(局面図の手数表示が間違っています。ご容赦ください)
前記事の補足です。
驚愕の▲7一金打だった。
極めて筋悪の一段目の金打ち。
“一段目の金打ち”と言えば、第72期名人戦(2014年) 第4局(対森内名人)が思い出されるが、それよりも異筋感が強い。(そう言えば、今期竜王戦第3局も2段目ではあるが、玉の尻から金を打つという筋悪の寄せをしていた)
前記事では、
『飛車取りの先手で後手の飛車の利きを遮り、▲3一角(王手角取り)や▲5一角を見た手だ。
しかし、▲7一金打に△8七飛成と飛車を切り、▲同金に△2八飛と王手され、▲7八歩に△2一飛成とされると、
手順に先手の狙いの▲3一角を防がれ、先手は飛車が手に入ったとはいえ、銀桂との2枚換えで先手玉の守備も弱体化。7一の金の空振り感が強い。
変化図はまだ先手に分のある局面かもしれないが、時間と思考の消費が空振りしたマイナスが大きく、第3局、第4局の逆転負けの再現の悪い予感しかしなかった。』
と記した。
ところが
私がよく勉強や検証させていただいている『元奨励会員アユムの将棋実況』(YouTube)さんの解説動画で、この▲7一金打の周辺変化が掘り下げられていた。
アユム氏の検証によると、
▲7一金打に△8七飛成と飛車を切って▲同金に△2八飛と打ち込む手には、▲3八飛と合駒をする返し技があるとのこと。
△2一飛成と桂を取る手に▲3三角と打ち込み、△同銀▲同飛成△4一玉と進む。
次に△8六歩や△9五桂という手があるので、先手は▲5二金と切り込むことになる。
△5二同玉は平凡に▲5三銀△同角▲同桂成△同玉▲5四銀で寄るので、▲5二金には△5二同銀の一手となり、ここで▲4四龍が王手角取りになる。
後手も△4二角と受ける手があるが、更に▲3三桂と打つ手が王手龍取り!
仕方ない△5一玉に▲2一桂成と龍を取って簡単に先手の勝ちかというと、△8六歩と打たれるとけっこう難しい。
私が当事者ならパニックに陥りそうだが、強く▲8六同金が好手。△同角に▲6二銀の捨て駒が巧手!
△4一玉は▲3一飛の一手詰みなので、△6二同玉と取るが、▲8二飛の王手が好便。
△7一玉と金を取りつつ逃げると、▲7四龍以下の詰み。
そこで△5一玉と逃げることになるが、一旦▲6二銀△4一玉と追いやって▲8六飛成と角を取る手が決め手となる。
間接的に龍が玉を睨んでいるので、▲8六飛成に△同角とできず、先手勝勢。
とすると、前記事で私が嘆いた筋悪の▲7一金打は、深い読みに裏付けられた巧手ということになるが……
変化図2に戻って
▲3八飛に平凡に△同飛成と取るのはどうなのか?
以下、▲3八同金△5八飛が悩ましい。
▲7八歩は△5五角▲7七桂に△4五銀と上部を厚くすると、後手玉の耐久力は上昇する。
また、△5八飛に▲7八飛と強く応じても、△同飛成▲同玉△5八飛▲6八飛に3八の金や2一の成桂を取ることに固執せず△5五飛成と成り返られると、やはり先の長い戦いになりそうだ。
まとめると、▲7一金打に△8七飛成▲同金△2八飛に▲7八歩△2一飛成の変化図も
△2八飛に▲3八飛に△2一飛成と成桂を取らずに△3八同飛成として、▲同金に△5八飛と打てば、▲7八歩や▲7八飛に対して進んだ変化図11、変化図12の局面は、厳密には先手が若干良いかもしれないが、実戦的には逆転ムードなのではないだろうか?
前記事の補足です。
驚愕の▲7一金打だった。
極めて筋悪の一段目の金打ち。
“一段目の金打ち”と言えば、第72期名人戦(2014年) 第4局(対森内名人)が思い出されるが、それよりも異筋感が強い。(そう言えば、今期竜王戦第3局も2段目ではあるが、玉の尻から金を打つという筋悪の寄せをしていた)
前記事では、
『飛車取りの先手で後手の飛車の利きを遮り、▲3一角(王手角取り)や▲5一角を見た手だ。
しかし、▲7一金打に△8七飛成と飛車を切り、▲同金に△2八飛と王手され、▲7八歩に△2一飛成とされると、
手順に先手の狙いの▲3一角を防がれ、先手は飛車が手に入ったとはいえ、銀桂との2枚換えで先手玉の守備も弱体化。7一の金の空振り感が強い。
変化図はまだ先手に分のある局面かもしれないが、時間と思考の消費が空振りしたマイナスが大きく、第3局、第4局の逆転負けの再現の悪い予感しかしなかった。』
と記した。
ところが
私がよく勉強や検証させていただいている『元奨励会員アユムの将棋実況』(YouTube)さんの解説動画で、この▲7一金打の周辺変化が掘り下げられていた。
アユム氏の検証によると、
▲7一金打に△8七飛成と飛車を切って▲同金に△2八飛と打ち込む手には、▲3八飛と合駒をする返し技があるとのこと。
△2一飛成と桂を取る手に▲3三角と打ち込み、△同銀▲同飛成△4一玉と進む。
次に△8六歩や△9五桂という手があるので、先手は▲5二金と切り込むことになる。
△5二同玉は平凡に▲5三銀△同角▲同桂成△同玉▲5四銀で寄るので、▲5二金には△5二同銀の一手となり、ここで▲4四龍が王手角取りになる。
後手も△4二角と受ける手があるが、更に▲3三桂と打つ手が王手龍取り!
仕方ない△5一玉に▲2一桂成と龍を取って簡単に先手の勝ちかというと、△8六歩と打たれるとけっこう難しい。
私が当事者ならパニックに陥りそうだが、強く▲8六同金が好手。△同角に▲6二銀の捨て駒が巧手!
△4一玉は▲3一飛の一手詰みなので、△6二同玉と取るが、▲8二飛の王手が好便。
△7一玉と金を取りつつ逃げると、▲7四龍以下の詰み。
そこで△5一玉と逃げることになるが、一旦▲6二銀△4一玉と追いやって▲8六飛成と角を取る手が決め手となる。
間接的に龍が玉を睨んでいるので、▲8六飛成に△同角とできず、先手勝勢。
とすると、前記事で私が嘆いた筋悪の▲7一金打は、深い読みに裏付けられた巧手ということになるが……
変化図2に戻って
▲3八飛に平凡に△同飛成と取るのはどうなのか?
以下、▲3八同金△5八飛が悩ましい。
▲7八歩は△5五角▲7七桂に△4五銀と上部を厚くすると、後手玉の耐久力は上昇する。
また、△5八飛に▲7八飛と強く応じても、△同飛成▲同玉△5八飛▲6八飛に3八の金や2一の成桂を取ることに固執せず△5五飛成と成り返られると、やはり先の長い戦いになりそうだ。
まとめると、▲7一金打に△8七飛成▲同金△2八飛に▲7八歩△2一飛成の変化図も
△2八飛に▲3八飛に△2一飛成と成桂を取らずに△3八同飛成として、▲同金に△5八飛と打てば、▲7八歩や▲7八飛に対して進んだ変化図11、変化図12の局面は、厳密には先手が若干良いかもしれないが、実戦的には逆転ムードなのではないだろうか?
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