英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント 準決勝 その3

2023-09-27 11:44:46 | 将棋
「2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント 準決勝 その2」 の続きです)
 2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント 準決勝:今井女流1級-加藤(結)女流初段戦は、振り飛車の今井女流1級の指し手がちぐはぐで、大苦戦に陥った。
 加藤(結)初段は落ち着いた指し手で、有利を拡大していき、勝利に近づいていったが、終盤、誤り、混戦に。

 図ではチャンスが訪れていた!(図の△5八銀成は空成りで、かなりの緩手)

 時間が切迫して読み切るのは難しいが、アマ高段者以上なら、後手陣に迫るのなら、まず“この一手”という手がある。
 それが、▲3一飛成
 通常は、3二には駒がなく王手で3一に飛車が成るというパターン。しかし、この局面は既に3二に金があり▲3一飛成に同金と取られてしまうのだが、1一に龍がいるので▲3一同龍と攻めを継続できる。以下、△3二金に▲4二銀△5二玉に▲3二金が普通の寄せで良さそう。ただし、▲3二金に△同銀と取られた時の後手玉の詰みが意外と難しい。迂闊に▲5一龍とすると、△4三玉で訳が分からなくなる(多分、先手の勝ち)。正解は▲5一銀成△6三玉▲6二金△同玉▲3二龍△5一玉▲6二銀。
 そこで、▲3一飛成△同金▲3一同龍△3二金▲4二銀△5二玉に一旦、▲5一龍△6三玉を決めてから▲3二金と金を補充する方が無難。それでも、△6五歩と玉の脱出を図られると、勝ちを読み切るのは大変。(実際は▲5三銀成△同金▲7三桂成以下の詰みがあるが、実戦的には▲7七角と詰めろを掛けた方が良さそう)
 最初の▲3一飛成には△1二金や△4三玉や△4二金打と頑張る手がある。どの手に対しても、先手が勝ちになる(詳しい変化は省略させてください)。
 勝ちを読み切るのは大変だが、図では▲3一飛成の一手であろう。
 実戦は▲4一飛成としたため、△4二金打で後手玉への寄せが遠のいてしまった。

 時間切迫で最善手を続けるのは大変だが、△5八銀成▲4一飛成の2手は、挑戦者決定トーナメントの準決勝としては残念。

 挑戦者決定戦は、西山朋佳女流三冠対加藤結李愛女流初段となった。
 (ああ、今日、行われているのか)
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