「その1」の続きです。
各ブロックの状況を整理すると
【第1ブロック】RRAv…48.44 ○西山女流三冠(1位)-水町女流初段(35位) 西山三冠(1位)
【第2ブロック】RRAv…40.67 ○内山女流1級(11位)-中村(真)女流三段(14位)
【第3ブロック】RRAv…30.67 ○上田女流四段(5位)-山根女流二段(6位) 上田四段(5位)山根二段(6位)塚田初段(10位・5月に二段昇段)
【第4ブロック】RRAv…40.44 ○木村女流1級(16位)-長沢女流四段(71位)
【第5ブロック】RRAv…32.22 ○今井女流1級(32位)-千葉女流四段(22位) 香川女流四段(9位)渡部女流三段(7位)鈴木女流三段(8位)
【第6ブロック】RRAv…39.77 ○岩根女流三段(27位)-中井女流六段(15位)
【第7ブロック】RRAv…45.78 ○礒谷(真)女流初段(49位)-長谷川女流二段(45位)
【第8ブロック】RRAv…31.67 ○加藤(結)女流初段(20位)-野原女流初段(13位) 加藤(桃)女流三段(3位)伊藤女流三段(4位)
RRAv…レーティング順位の平均値(青字は平均値が上位、赤字は下位)
各ブロック右側の棋士名はランク10位以上の棋士 倉敷藤花タイトル保持者の里見五冠はランク2位
第3ブロックの上田四段、山根二段、塚田現二段のAクラス(トップ10)3人の内、2棋士が姿を消すのは仕方がないとして(上田四段がベスト8進出)、第5ブロックの渡部三段、鈴木三段、香川四段は今井1級に後塵を拝してしまった(鈴木は渡辺に敗れ、香川、渡部は今井に敗れた)。さらに、第8ブロックの加藤(桃)三段、伊藤三段も3回戦で野原初段、加藤(結)初段に敗れ、ベスト16にも進出できなかった。
結局、Aクラス9名の内、ベスト8に残れたのは西山女流三冠と上田女流四段だけとなった。
それにしても、ブロックによる濃淡さがあり過ぎ。抽選にいたずらで、《そういうのもあり》だと思うが、女流棋戦では生じ過ぎのような気がする。
【準々決勝の組み合わせ】
西山女流三冠(1位)-内山女流1級(11位)
上田女流四段(5位)-木村女流1級(16位)
今井女流1級(32位)-岩根女流三段(27位)
礒谷(真)女流初段(49位)-加藤(結)女流初段(20位)
上二つの対戦は、西山、上田は順当、内山、木村はブロックの顔ぶれ("薄い”ブロック)からすると"あり得る”。
下二つの対戦は、相当意外。今井1級は実力者だが、渡部三段、鈴木三段、香川四段の内二人を倒さなければベスト16に進出できず、勝ち上がったとしても、小高初段(24位)か千葉四段(22位)が勝ち上がってくることが予想され、ベスト8進出の難易度は高かった。
岩根三段のブロックは、清水七段、中井六段がおり、初戦の矢内五段も"強い時は強い”ので、勝ち上がるのはそこそこ難しい。それでも、今井、岩根両棋士は実力者なので、やはり"あり得る”と。
しかし、礒谷初段(49位)-加藤(結)初段(20位)は全くの想定外だった。想定外だったが、礒谷のブロックは、相当希薄なメンバーで、大島初段(18位)が敗れたら、誰が勝ち上がっても不思議ではない(予測困難)。頼みの?大島初段が3回戦で長谷川二段に敗れてしまったので、“誰が勝ち上がっても不思議ではない”状態になった。
加藤(結)初段のブロックは、《加藤(桃)三段と伊藤三段がベスト8を懸けて戦わねばならないのか?》と愁いたが、両名とも3回戦で姿を消したので、愁わなくてもよくなってしまった(笑)。加藤桃を破った野原(13位)も相当な実力者で、加藤(結)もここ二年実力をつけてきているので、個々の対戦では加藤桃、伊藤の敗局もあり得るとは思っていたが、揃って敗れるとは……
【準々決勝の結果】
○西山女流三冠(1位)-内山女流1級(11位)
○上田女流四段(5位)-木村女流1級(16位)
○今井女流1級(32位)-岩根女流三段(27位)
礒谷(真)女流初段(49位)-加藤(結)女流初段(20位)○
加藤(結)女流初段の勝利が予想外だったが、あとの3局は予想通り。
【準決勝の組み合わせ】
西山女流三冠(1位)-上田女流四段(5位)
今井女流1級(32位)-加藤(結)女流初段(20位)
西山女流三冠-上田女流四段戦は、中盤以降局勢をリードした西山女流三冠が、多少のブレはあったものの押し切った。
上田女流四段も剛腕と巧妙さを兼ね備えているが、西山女流三冠はそれ以上。それに、棋風が合うというか、上田女流の指し手は西山三冠の想定内。相性が良いと言うか……上田女流にとっては《相性が悪いなあ》と感じているのではないだろうか。
今井女流1級-加藤(結)女流初段戦は、振り飛車の今井女流1級の指し手がちぐはぐで、“振り飛車の負けパターン”(左辺・左翼を破られそうで、捌けもしない)に陥った。
加藤(結)初段は落ち着いた指し手で、有利を拡大していき、勝利に近づいていったが、終盤、誤り、混戦に。
先手・今井陣は一見、美濃囲いだが、金と銀ではなく桂と香! 何とも“安普請”。今井女流の苦戦ぶりが伺える。
図ではチャンスが訪れていた!(図の△5八銀成は空成りで、相当緩い手に見える)
「その3」に続く
各ブロックの状況を整理すると
【第1ブロック】RRAv…48.44 ○西山女流三冠(1位)-水町女流初段(35位) 西山三冠(1位)
【第2ブロック】RRAv…40.67 ○内山女流1級(11位)-中村(真)女流三段(14位)
【第3ブロック】RRAv…30.67 ○上田女流四段(5位)-山根女流二段(6位) 上田四段(5位)山根二段(6位)塚田初段(10位・5月に二段昇段)
【第4ブロック】RRAv…40.44 ○木村女流1級(16位)-長沢女流四段(71位)
【第5ブロック】RRAv…32.22 ○今井女流1級(32位)-千葉女流四段(22位) 香川女流四段(9位)渡部女流三段(7位)鈴木女流三段(8位)
【第6ブロック】RRAv…39.77 ○岩根女流三段(27位)-中井女流六段(15位)
【第7ブロック】RRAv…45.78 ○礒谷(真)女流初段(49位)-長谷川女流二段(45位)
【第8ブロック】RRAv…31.67 ○加藤(結)女流初段(20位)-野原女流初段(13位) 加藤(桃)女流三段(3位)伊藤女流三段(4位)
RRAv…レーティング順位の平均値(青字は平均値が上位、赤字は下位)
各ブロック右側の棋士名はランク10位以上の棋士 倉敷藤花タイトル保持者の里見五冠はランク2位
第3ブロックの上田四段、山根二段、塚田現二段のAクラス(トップ10)3人の内、2棋士が姿を消すのは仕方がないとして(上田四段がベスト8進出)、第5ブロックの渡部三段、鈴木三段、香川四段は今井1級に後塵を拝してしまった(鈴木は渡辺に敗れ、香川、渡部は今井に敗れた)。さらに、第8ブロックの加藤(桃)三段、伊藤三段も3回戦で野原初段、加藤(結)初段に敗れ、ベスト16にも進出できなかった。
結局、Aクラス9名の内、ベスト8に残れたのは西山女流三冠と上田女流四段だけとなった。
それにしても、ブロックによる濃淡さがあり過ぎ。抽選にいたずらで、《そういうのもあり》だと思うが、女流棋戦では生じ過ぎのような気がする。
【準々決勝の組み合わせ】
西山女流三冠(1位)-内山女流1級(11位)
上田女流四段(5位)-木村女流1級(16位)
今井女流1級(32位)-岩根女流三段(27位)
礒谷(真)女流初段(49位)-加藤(結)女流初段(20位)
上二つの対戦は、西山、上田は順当、内山、木村はブロックの顔ぶれ("薄い”ブロック)からすると"あり得る”。
下二つの対戦は、相当意外。今井1級は実力者だが、渡部三段、鈴木三段、香川四段の内二人を倒さなければベスト16に進出できず、勝ち上がったとしても、小高初段(24位)か千葉四段(22位)が勝ち上がってくることが予想され、ベスト8進出の難易度は高かった。
岩根三段のブロックは、清水七段、中井六段がおり、初戦の矢内五段も"強い時は強い”ので、勝ち上がるのはそこそこ難しい。それでも、今井、岩根両棋士は実力者なので、やはり"あり得る”と。
しかし、礒谷初段(49位)-加藤(結)初段(20位)は全くの想定外だった。想定外だったが、礒谷のブロックは、相当希薄なメンバーで、大島初段(18位)が敗れたら、誰が勝ち上がっても不思議ではない(予測困難)。頼みの?大島初段が3回戦で長谷川二段に敗れてしまったので、“誰が勝ち上がっても不思議ではない”状態になった。
加藤(結)初段のブロックは、《加藤(桃)三段と伊藤三段がベスト8を懸けて戦わねばならないのか?》と愁いたが、両名とも3回戦で姿を消したので、愁わなくてもよくなってしまった(笑)。加藤桃を破った野原(13位)も相当な実力者で、加藤(結)もここ二年実力をつけてきているので、個々の対戦では加藤桃、伊藤の敗局もあり得るとは思っていたが、揃って敗れるとは……
【準々決勝の結果】
○西山女流三冠(1位)-内山女流1級(11位)
○上田女流四段(5位)-木村女流1級(16位)
○今井女流1級(32位)-岩根女流三段(27位)
礒谷(真)女流初段(49位)-加藤(結)女流初段(20位)○
加藤(結)女流初段の勝利が予想外だったが、あとの3局は予想通り。
【準決勝の組み合わせ】
西山女流三冠(1位)-上田女流四段(5位)
今井女流1級(32位)-加藤(結)女流初段(20位)
西山女流三冠-上田女流四段戦は、中盤以降局勢をリードした西山女流三冠が、多少のブレはあったものの押し切った。
上田女流四段も剛腕と巧妙さを兼ね備えているが、西山女流三冠はそれ以上。それに、棋風が合うというか、上田女流の指し手は西山三冠の想定内。相性が良いと言うか……上田女流にとっては《相性が悪いなあ》と感じているのではないだろうか。
今井女流1級-加藤(結)女流初段戦は、振り飛車の今井女流1級の指し手がちぐはぐで、“振り飛車の負けパターン”(左辺・左翼を破られそうで、捌けもしない)に陥った。
加藤(結)初段は落ち着いた指し手で、有利を拡大していき、勝利に近づいていったが、終盤、誤り、混戦に。
先手・今井陣は一見、美濃囲いだが、金と銀ではなく桂と香! 何とも“安普請”。今井女流の苦戦ぶりが伺える。
図ではチャンスが訪れていた!(図の△5八銀成は空成りで、相当緩い手に見える)
「その3」に続く