵌めるというのは、あまりにも不自然。
 犯行によって大金が手に入るのなら理解できるが、「ハイリスク、ノーリターン」である。全く意味不明の犯行動機だった。

 


【ストーリー】番組サイトより
 深山大翔(松本潤)は、99.9%有罪とみなされた案件でも、残された0.1%の事実を自らが納得するまでとことん追及する刑事専門弁護士。そんな超型破りな弁護士・深山に振り回されて、刑事事件専門ルームの室長はなかなか定着せず、所長・斑目春彦(岸部一徳)は頭を抱えていた。
 そこで、斑目から白羽の矢が立ったのは、民事の仕事に戻っていた敏腕弁護士・佐田篤弘(香川照之)。
 所長の打診に全身全霊で抵抗する佐田だったが、刑事事件専門ルームの後任を探すまでの兼務ということと、後任が見つかったら、マネージングパートナーを譲るということを条件に渋々承諾。こうして、再び深山と佐田の名コンビが復活する。

 そんな中、とある殺人事件の弁護依頼が舞い込む。依頼人は、加害者・鈴木二郎の娘・加代。
 鈴木が借金をしていた沢村ファイナンスの社長が殺害され、鈴木は、その事件の容疑者として逮捕・起訴されていた。そして、依頼人・加代の親友で、付き添いとしてやってきたのは、元裁判官・尾崎舞子(木村文乃)だった。舞子はエリート裁判官として、順調にそのキャリアを重ねていたが、ある事件がきっかけで裁判官を退官。司法の世界から距離を置いていた矢先に、加代に相談されて、やって来たのだ。
 しかし、舞子が、深山たちに求めたのは、加代の父親の無実を証明することではなく、情状酌量だった。舞子は裁判官時代の経験から、調書を見る限り加代の父親の犯行であることは明らかだと考えていた。
 そのため、状況証拠から有罪は免れない事件でも0.1%の事実を追求する深山と、真っ向から対立する。一方、舞子の優秀な経歴を知った佐田は、あることを画策する――。

 調書だけを見れば、有罪は確実。裁判で覆すことは困難に見えるこの殺人事件…果たして深山たちは事実を明らかにすることができるのか?

脚本:宇田学
トリック監修:蒔田光治
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