英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『相棒season12』 元日SP 第10話「ボマー~狙撃容疑者特命係・甲斐享を射殺せよ!」

2014-01-01 22:59:27 | ドラマ・映画
 ドラマ中盤まで懐疑的な目で観ていた。何しろ、前シリーズから私の『相棒』への信頼度は大きく低下していたので。
 懐疑の要素としては
①なぜ、徹を巻き込んだのか?
②財団理事長殺害の真犯人を暴くのに、なぜ、交番爆破や真犯人目撃の少年・悠馬に爆弾を巻きつける過激なことをしたのか?
③なぜ、内村刑事部長が狙撃されたのか?


 他にもあったと思うが、これらの懐疑的な事案が、ここ2シーズンにおいては、偶然とかご都合主義、あるいはまったくスルーされており、今回もそれらのパターンではないかと心配していた。ただ、脚本が太田愛氏だったので、そうならない期待もあった。
 具体的に言うと
①……単に相棒の片割れである享を巻き込めば、必然的に右京が絡んでくるというドラマ制作(脚本)上の都合だけかと思ったら、享が警察庁・次長の息子なので、黒幕が警察内部の者であっても、おいそれとは始末されないであろうと考えてのことだった。
②……偽の情報を流したうえ交番を爆破し、テロを匂わせ公安外事課を引っ張り出すのが目的だった。
③……享を狙撃犯(テロリスト)に仕立て上げるだけでなく、内村を排除して捜査の指揮権を得るためだった

 と、私の懐疑心が融解していった

 その他、感心したこと(推理)
・桂木涼の無実を晴らす最も重要な証人である悠馬を殺すはずがなく、爆弾は偽物である
・Jボマーが桂木でないことを知った時、涼の友人である記者・柳沢が写真の人物(桂木)を知らないと言ったのは嘘である
・一課や中園参事官や享たちと結託して、黒幕の公安部長をハメた作戦は見事だった。(内村を邪魔者として除外したが、右京にとっての障害物を除外してしまったのは不運だったかも)
・トナカイとサンタの扮装以外、余り見せ場がないなあと思っていた一課コンビが実行犯の犬飼逮捕時に活躍
・「今日は十分くつろいでくれ」「かんぱ~い」
 「まるで自分が御馳走しているかのごとき発言ですなあ」
 「先ほど、入口で会費を払わされました」
 「俺なんか、つり銭切れでお釣り貰えなかったんだよ」
 内村刑事部長、本領発揮。

 享も活躍。
 峯秋は警察庁次長としては立派だったが、もう少し息子を信頼してもいいのでは?
 伝令役をし、慰労会(刑事部長退院祝い)で部長と会話した女性警官は誰?
 
 私としては、公安部長が理事長殺害の犯人の可能性が強い公安外事課でSP経験者の犬飼を食事を調達させた時点で、公安部長が怪しいと思った。まあ、あまりに右京に協力的だったのも疑りたくなるし。
 その他、もろもろの事柄が伏線として丁寧に張られ回収してあり、非常に面白かった。
 ただ、ジャーナリストをあまりに持ち上げすぎのように思えた……あ、そうか、今の多くのマスコミはジャーナリストではないのか?

【追記】(コメントレスをしていて、“本文に書いておけばよかった”と思ったこと)
①犯行の状況設定が甘い
・理事長殺人の目撃者の少年を見逃したのは、甘い(優しい?)
・「JBが犯人目撃の大事な証人である少年を爆破するはずはない」という推理は良いが、その割には、JBは少年をけっこう危険な目にあわせている。
②取調室での公安部長と右京の対決のシーンは、冗長感が強い。公安部長の断末魔のような叫びは、やり過ぎ。『半沢直樹』を意識した演出。
③享が悦子と結婚したいという気持ちを語り、爆弾犯の父親としての情を説いたこと。また、右京も父親の気持ちを分析したが、くどいというか、不要のように思える
 もし、これを表現するのなら、峯秋と享の絡みも出すべきである。


【ストーリー】番組サイトより
 年末、一足早く有休を取り海外へバカンスにでかけようとする享(成宮寛貴)だが、その道中、交番が爆破されるのを目の当たりにする。その近くから裸足で逃げ出してくる少年(大和田健介)を追いかけるが体には爆弾が巻き付けられていた! しかも取り外せない上、少年の首からかかったスマホのカメラで「JB」と名乗る男(宇崎竜童)に監視をされている! 享はバカンスどころかその爆弾少年と共に行動することに!

 警察を狙った爆破事件は、テロの可能性を孕んでいるため新公安部長(中村橋之助)が捜査本部に入ってきて、公安部と刑事部の合同捜査に発展! 公安外事課では世界的な爆弾魔が日本に入国したという情報を掴んでいた! 誰を狙ったテロなのか? 犯人の目的は一体なんなのか?

 右京(水谷豊)は事件を聞きつけ捜査本部に混じって見えない犯人を相手に名推理を繰り広げていく!
 事件の全貌が見えない中、相棒二人が離れて別々に行動はするものの見事な連携を見せるのか! 狂気に満ちた犯人に隠されていた真実とは!

ゲスト:宇崎竜童、中村橋之助、佐藤藍子、大和田健介

脚本:太田愛
監督:和泉聖治

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4 コメント

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久しぶりの相棒 (かみしろ)
2014-01-04 08:16:41
久しぶりに満足しました。
気になったのは、視聴者をミスリードさせたいというのが鼻についた、謎の「亨テロリスト押し」くらい。亨がテログループの一員だったとして、何処の馬鹿が実行犯にするのだ・・・・死ぬまでスパイやらせるだろう。
相棒はもうテレビで年2回映画で1回くらいにした方がいいんじゃないかしら。
テレビドラマを続けるとしたら右京は早々に引退させて、違う話をやった方がいい。そのくらいテレビの今シリーズは内容が悪い。
返信する
欠点もありました ()
2014-01-04 12:01:06
かみしろさん、こんにちは。

>亨がテログループの一員だったとして、何処の馬鹿が実行犯にするのだ・・・・死ぬまでスパイやらせるだろう。

 ごもっともですね。でも、今回は享をテロリストに仕立て上げるのが目的だったので、まあいいのではないかとも思います。
 ただ、最初の殺人の目撃者の少年を見逃したのは、甘いというか優しいというか……

 私が気になったのは、享が悦子と結婚したいという気持ちを語り、爆弾犯の父親としての情を説いたり、右京も父親の気持ちを分析したりするのが、くどいというか、不要だったと思います。
 もし、これを表現するのなら、峯秋と享の絡みも出すべきだと思います。
 クライマックス取調べシーン、公安部長と右京のやり取りは、『半沢直樹』の影響を受けた演出で、中村橋之助さんは熱演でしたが、やり過ぎでしょう。

>テレビの今シリーズは内容が悪い。

 これは全くの同感で、テレビシリーズをやるとしたら、10話ぐらいに絞った方がいいです。
 あと、相棒を交代して欲しいです。
返信する
相棒の今後 (tomov)
2014-01-06 10:07:25
いまさらですが、明けましておめでとうございます。

かみしろさんからもご意見ありましたが

>もうテレビで年2回映画で1回くらいにした方がいいんじゃないかしら。

というのは、そうかもしれませんね。
ただ、シリーズとして後半に面白い話を持ってきて、次に続けるつもりなら、それこそ管理人さんの

>テレビシリーズをやるとしたら、10話ぐらいに絞った方がいいです。

がもっともなご意見ですよね。
ファンとして半年楽しめるのは嬉しいですが、つまらない話をダラダラみるのがこれほど辛いとは思いませんでした。
正月のSPは久しぶりに楽しめたのですが、個人的には公安部長が天下りの人たちの為に、兄弟のためとはいえここまで危険を犯すのかなあ、とか思いました。
偉い人の考えはわからんです。

>相棒を交代して欲しいです。

あまりにはっきり言われるので笑いました!
このサイトが人気のあるところだろうなあと感心しました。
自分的には、亨の嫁さん(まだだけど)がちょっと見た目年齢離れて見えすぎない?と思ったりしてます。
2人のシーンも、親子のようで・・・

それではまた、今年もよろしくお願いします。
返信する
期待が高いので辛口に ()
2014-01-06 17:40:56
tomovさん、こんにちは。

>ファンとして半年楽しめるのは嬉しいですが、つまらない話をダラダラみるのがこれほど辛いとは思いませんでした。

 ですよね、ちょっとだけ面白い『相棒』を20話見るより、面白い『相棒』を10話見る方が、はるかにうれしいです。

>正月のSPは久しぶりに楽しめたのですが、個人的には公安部長が天下りの人たちの為に、兄弟のためとはいえここまで危険を犯すのかなあ、とか思いました。

 私もそう思ったのですが、これについては、この公安部長は、「国益のため」という信念(かなり歪んでいましたが)のため、動いていたと考えられます。

 記事アップを急いだので、書くのを忘れたことがいくつかありました。(コメントのレスをしていて、思い浮かびました。
。追記の予定です)

>>相棒を交代して欲しいです。
>あまりにはっきり言われるので笑いました!

 そ、そうですか(笑)
 しかも、事あるごとにくどいています。
 まあ、日頃の思考の捌け口もこのブログの目的の一つなので、大目に見てください。『相棒』への期待が大きいので、辛口になってしまうということもあります。
 ここ2シーズンは、推理ネタやトリックを消化するために、右京が動き、享が露払いしているだけという印象しかありません。「相棒」としての存在価値が薄い(ああ、また言っちゃったよ)

 こんな私ですが、今年もお付き合いください。
返信する

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