8日午後4時43分ごろ日向灘の深さ31キロを震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宮崎市の宮崎港で50センチの津波を観測
この地震は、「発生場所はぎりぎり想定震源域内で、マグニチュードについても様々なデータを比較しても一致していて、世界で多く用いられている『モーメントマグニチュード』と呼ばれる手法で、算出された7.0で良いとして基準に達した」と評価され、「南海トラフ地震臨時情報」を発表したという(“モーメントマグニチュード”は震源断層のずれの規模を精査して得られるマグニチュード。通常発表される“マグニチュード”より精密なモノという説明がされていたように思った)
この臨時情報は、発表当初は「巨大地震注意」の名称だった。でも、これだと、《巨大地震が起きるので注意してください》という意味のように感じられてしまう。なので、「南海トラフ地震臨時情報」と呼ぶようにしたのではないかと思われる(私の推測)
それはともかく、この情報の定義というか予報としての意味というか……分かりにくい
上記のように、《南海トラフ地震の想定震源域内でモーメントマグニチュード7.0以上の地震が発生した時、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を臨時に開催し、検討され、発表される。「巨大地震注意」か「巨大地震警戒」のレベルも検討される》らしい。震源の場所とマグニチュードで、ほぼ機械的に発表される(南海トラフ地震の予兆などはこの時は検討しない)
で、「臨時情報」としての意味は
・大規模地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まっている。ただ、特定の期間中に大規模地震が発生するということを知らせるものではない
・揺れに備えて家具の固定のほか、避難場所や家族との安否確認の方法を確認しておくなど日頃からの備えを改めて確認するよう呼びかけるものである
………平たく言うと《巨大地震が発生する可能性がいつもより高くなっているので、地震に対する備えを確認・準備しなさい》というモノらしい。
かなりアバウトな情報なので、気象庁の会見では、補足説明や記者からの質問に回答(解説)していた。
・「大きな地震が起きるとさらに地震を誘発する性質があることは長年の研究で確認されていて、ふだんより巨大地震がおきやすい状況になっていると考えられる。従来想定されている南海トラフ巨大地震の発生確率を1週間に換算すると0.1%くらいだが、マグニチュード7クラスの地震のあとはおよそ1%となりふだんと比べると高い」
―――ただし、「可能性はふだんよりは高いが、それでも絶対的にはかなり低い確率だということも認めざるを得ないのが地震の発生予測、そしてこの情報の弱みだ」とも説明している
ここで気になるのは、「南海トラフ巨大地震の発生確率を1週間に換算すると0.1%くらいだが、マグニチュード7クラスの地震のあとはおよそ1%」という説明。
確率論は苦手なので、よく分からない。「1週間に換算すると0.1%」なら2週間なら0.2%ということなのだろうか?
では、1週間の10倍の70日間だと1%、70日のほぼ5倍の1年だと5%。10年だと50%以上となる。
今回の日向灘の地震発生で、平常時の10倍で1週間で1%。1か月だと4%以上となるが、
「1904年から2014年に発生したモーメントマグニチュード7.0以上の地震1437事例のうち、その後同じ領域でモーメントマグニチュード8クラス以上の地震が発生した事例は、最初の地震の発生から7日以内に6事例であり、その後の発生頻度は時間とともに減少する」とあるので、1か月で単純に4倍強になるわけではない。
この、巨大地震発生確率は、「モーメントマグニチュード8クラス以上の地震が発生した事例は、最初の地震の発生から7日以内に6事例」⇒「モーメントマグニチュード7.0以上の地震発生後に同じ領域で、モーメントマグニチュード8クラス以上の地震が7日以内に発生する頻度は数百回に1回程度」ということらしい。
「数百回」という表現は幅があり過ぎて考えにくいが、仮に「300回」だとすると、「南海トラフ地震の想定震源域内で今回の日向灘の地震のような規模の地震が、想定震源域内で300回発生したら299回はマグニチュード8クラス以上の地震は発生しない」と解釈できるが、この解釈で合っているのだろうか?
・日向灘地震に誘発されて起こる巨大地震は、日向灘付近とは限らず、想定震源域内なら一様にある。(東端付近で起こる可能性もある)
・期間は1週間。ただ、これは1週間地震が起きなかったからといってその後大丈夫だ、と言うことではない。
1週間という期間には地震学的な根拠があるわけでもない。社会的にどの程度許容できるかを検討して「1週間」とした。
………上記の説明とは一致しない情報・データも示された(記者会見でではなく、ニュース内の解説や上記の確率の説明で)
「1904年から2014年に発生したモーメントマグニチュード7.0以上の地震1437事例のうち、その後同じ領域でモーメントマグニチュード8クラス以上の地震が発生した事例は、最初の地震の発生から7日以内に6事例であり、その後の発生頻度は時間とともに減少する」
評価検討会の平田会長か気象庁の束田進也地震火山技術・調査課長のどちらかが再三
「《南海トラフ地震は、今日、明日発生してもおかしくない》という状況。1週間過ぎて安心すれば良いと言う訳ではありません」と話されていた。
今回の地震により、南海トラフ地震の発生の確率は高まったが、必要以上に於怯える必要はない。
しかし、地震の備え(発生した時への準備)や心構え、などは常々しておくべき。
「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」はそういう地震への備えの再確認を呼び掛けるモノ
と考えられる。
この南海トラフ地震臨時情報は2019年に運用が始まり、今回初めて発表された(ほぼ機械的に)
たしかに、心構えや準備は大切だが、このシステムは本当に意義のあるモノなのだろうか?
結局、巨大地震の可能性は平時より高まったが、いたずらに恐れる必要はない……らしい。
しかし、この「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の発表により、新幹線減速運転、海水浴場で遊泳禁止、旅館ホテルにはキャンセルが多数、その他いろいろ……
かしこまった「巨大地震注意(南海トラフ地震臨時情報)」を出さずに、単に状況の説明と注意喚起でよかったのでは?
もちろん、そういうシステムが運用されていたので、出さざるを得ないという状況ではあった。しかし、このシステム運用を決めた時に、今回のような地震が発生した時、社会にどのような影響を与えるか、本当に綿密に検討したのだろうか?と思ってしまった。
この地震は、「発生場所はぎりぎり想定震源域内で、マグニチュードについても様々なデータを比較しても一致していて、世界で多く用いられている『モーメントマグニチュード』と呼ばれる手法で、算出された7.0で良いとして基準に達した」と評価され、「南海トラフ地震臨時情報」を発表したという(“モーメントマグニチュード”は震源断層のずれの規模を精査して得られるマグニチュード。通常発表される“マグニチュード”より精密なモノという説明がされていたように思った)
この臨時情報は、発表当初は「巨大地震注意」の名称だった。でも、これだと、《巨大地震が起きるので注意してください》という意味のように感じられてしまう。なので、「南海トラフ地震臨時情報」と呼ぶようにしたのではないかと思われる(私の推測)
それはともかく、この情報の定義というか予報としての意味というか……分かりにくい
上記のように、《南海トラフ地震の想定震源域内でモーメントマグニチュード7.0以上の地震が発生した時、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を臨時に開催し、検討され、発表される。「巨大地震注意」か「巨大地震警戒」のレベルも検討される》らしい。震源の場所とマグニチュードで、ほぼ機械的に発表される(南海トラフ地震の予兆などはこの時は検討しない)
で、「臨時情報」としての意味は
・大規模地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まっている。ただ、特定の期間中に大規模地震が発生するということを知らせるものではない
・揺れに備えて家具の固定のほか、避難場所や家族との安否確認の方法を確認しておくなど日頃からの備えを改めて確認するよう呼びかけるものである
………平たく言うと《巨大地震が発生する可能性がいつもより高くなっているので、地震に対する備えを確認・準備しなさい》というモノらしい。
かなりアバウトな情報なので、気象庁の会見では、補足説明や記者からの質問に回答(解説)していた。
・「大きな地震が起きるとさらに地震を誘発する性質があることは長年の研究で確認されていて、ふだんより巨大地震がおきやすい状況になっていると考えられる。従来想定されている南海トラフ巨大地震の発生確率を1週間に換算すると0.1%くらいだが、マグニチュード7クラスの地震のあとはおよそ1%となりふだんと比べると高い」
―――ただし、「可能性はふだんよりは高いが、それでも絶対的にはかなり低い確率だということも認めざるを得ないのが地震の発生予測、そしてこの情報の弱みだ」とも説明している
ここで気になるのは、「南海トラフ巨大地震の発生確率を1週間に換算すると0.1%くらいだが、マグニチュード7クラスの地震のあとはおよそ1%」という説明。
確率論は苦手なので、よく分からない。「1週間に換算すると0.1%」なら2週間なら0.2%ということなのだろうか?
では、1週間の10倍の70日間だと1%、70日のほぼ5倍の1年だと5%。10年だと50%以上となる。
今回の日向灘の地震発生で、平常時の10倍で1週間で1%。1か月だと4%以上となるが、
「1904年から2014年に発生したモーメントマグニチュード7.0以上の地震1437事例のうち、その後同じ領域でモーメントマグニチュード8クラス以上の地震が発生した事例は、最初の地震の発生から7日以内に6事例であり、その後の発生頻度は時間とともに減少する」とあるので、1か月で単純に4倍強になるわけではない。
この、巨大地震発生確率は、「モーメントマグニチュード8クラス以上の地震が発生した事例は、最初の地震の発生から7日以内に6事例」⇒「モーメントマグニチュード7.0以上の地震発生後に同じ領域で、モーメントマグニチュード8クラス以上の地震が7日以内に発生する頻度は数百回に1回程度」ということらしい。
「数百回」という表現は幅があり過ぎて考えにくいが、仮に「300回」だとすると、「南海トラフ地震の想定震源域内で今回の日向灘の地震のような規模の地震が、想定震源域内で300回発生したら299回はマグニチュード8クラス以上の地震は発生しない」と解釈できるが、この解釈で合っているのだろうか?
・日向灘地震に誘発されて起こる巨大地震は、日向灘付近とは限らず、想定震源域内なら一様にある。(東端付近で起こる可能性もある)
・期間は1週間。ただ、これは1週間地震が起きなかったからといってその後大丈夫だ、と言うことではない。
1週間という期間には地震学的な根拠があるわけでもない。社会的にどの程度許容できるかを検討して「1週間」とした。
………上記の説明とは一致しない情報・データも示された(記者会見でではなく、ニュース内の解説や上記の確率の説明で)
「1904年から2014年に発生したモーメントマグニチュード7.0以上の地震1437事例のうち、その後同じ領域でモーメントマグニチュード8クラス以上の地震が発生した事例は、最初の地震の発生から7日以内に6事例であり、その後の発生頻度は時間とともに減少する」
評価検討会の平田会長か気象庁の束田進也地震火山技術・調査課長のどちらかが再三
「《南海トラフ地震は、今日、明日発生してもおかしくない》という状況。1週間過ぎて安心すれば良いと言う訳ではありません」と話されていた。
今回の地震により、南海トラフ地震の発生の確率は高まったが、必要以上に於怯える必要はない。
しかし、地震の備え(発生した時への準備)や心構え、などは常々しておくべき。
「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」はそういう地震への備えの再確認を呼び掛けるモノ
と考えられる。
この南海トラフ地震臨時情報は2019年に運用が始まり、今回初めて発表された(ほぼ機械的に)
たしかに、心構えや準備は大切だが、このシステムは本当に意義のあるモノなのだろうか?
結局、巨大地震の可能性は平時より高まったが、いたずらに恐れる必要はない……らしい。
しかし、この「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の発表により、新幹線減速運転、海水浴場で遊泳禁止、旅館ホテルにはキャンセルが多数、その他いろいろ……
かしこまった「巨大地震注意(南海トラフ地震臨時情報)」を出さずに、単に状況の説明と注意喚起でよかったのでは?
もちろん、そういうシステムが運用されていたので、出さざるを得ないという状況ではあった。しかし、このシステム運用を決めた時に、今回のような地震が発生した時、社会にどのような影響を与えるか、本当に綿密に検討したのだろうか?と思ってしまった。
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