英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『99.9-刑事専門弁護士-』 第9話

2016-06-18 15:03:14 | ドラマ・映画
≪皐月 (国仲涼子) が犯行を自供≫、≪家族全員の証言≫などから、皐月の罪を情状酌量で軽減する方針となるところであるが、
「朱色のネクタイを手に呆然と立ち尽くしていた」という証言が一致しすぎており、違和感が半端ではない……

 ………例によって、実験(状況再現)など検証をすると、長男の犯行を、皐月が罪をかぶるのを家族全員で後押ししていたことが判明。
 さらに、『自ら罪をかぶった皐月が、一致証言で家族ぐるみの犯人隠匿が判明するよう誘導していた』のだった。

 まあ、『皐月が罪をかぶって家族ぐるみで犯人隠匿』というのは見え見えであるのは、制作側も織り込み済みで、
 この話のミソは『遺産相続者に犯人隠匿罪を犯させることによって、遺産相続人が皐月のお腹の中にいる胎児のみとなり、すべて相続する』ということであった。


 そもそも、救急や警察より、弁護士を呼んだことに違和感が強いが、これは深山が現場を検証し、ワインがこぼれた状態(皐月の服や絨毯)などを把握するためとスルーすることにするが、≪カッとなったのに、引き出しのネクタイを取り出して絞殺≫というのは不自然極まりない。
 上記の家族の証言や、再現実験による矛盾なども自明過ぎて、面白みに欠けた。

 しかし、そんなことより、もっと気にかかることがあった。
相続欠格がテーマ(狙い)であったが
調べてみると、けっこう条件が緩やかなようだ。
 ウィキペディアによると
「相続欠格の該当者は、故意に被相続人、先順位・同順位の相続人を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために刑に処せられた者」(民法891条1号)
※「故意」とは、殺人の故意を指す。殺人の故意が認められない致死等の場合は該当しないので、相続人となることができる。「刑に処せられた者」が要件であるため、執行猶予付きの有罪判決において執行猶予が満了した場合や実刑判決が確定する前に死亡した場合は欠格事由にあたらない。

 過失致死や傷害致死 は欠格に当たらないらしい。

さらに、犯人隠匿証拠隠滅において
「親族間の犯罪に関する特例があり、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる」(刑法105条)
となっている。

 皐月のお腹の子には相続権があるのは確実だけど、今回の犯人隠匿劇は意味がなかったように思える。
 仮に親族においても犯人隠匿罪が適応されるとしたら、隠匿罪においては皐月が首謀者なので一番罪が重そうであるし……



【ストーリー】番組サイトより
 深山 (松本潤) は 佐田 (香川照之) から指示を受け、彩乃 (榮倉奈々) らとともに山城鉄道の会長の自宅を訪ねる。するとそこには殺害された会長の遺体と、それを取り囲む家族らが。
 状況を聞くと、三男の嫁である 皐月 (国仲涼子) が犯行を自供。脳梗塞を患った義父を懸命に介護したが、満足してもらえないまま罵倒される日々が重なり、耐えられなくなっての犯行だという。
 さらに事件当時、自宅で一緒に暮らしていた家族たちも全員、皐月の犯行を認める供述をし、すぐに解決するかに見えた事件であった。

 しかし深山はある違和感を嗅ぎ取る。 皆の証言を深く掘り下げてゆくと、それはまるで “無理につじつまを合わせたかのように一致” しており…。

脚本:宇田 学

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