その5「女流棋士の濫造?➀ 女流棋士になる条件(女流棋士でいられる条件)」で、女流棋士の降級点や引退制度について書いたが、実は、このシリーズ記事を書くにあたって初めて知った。(女流3級の廃止は知っていた)
改正は2018年4月公表とのことで、既に3年経過していて、今年が4年目になる。しかし、降級点を取った女流棋士は公表されたという記憶はない。連盟のサイトも確認したが、見当たらなかった。
仕方がないので、その5で推測した降級点の人数5人について考察してみる。(連盟が算定する降級点5名ではなく、女流棋士の成績の最下位から5番目がどういう成績なのか、考えてみる)
《降級点は、女子将棋YAMADAチャレンジ杯を除く女流6棋戦における活躍度によって年度成績の順位を決定し、その順位下位者から順につく》というのだが、具体的に活躍度の算出の基準が分からない。各棋戦の勝ち上がり具合をポイント化するのかもしれないし、本戦入りやリーグ入りの回数のみ考察するのか、棋戦によってポイントの比重が違うのか……わからない。
そこで、本記事では単純に年度の成績で考えてみる。
降級点についてなので、上位の成績は関係ないのだが、せっかくなので上位10名と下位成績を調べてみた。
勝率ランキング 2月2日現在(佐々木女流2級の1.000(2勝0敗)は除く)
1 里見女流五冠 0.786(33勝 9敗)
2 西山女流二冠 0.767(23勝 7敗)
3 伊藤女流三段 0.717(33勝13敗)
4 上田女流四段 0.686(24勝11敗)
5 甲斐女流五段 0.667(14勝 7敗)
5 香川女流四段 0.667(24勝12敗)
5 山口恵女流二段 0.667(18勝 9敗)
5 塚田女流初段 0.667(18勝 9敗)
9 鈴木女流三段 0.656(21勝11敗)
10山根女流二段 0.647(22勝12敗)
10大島女流1級 0.647(11勝 6敗)
加藤桃子清麗は0.638(30勝 17敗)は12位とベストテンから漏れてしまったし、私が注目している加藤圭女流二段は17勝16敗(0.515)と勝率はパッとしないが、リーグ戦やタイトルの番勝負を戦えば、負け数が増えるのは仕方がない。それにも拘らず、里見五冠と西山二冠の7割5分越えはすごい。
それはともかく、勝率はおおよその活躍度は反映されていると思う。
勝率・下位成績者
山口稀女流1級 0.353( 6勝11敗)
中村桃女流二段 0.350( 7勝13敗)
(中倉女流二段 0.350( 7勝13敗))
斎田女流五段 0.333( 7勝14敗)
藤田女流二段 0.316( 6勝13敗)
貞升女流二段 0.316( 6勝13敗)
藤井女流初段 0.313( 5勝11敗)
伊奈川女流二段 0.300( 6勝14敗)
石高女流二段 0.300( 6勝14敗)
竹部女流四段 0.263( 5勝14敗)
相川女流初段 0.263( 5勝14敗)
和田は女流1級 0.263( 5勝14敗)
(島井女流二段 0.263( 5勝14敗))
安食女流初段 0.250( 4勝12敗)
(船戸女流三段 0.222( 4勝14敗))
北尾女流二段 0.176( 3勝14敗)
山口絵女流1級 0.133( 2勝13敗)
降級点が5人につくとしたら、竹部女流四段までが該当する(括弧の島井女流、船戸女流は連盟に所属していないので、除外……もしかしたら、連盟所属棋士以外も対象かも?)
皆、3割に届かない(北尾、山口絵に至っては1割台)ので、降級点も致し方ない。
個人的意見だが、3回に1回も勝てない(勝率0.333未満)棋士は降級点がついてもいいと考える。
タイトル戦の番勝負、リーグ戦を戦えば負け数が増えて勝率も下がるので、勝ち数の視点も必要だろう。
勝数ランキング 2月2日現在
1 里見女流五冠 33
1 伊藤女流三段 33
3 加藤桃清麗 30
4 上田女流四段 24
4 香川女流四段 24
6 西山女流二冠 23
7 山根女流二段 22
8 鈴木女流三段 21
9 石本女流二段 19
10山口恵女流二段 18
10塚田女流初段 18
1位タイの伊藤女流三段が光る。女流名人リーグで8勝を上げており、里見女流名人を2勝0敗と追い込んでいる。
タイトル戦登場が多い加藤清麗も3位。西山二冠が6位なのは意外だが、リーグ戦を戦う機会が少なかったからであろう。
勝数もおおよその活躍度を反映している。
勝数・下位成績者
石高女流二段 6
貞升女流二段 6
藤田女流二段 6
伊奈川女流二段 6
山口稀女流1級 6
竹部女流四段 5
井道女流二段 5
宮宗女流二段 5
相川女流初段 5
藤井女流初段 5
和田は女流1級 5
(島井女流二段 5)
(田中女流2級 5)
安食女流初段 4
(船戸女流三段 4)
北尾女流二段 3
山口絵女流1級 2
現在5勝の6名がボーダーライン。
規定では、活躍度が同じ場合、前年に遡って上下を決めるらしいが、算出基準が分からないし、あと2か月弱残っているので、本記事で細かく考えるのは意味がない。
勝率下位の5名は皆5勝以下で、2ランキングとも降級危険域にいるが、他の5勝者も危険域にいると言って良い。
降級点基準や降級点棋士が公表されていないので、本記事の考察は的外れの可能性もあるが、《降級点の人数が5人》という仮定は、それほど外れていないと思う。
とにかく、5名しか降級点がつかないということは、相当低い成績を上げないと降級点がつかないということ。勝率基準なら3割で免れる。勝数基準なら6勝で免れる(まだ2か月あるので、ボーダーラインが上がる可能性があるが)
降級点の規定(基準)が甘いと考えられるが、他人事だから言えるのかもしれない。降級点3回で引退しなければならない……当事者にとっては、重くのしかかるだろう。
……しかし、《降級点を消せることができる》という救済措置があり、引退を回避(先延ばし)できる。この基準が……(続く)
その5「女流棋士の濫造?➀ 女流棋士になる条件(女流棋士でいられる条件)」
その4「トーナメントにおける抽選の偏り③ その他の棋戦」
その3「トーナメントにおける抽選の偏り② 女流名人戦予選トーナメント」
その2「トーナメントにおける抽選の偏り① 清麗戦予選トーナメント」
その1「女流棋士独断ランキング」
改正は2018年4月公表とのことで、既に3年経過していて、今年が4年目になる。しかし、降級点を取った女流棋士は公表されたという記憶はない。連盟のサイトも確認したが、見当たらなかった。
仕方がないので、その5で推測した降級点の人数5人について考察してみる。(連盟が算定する降級点5名ではなく、女流棋士の成績の最下位から5番目がどういう成績なのか、考えてみる)
《降級点は、女子将棋YAMADAチャレンジ杯を除く女流6棋戦における活躍度によって年度成績の順位を決定し、その順位下位者から順につく》というのだが、具体的に活躍度の算出の基準が分からない。各棋戦の勝ち上がり具合をポイント化するのかもしれないし、本戦入りやリーグ入りの回数のみ考察するのか、棋戦によってポイントの比重が違うのか……わからない。
そこで、本記事では単純に年度の成績で考えてみる。
降級点についてなので、上位の成績は関係ないのだが、せっかくなので上位10名と下位成績を調べてみた。
勝率ランキング 2月2日現在(佐々木女流2級の1.000(2勝0敗)は除く)
1 里見女流五冠 0.786(33勝 9敗)
2 西山女流二冠 0.767(23勝 7敗)
3 伊藤女流三段 0.717(33勝13敗)
4 上田女流四段 0.686(24勝11敗)
5 甲斐女流五段 0.667(14勝 7敗)
5 香川女流四段 0.667(24勝12敗)
5 山口恵女流二段 0.667(18勝 9敗)
5 塚田女流初段 0.667(18勝 9敗)
9 鈴木女流三段 0.656(21勝11敗)
10山根女流二段 0.647(22勝12敗)
10大島女流1級 0.647(11勝 6敗)
加藤桃子清麗は0.638(30勝 17敗)は12位とベストテンから漏れてしまったし、私が注目している加藤圭女流二段は17勝16敗(0.515)と勝率はパッとしないが、リーグ戦やタイトルの番勝負を戦えば、負け数が増えるのは仕方がない。それにも拘らず、里見五冠と西山二冠の7割5分越えはすごい。
それはともかく、勝率はおおよその活躍度は反映されていると思う。
勝率・下位成績者
山口稀女流1級 0.353( 6勝11敗)
中村桃女流二段 0.350( 7勝13敗)
(中倉女流二段 0.350( 7勝13敗))
斎田女流五段 0.333( 7勝14敗)
藤田女流二段 0.316( 6勝13敗)
貞升女流二段 0.316( 6勝13敗)
藤井女流初段 0.313( 5勝11敗)
伊奈川女流二段 0.300( 6勝14敗)
石高女流二段 0.300( 6勝14敗)
竹部女流四段 0.263( 5勝14敗)
相川女流初段 0.263( 5勝14敗)
和田は女流1級 0.263( 5勝14敗)
(島井女流二段 0.263( 5勝14敗))
安食女流初段 0.250( 4勝12敗)
(船戸女流三段 0.222( 4勝14敗))
北尾女流二段 0.176( 3勝14敗)
山口絵女流1級 0.133( 2勝13敗)
降級点が5人につくとしたら、竹部女流四段までが該当する(括弧の島井女流、船戸女流は連盟に所属していないので、除外……もしかしたら、連盟所属棋士以外も対象かも?)
皆、3割に届かない(北尾、山口絵に至っては1割台)ので、降級点も致し方ない。
個人的意見だが、3回に1回も勝てない(勝率0.333未満)棋士は降級点がついてもいいと考える。
タイトル戦の番勝負、リーグ戦を戦えば負け数が増えて勝率も下がるので、勝ち数の視点も必要だろう。
勝数ランキング 2月2日現在
1 里見女流五冠 33
1 伊藤女流三段 33
3 加藤桃清麗 30
4 上田女流四段 24
4 香川女流四段 24
6 西山女流二冠 23
7 山根女流二段 22
8 鈴木女流三段 21
9 石本女流二段 19
10山口恵女流二段 18
10塚田女流初段 18
1位タイの伊藤女流三段が光る。女流名人リーグで8勝を上げており、里見女流名人を2勝0敗と追い込んでいる。
タイトル戦登場が多い加藤清麗も3位。西山二冠が6位なのは意外だが、リーグ戦を戦う機会が少なかったからであろう。
勝数もおおよその活躍度を反映している。
勝数・下位成績者
石高女流二段 6
貞升女流二段 6
藤田女流二段 6
伊奈川女流二段 6
山口稀女流1級 6
竹部女流四段 5
井道女流二段 5
宮宗女流二段 5
相川女流初段 5
藤井女流初段 5
和田は女流1級 5
(島井女流二段 5)
(田中女流2級 5)
安食女流初段 4
(船戸女流三段 4)
北尾女流二段 3
山口絵女流1級 2
現在5勝の6名がボーダーライン。
規定では、活躍度が同じ場合、前年に遡って上下を決めるらしいが、算出基準が分からないし、あと2か月弱残っているので、本記事で細かく考えるのは意味がない。
勝率下位の5名は皆5勝以下で、2ランキングとも降級危険域にいるが、他の5勝者も危険域にいると言って良い。
降級点基準や降級点棋士が公表されていないので、本記事の考察は的外れの可能性もあるが、《降級点の人数が5人》という仮定は、それほど外れていないと思う。
とにかく、5名しか降級点がつかないということは、相当低い成績を上げないと降級点がつかないということ。勝率基準なら3割で免れる。勝数基準なら6勝で免れる(まだ2か月あるので、ボーダーラインが上がる可能性があるが)
降級点の規定(基準)が甘いと考えられるが、他人事だから言えるのかもしれない。降級点3回で引退しなければならない……当事者にとっては、重くのしかかるだろう。
……しかし、《降級点を消せることができる》という救済措置があり、引退を回避(先延ばし)できる。この基準が……(続く)
その5「女流棋士の濫造?➀ 女流棋士になる条件(女流棋士でいられる条件)」
その4「トーナメントにおける抽選の偏り③ その他の棋戦」
その3「トーナメントにおける抽選の偏り② 女流名人戦予選トーナメント」
その2「トーナメントにおける抽選の偏り① 清麗戦予選トーナメント」
その1「女流棋士独断ランキング」
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