英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「ぐう」の詳細 ……2024順位戦 羽生九段-近藤七段戦

2024-10-18 17:31:30 | 将棋
「ぐう」(昨日記事)の詳細です。
 昨日の順位戦(B級1組)の羽生九段-近藤七段戦は、近藤七段の勝利……
 これで、順位戦の成績は2勝5敗(5連敗)で、成績は12人中10位。降級は成績下位3名なので降級圏内だ。
 降級者成績は、年度によって若干変動する。
2021年度はランク3位・3勝9敗の木村九段が成績10位で降級
  (成績9位で残留はR6位・4勝8敗の久保九段)
2022年度はランク10位・4勝8敗の久保九段が成績10位で降級
  (9位残留はR4位・4勝8敗の屋敷九段)
2023年度はランク10位・5勝7敗の屋敷九段が成績10位で降級
  (9位残留はR7位・5勝7敗の山崎八段)

 成績10位というのは下から3番目の成績で降級枠に入り降級となる。成績9位は残留。
 成績が同じ場合は、昨年度の成績(今年度のランキング)がモノを言う。2022年度、2023年度はランキングで明暗を分けた。

 通常、ランクが上位で4勝すれば残留できることが多いが、昨年の屋敷九段のように5勝してもランクの差で降級してしまうこともある。
 羽生九段の現ランクは5位なので、5勝すればほぼ大丈夫であろう(残り3勝2敗)
 残り5局を2勝3敗ならば、他の棋士の成績によって残留が左右される。
 少なくとも2勝してほしい。とにかく、次局に敗れると相当苦しくなる。


 昨日の将棋の出来は悪くなかった。拮抗した序中盤で、終盤も優勢になったこともあったが、最終盤に判断を誤り、敗れてしまった。


 第1図は▲2四歩と、2筋突破を目指したところ。直前に▲3五歩△同歩▲同銀△8六歩▲8八歩△4五歩と進んでいるので、▲2四歩の合わせは自然の流れと言える。
 後手には△5五角(飛車取り)とかわす手があるので、▲2四銀と進出する前に▲2三歩△同金と利かせた方が良いのか……
 後手も△2三同金と応じず、△5五角と飛び出る手もあり、悩ましい局面だ。
 第1図の▲2四歩に38分考えているのは、この辺りの変化を読んでいたのだろう。残り時間は3時間18分となった(持ち時間は6時間)。
 近藤七段も▲2四歩に△同歩は必然としても、▲2三歩に△同金と応じる手には46分費やして、残り2時間21分となっている。

 △2三同金に、当然、すぐ▲2四銀と指すものだと思っていたが、なかなか指さない。結局、56分動かず、夕食休憩に入ってしまった。
 おそらく、▲2四銀△5五角と進んだ時の対応(▲4六歩か▲3七歩か)を考えていたのだろう。《だったら、▲2四銀と指してから考えてよ》と思うのだが、ある程度の見通しを立てずに指すのは信条に反するのかもしれない。あるいは、▲2四銀の前に▲6六銀と△5五角と飛び出させないようにして、△6五歩と銀をどかせようとする手を無視して、▲2四銀と勝負する手の可能性を考えていたのかもしれない。
 ただし、私にしてみれば、《夕食休憩前の羽生九段の長考はロクなことがない》という思い出が何度もあるので、不安だった。
 対局再開1分後、▲2四銀と指した。

  少し進んで第3図。 

 △3六歩(先手の桂跳ねを防ぎ、場合によっては△3七歩成▲同桂△3六歩の手を見ている)に対し、▲3四歩と攻め合いを挑んだところ。(残り時間は羽生1時間39分、近藤1時間25分)
 △3四同銀は▲2四金の角銀取りがある。なので△5五角とかわしたいところだが、▲5六歩と角を追われる手の対処がが難しい。2二への角の利きがなくなれば、先手の飛車にダイレクトに成り込まれてしまう。
 近藤七段は18分考えて△3四同銀と応じた。羽生九段は狙いの▲2四金。
 ここで、近藤七段の手裏剣が飛ぶ。△5七歩!
 棋譜中継の解説「▲5七同金に△2四角▲同飛△5六歩▲同金△5八銀と進めば、△6九金までの詰めろが掛かる」という。……けっこう嫌な手だ。
 羽生九段、5分考えて▲同金と取る。
 さらに、△5六歩!

 (「その2」に続く)

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