全成は最期に何を呪った(祈った)のか?
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」……九字護身法(くじごしんぼう)とは、「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」の九字の呪文と九種類の印によって除災戦勝等を祈る作法(宗教や宗派によって漢字は違うようだ)
斬首される時、一心不乱に呪文(経文)を唱えると、天は俄かにかき曇り、雷雨が起こり、処刑人が刀を振り上げると、近くに雷が落ち、そのショックと怖れからか、腰を抜かしたまま。
その後、九字を切る。更に荒れ狂う天変の中、八田知家(市原隼人)が何とか全成を斬首……
全成には神通力があった。全身全霊を掛けた呪文が雷雨・雷鳴を呼んだ。
雷鳴がならなくても、鬼気迫る全成の姿は、心に迫るものがあった。
落雷によって、劇的効果は大きく増したが……全成は最期に何を思って、呪文を唱えたのか?九字を切ったのか?
……神通力を示すため?斬首を逃れるため?比企への怒り?斬首されることへの怒り?
荒れ狂う天気、鬼気迫る全成からは、実衣や北条の幸せを願う気配は感じられなかった。
でも、私は大きな違和感を感じた。
「誰も恨んではいけませんよ」(実衣に対して)
「御自分を責めてはなりませぬ」(時政に対して)
これらの全成の言葉は優しさが溢れていた。
なので、最後の呪文は、実衣への愛や北条への感謝を感じさせるものであるべきだ。
全成の経文によって、荒天が収まり、日が差す…
実衣には全成の姿と愛と別れの言葉が聴こえる……そんなシーンであってほしかった
それはともかく……
頼家が病に伏している中、人形が見つかり、呪詛を掛けたのが全成なのは明白。北条にとってかなりやばい状況。
呪詛を理由に、お家断絶を命じられても仕方がない
ここで、義時、義村、畠山重忠は防衛線を張る。
・呪詛を教唆した疑いで、取り調べを受けることが予想される実衣は政子にかくまってもらう
仁田忠常(高岸宏行)や(頼時改め)泰時らの奮闘で、比企勢を撃退
……政子と実衣の仲直りのシーンはよかった。
・嘆願書(署名)で全成助命・減刑を訴える
・戦の準備で比企を牽制
これらの甲斐あって、実衣は“お構いなし”、全成も流刑に留まった
★許せない3人
比企能員……これまでの悪行は数えきれないが、所領を全部取り上げるという頼家を亡き者にするため、「実衣らの身が危うい」と全成に嘘をつき呪詛を強いる。呪詛の動きが発覚すると、全成ひとりに罪をかぶせる。……なぜ、比企から目を離す?
りく
これまでも、夫・時政に要らぬことを吹き込んだり、けしかけたりしていたが、今回の騒動はりくが元凶!呪詛の効果が表れない時、全成に怒る顔は鬼のよう。
全成が窮地に陥った時も、自粛して出仕しない時政に不満気。北条の為というより、自分が権力の座に就きたいだけ……泣いて土下座して詫びてほしい
頼家……「表向き非のない御家人没収して、自分への忠誠心を示せ」って、やはり馬鹿だ。「サラリーマンに無給で会社の為に尽くせ」と言っているのと同じ。苦労知らずのボンボンが権力を持つとロクなことない(どこかの半島の人みたいだ)
★(三谷氏に)便利に使われる八田知家
道路工事人(建築家)、剥製細工職人、情報屋(告げ口屋)、分析屋(農民などの情報も把握していて、鋭い指摘をする)など万能さを発揮していたが、今回は処刑人(2度目の呪詛の動きを察知する内調も)。
★あの手はこいつのだったのか?
前話のラストで人形をガシッと握ったのは平 知康(矢柴俊博)だった。
前話の古井戸騒動の張本人だが、今話では、時連改め時房が蹴った毬が直撃し転倒し、その拍子に人形を見つけてしまう……
……前話のラストとは、人形の掴み方が全然違う気がしたが………
★サスペンスドラマのように、比企を追い詰めたが……
頼家に比企の本心を聴いてもらい、比企を追い詰める……はずだったが、肝心の頼家が所定の場所にいない!
なんと!頼家が倒れた! まさか、全成の呪詛??
第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」
第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」
第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」
第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」
第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」
第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」
第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」
【ストーリー】番組サイトより
源頼家(金子大地)に対して呪詛じゅそを行った疑いにより、詮議を受ける阿野全成(新納慎也)。比企能員(佐藤二朗)はその背後に北条家の暗躍があると確信し、対決姿勢をさらに強める。そのころ北条家では、夫・全成を巻き込まれて激怒した実衣(宮澤エマ)が父・時政(坂東彌十郎)を追及。名乗り出ようとする時政だが、りく(宮沢りえ)に止められる。義時(小栗旬)は北条家を守るために一案を講じ、畠山重忠(中川大志)の助力を得て……
脚本:三谷幸喜
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」……九字護身法(くじごしんぼう)とは、「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」の九字の呪文と九種類の印によって除災戦勝等を祈る作法(宗教や宗派によって漢字は違うようだ)
斬首される時、一心不乱に呪文(経文)を唱えると、天は俄かにかき曇り、雷雨が起こり、処刑人が刀を振り上げると、近くに雷が落ち、そのショックと怖れからか、腰を抜かしたまま。
その後、九字を切る。更に荒れ狂う天変の中、八田知家(市原隼人)が何とか全成を斬首……
全成には神通力があった。全身全霊を掛けた呪文が雷雨・雷鳴を呼んだ。
雷鳴がならなくても、鬼気迫る全成の姿は、心に迫るものがあった。
落雷によって、劇的効果は大きく増したが……全成は最期に何を思って、呪文を唱えたのか?九字を切ったのか?
……神通力を示すため?斬首を逃れるため?比企への怒り?斬首されることへの怒り?
荒れ狂う天気、鬼気迫る全成からは、実衣や北条の幸せを願う気配は感じられなかった。
でも、私は大きな違和感を感じた。
「誰も恨んではいけませんよ」(実衣に対して)
「御自分を責めてはなりませぬ」(時政に対して)
これらの全成の言葉は優しさが溢れていた。
なので、最後の呪文は、実衣への愛や北条への感謝を感じさせるものであるべきだ。
全成の経文によって、荒天が収まり、日が差す…
実衣には全成の姿と愛と別れの言葉が聴こえる……そんなシーンであってほしかった
それはともかく……
頼家が病に伏している中、人形が見つかり、呪詛を掛けたのが全成なのは明白。北条にとってかなりやばい状況。
呪詛を理由に、お家断絶を命じられても仕方がない
ここで、義時、義村、畠山重忠は防衛線を張る。
・呪詛を教唆した疑いで、取り調べを受けることが予想される実衣は政子にかくまってもらう
仁田忠常(高岸宏行)や(頼時改め)泰時らの奮闘で、比企勢を撃退
……政子と実衣の仲直りのシーンはよかった。
・嘆願書(署名)で全成助命・減刑を訴える
・戦の準備で比企を牽制
これらの甲斐あって、実衣は“お構いなし”、全成も流刑に留まった
★許せない3人
比企能員……これまでの悪行は数えきれないが、所領を全部取り上げるという頼家を亡き者にするため、「実衣らの身が危うい」と全成に嘘をつき呪詛を強いる。呪詛の動きが発覚すると、全成ひとりに罪をかぶせる。……なぜ、比企から目を離す?
りく
これまでも、夫・時政に要らぬことを吹き込んだり、けしかけたりしていたが、今回の騒動はりくが元凶!呪詛の効果が表れない時、全成に怒る顔は鬼のよう。
全成が窮地に陥った時も、自粛して出仕しない時政に不満気。北条の為というより、自分が権力の座に就きたいだけ……泣いて土下座して詫びてほしい
頼家……「表向き非のない御家人没収して、自分への忠誠心を示せ」って、やはり馬鹿だ。「サラリーマンに無給で会社の為に尽くせ」と言っているのと同じ。苦労知らずのボンボンが権力を持つとロクなことない(どこかの半島の人みたいだ)
★(三谷氏に)便利に使われる八田知家
道路工事人(建築家)、剥製細工職人、情報屋(告げ口屋)、分析屋(農民などの情報も把握していて、鋭い指摘をする)など万能さを発揮していたが、今回は処刑人(2度目の呪詛の動きを察知する内調も)。
★あの手はこいつのだったのか?
前話のラストで人形をガシッと握ったのは平 知康(矢柴俊博)だった。
前話の古井戸騒動の張本人だが、今話では、時連改め時房が蹴った毬が直撃し転倒し、その拍子に人形を見つけてしまう……
……前話のラストとは、人形の掴み方が全然違う気がしたが………
★サスペンスドラマのように、比企を追い詰めたが……
頼家に比企の本心を聴いてもらい、比企を追い詰める……はずだったが、肝心の頼家が所定の場所にいない!
なんと!頼家が倒れた! まさか、全成の呪詛??
第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」
第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」
第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」
第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」
第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」
第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」
第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」
【ストーリー】番組サイトより
源頼家(金子大地)に対して呪詛じゅそを行った疑いにより、詮議を受ける阿野全成(新納慎也)。比企能員(佐藤二朗)はその背後に北条家の暗躍があると確信し、対決姿勢をさらに強める。そのころ北条家では、夫・全成を巻き込まれて激怒した実衣(宮澤エマ)が父・時政(坂東彌十郎)を追及。名乗り出ようとする時政だが、りく(宮沢りえ)に止められる。義時(小栗旬)は北条家を守るために一案を講じ、畠山重忠(中川大志)の助力を得て……
脚本:三谷幸喜
なので僕のブログでは「お経」とお茶を濁したのですが、義時が実衣に全成の最期を語った時は「呪文」と言っていたんですよね。
おっしゃるとおり、呪文を唱えた全成の思いとは何だったのでしょう?
恨みや憎しみの中で死んでいったとすれば、つらい最期ですよね。
そして、義時は比企との対決を決心した様子。覚悟していたとはいえ、比奈にとっても辛い展開になりそうです。
今週の三浦義村。「命乞いか」「それにしても面白くなってきたな。いよいよ北条と比企の一騎打ちか」「言っておくが(北条側なのは)今のところは、だぞ。この先はどうなるか分からんぜ」。全くブレませんね。
>義時が実衣に全成の最期を語った時は「呪文」と言っていたんですよね
私も、このセリフを確認して、「呪文」を使用しました。もしかしたら、呪いっぽい描写だったので、「経文」「お経」と表現すると、仏教界からクレームが付くかもと考えたのかもしれません。
>呪文を唱えた全成の思いとは何だったのでしょう?
>恨みや憎しみの中で死んでいったとすれば、つらい最期ですよね。
ええ、そうですね。
次回、頼家が倒れたことと呪文を絡める流れになるのでしょうか?
>予想はしていましたが、全成が死に追いやられてしまいました。北条と比企の争いに巻き込まれるかたちで。なんともやり切れません。
主要人物で、これまで亡くなった者は、宗時、広常、源義高、義経、範頼、景時など、気の毒な死に方でした。(安達盛長は穏やかな死だったみたいですね)
上記の者たちを不幸にした頼朝は、割と心は平安な死に方でした。肉体的には急死で、何日間も危篤状態は苦しかったかもしれませんが。