最愛の娘を病気で失い、その後、世の中の理不尽な仕打ち(詐欺)にあった津田-本名:秋山(河西健司)。彼は、その悲しみや怒りから、アポ電強盗グループに被害者の情報を漏らしていた。
犯罪に手を貸してしまった津田の心情を理解し、“終わらせる”行為(警察のおとり捜査への協力)をさせ、今後の津田の人生の道筋を示した右京。
………右京の優しさの一面が見られたエピソードだった(ただし、津田を諭す右京の論理には納得のいかない点があった。【後述します】)
また、婚活パーティーに潜入する右京の巧みさ、もてあそばれているとしか思えない青木(浅利陽介)への扱いと青木の反応、青木の婚活デートの相手の女性2人のユニークな態度、直接関係はなかったが伊丹の不機嫌・機嫌の陰→陽など、面白かった。
《アポ電強盗グループとその捜査、逮捕について》
・“ハングレ集団”だったので、逮捕してみるとチャチな一味だった
・電話の弁護士や刑事の声も若くて、どこか拙い口調だった(演出の芸の細かさとも言える)
・おとり捜査の舞台となった中園邸で待機していた刑事たち、人数多すぎ
・逃走したワンボックスカーから男が降りて、公園で他の男に渡す(受け渡し現場から少し離れたところで警察が確保)。現金を受け取った男は強盗団のアジトに帰還(ワンボックスカーもすでに帰還)……この逃走リレーに意味はあるのか?
・アジトに刑事たちが踏み込み、全員御用
・捜査初期の段階で・防犯カメラに不審な車のナンバーが捉えられているので、辿れそうなものだが
《右京の思いやり》
「人が犯罪に陥る要因の一つは“孤独”だと考えられています。家族を失ったあなたは、確かに孤独でした。
ですが、あなたには、家族を支え、奥さんとそしてのぞみさんと過ごした幸せな時間があります。
そういう人間には、たとえ罪を犯したとしても、どこかに“良心”が潜んでいるものです」
「あなたの中には、“詐欺に対する怒り”があるはずです。ですから必ず、協力に応じてくれると信じていました」
~のぞみさんを失ってから還付金詐欺にあった経緯を語る~
「妻も娘も仕事も奪われて、それでも何とか踏ん張って生きてきたのに……あいつら(詐欺の一味)、根こそぎ奪っていきやがった。
仕事も辞めちまおう。のたれ死んでもいい……生きていたって辛い事ばかりだ」
アポ電強盗にあった君枝(山口美也子)のことを
「それでも、まだ、家族も金もあるんだろう。……不公平だ」と、吐き捨てるように言う
「あなたは、家族を守るために必死で働き、そしてその家族を失い、追い詰められて、過ちを犯してしまいました。それは決して許されれることではありません。
ですが、我々は、“一生懸命汗水流して生きていた人生を、あなたに捨ててほしくはない”と思っています。
確かに、世の中は不公平かもしれません。ですが、それを乗り越えることが出来れば、不公平ではありませんからね」
「なあ、小っちゃくてもいいから、かみさんやのぞみの為に墓を建ててやりたいって、ずっと思っていた。出てからでも、遅くないかな?」
「決して遅くはないと思いますよ」(冠城)
「ええ」(右京)
アポ電強盗を一網打尽にする手助けをさせることで、秋山の心に“けじめ”と“立ち直りのきっかけ”を与えた。さらに、その協力という行為は罪の軽減も見込まれる。
そんな右京の優しさ、そして、俳優・河西さんの心に迫った演技………非常にいいシーンだった。
しかし、「確かに、世の中は不公平かもしれません。ですが、それを乗り越えることが出来れば、不公平ではありませんからね」という台詞には納得がいかない。
理不尽な不公平さを乗り越えるのは生半可なことではない。それが出来れば苦労はない!
それに、乗り越えたとしても、「不公平ではありませんからね」という訳にはならないと思うのだが……
それと、秋山が最愛の娘をアポ電強盗の為の情報収集に利用するとは思えないが、娘の婚活をしていることで、娘が生きていると錯覚したかったのかもしれない
《その他、いろいろ面白かった》
・「悪い人ではないんですが、そういうことでした」……冠城による被害者の息子の調査(看護師たちへの聞き込み)
……「院長に期待されている」→「多分、名前も覚えられてないよねぇ」、「看護師たちから慕われている」→「ない、ない、な~い」
・右京の年男くん評
……「大義よりも利益で動くタイプ」「休日も一日中、家に引きこもってチェスの腕を磨いている」
・デート料の20万円(計40万円)は誰が支払ったのか?
・右京に褒められて、非常に嬉しそうな参事官
・参事官は「勝手に捜査するとは何事かぁ!」と怒鳴ったが、刑事部長の言葉らしい。参事官本人は、特命係を評価している様子。
・君江に婚活で迫られる右京
第1話、第2話、第3話、第4話、第5話、第6話
【ストーリー】番組サイトより
特命係が婚活パーティーへ潜入捜査!!
アポ電強盗を繰り返す特殊詐欺グループ壊滅作戦の行方は!?
伊丹(川原和久)が婚活デートに臨もうとした矢先、アポ電強盗が発生し、捜査への合流を余儀なくされる。
被害者は、医師の息子を持つ大井川君枝(山口美也子)で、傷害トラブルの示談金が必要という電話を受けた直後、3人組の男が押し入ってきて2000万円もの現金を奪われたという。多発する特殊詐欺に対し、中園参事官(小野了)の指揮のもと捜査一課・組対5課など課の垣根を超えた大捜査網がひかれる。
そんな中、右京(水谷豊)は君枝が息子の結婚相手を探すために参加していた“代理婚活パーティー”から大井川家の情報が特殊詐欺犯に流れたのではないかと推理。被害者に事情を尋ねると、これまで連絡先を交換した相手は2人だけとのこと。調べると、問題の2人は阿久津貴子(松井紀美江)という女性と、津田保(河西健司)という男性で、右京と亘(反町隆史)は、どちらかが情報を流しているのではないかと疑う。
その後、疑惑の2人が同時に参加する代理婚活パーティーがあることを摑んだ右京は、青木(浅利陽介)の“親代わり”として参加。スタッフとして会場に紛れ込んだ亘と共に、2人の動向を探るが…!?
婚活パーティーで情報漏洩の容疑者を探れ!
捜査のさなか、中園参事官にも悪の手が…!?
警視庁の面々が一丸となり現代の悪を追い詰める!
ゲスト:河西健司 山口美也子 松井紀美江
脚本:斉藤陽子
監督:片山修
犯罪に手を貸してしまった津田の心情を理解し、“終わらせる”行為(警察のおとり捜査への協力)をさせ、今後の津田の人生の道筋を示した右京。
………右京の優しさの一面が見られたエピソードだった(ただし、津田を諭す右京の論理には納得のいかない点があった。【後述します】)
また、婚活パーティーに潜入する右京の巧みさ、もてあそばれているとしか思えない青木(浅利陽介)への扱いと青木の反応、青木の婚活デートの相手の女性2人のユニークな態度、直接関係はなかったが伊丹の不機嫌・機嫌の陰→陽など、面白かった。
《アポ電強盗グループとその捜査、逮捕について》
・“ハングレ集団”だったので、逮捕してみるとチャチな一味だった
・電話の弁護士や刑事の声も若くて、どこか拙い口調だった(演出の芸の細かさとも言える)
・おとり捜査の舞台となった中園邸で待機していた刑事たち、人数多すぎ
・逃走したワンボックスカーから男が降りて、公園で他の男に渡す(受け渡し現場から少し離れたところで警察が確保)。現金を受け取った男は強盗団のアジトに帰還(ワンボックスカーもすでに帰還)……この逃走リレーに意味はあるのか?
・アジトに刑事たちが踏み込み、全員御用
・捜査初期の段階で・防犯カメラに不審な車のナンバーが捉えられているので、辿れそうなものだが
《右京の思いやり》
「人が犯罪に陥る要因の一つは“孤独”だと考えられています。家族を失ったあなたは、確かに孤独でした。
ですが、あなたには、家族を支え、奥さんとそしてのぞみさんと過ごした幸せな時間があります。
そういう人間には、たとえ罪を犯したとしても、どこかに“良心”が潜んでいるものです」
「あなたの中には、“詐欺に対する怒り”があるはずです。ですから必ず、協力に応じてくれると信じていました」
~のぞみさんを失ってから還付金詐欺にあった経緯を語る~
「妻も娘も仕事も奪われて、それでも何とか踏ん張って生きてきたのに……あいつら(詐欺の一味)、根こそぎ奪っていきやがった。
仕事も辞めちまおう。のたれ死んでもいい……生きていたって辛い事ばかりだ」
アポ電強盗にあった君枝(山口美也子)のことを
「それでも、まだ、家族も金もあるんだろう。……不公平だ」と、吐き捨てるように言う
「あなたは、家族を守るために必死で働き、そしてその家族を失い、追い詰められて、過ちを犯してしまいました。それは決して許されれることではありません。
ですが、我々は、“一生懸命汗水流して生きていた人生を、あなたに捨ててほしくはない”と思っています。
確かに、世の中は不公平かもしれません。ですが、それを乗り越えることが出来れば、不公平ではありませんからね」
「なあ、小っちゃくてもいいから、かみさんやのぞみの為に墓を建ててやりたいって、ずっと思っていた。出てからでも、遅くないかな?」
「決して遅くはないと思いますよ」(冠城)
「ええ」(右京)
アポ電強盗を一網打尽にする手助けをさせることで、秋山の心に“けじめ”と“立ち直りのきっかけ”を与えた。さらに、その協力という行為は罪の軽減も見込まれる。
そんな右京の優しさ、そして、俳優・河西さんの心に迫った演技………非常にいいシーンだった。
しかし、「確かに、世の中は不公平かもしれません。ですが、それを乗り越えることが出来れば、不公平ではありませんからね」という台詞には納得がいかない。
理不尽な不公平さを乗り越えるのは生半可なことではない。それが出来れば苦労はない!
それに、乗り越えたとしても、「不公平ではありませんからね」という訳にはならないと思うのだが……
それと、秋山が最愛の娘をアポ電強盗の為の情報収集に利用するとは思えないが、娘の婚活をしていることで、娘が生きていると錯覚したかったのかもしれない
《その他、いろいろ面白かった》
・「悪い人ではないんですが、そういうことでした」……冠城による被害者の息子の調査(看護師たちへの聞き込み)
……「院長に期待されている」→「多分、名前も覚えられてないよねぇ」、「看護師たちから慕われている」→「ない、ない、な~い」
・右京の年男くん評
……「大義よりも利益で動くタイプ」「休日も一日中、家に引きこもってチェスの腕を磨いている」
・デート料の20万円(計40万円)は誰が支払ったのか?
・右京に褒められて、非常に嬉しそうな参事官
・参事官は「勝手に捜査するとは何事かぁ!」と怒鳴ったが、刑事部長の言葉らしい。参事官本人は、特命係を評価している様子。
・君江に婚活で迫られる右京
第1話、第2話、第3話、第4話、第5話、第6話
【ストーリー】番組サイトより
特命係が婚活パーティーへ潜入捜査!!
アポ電強盗を繰り返す特殊詐欺グループ壊滅作戦の行方は!?
伊丹(川原和久)が婚活デートに臨もうとした矢先、アポ電強盗が発生し、捜査への合流を余儀なくされる。
被害者は、医師の息子を持つ大井川君枝(山口美也子)で、傷害トラブルの示談金が必要という電話を受けた直後、3人組の男が押し入ってきて2000万円もの現金を奪われたという。多発する特殊詐欺に対し、中園参事官(小野了)の指揮のもと捜査一課・組対5課など課の垣根を超えた大捜査網がひかれる。
そんな中、右京(水谷豊)は君枝が息子の結婚相手を探すために参加していた“代理婚活パーティー”から大井川家の情報が特殊詐欺犯に流れたのではないかと推理。被害者に事情を尋ねると、これまで連絡先を交換した相手は2人だけとのこと。調べると、問題の2人は阿久津貴子(松井紀美江)という女性と、津田保(河西健司)という男性で、右京と亘(反町隆史)は、どちらかが情報を流しているのではないかと疑う。
その後、疑惑の2人が同時に参加する代理婚活パーティーがあることを摑んだ右京は、青木(浅利陽介)の“親代わり”として参加。スタッフとして会場に紛れ込んだ亘と共に、2人の動向を探るが…!?
婚活パーティーで情報漏洩の容疑者を探れ!
捜査のさなか、中園参事官にも悪の手が…!?
警視庁の面々が一丸となり現代の悪を追い詰める!
ゲスト:河西健司 山口美也子 松井紀美江
脚本:斉藤陽子
監督:片山修
いろいろと立て込んでいてなかなかじっくりと視聴できなかったのですが、ようやく今日前編通して視聴できました。
初脚本の方でしたが、意外とよかったのではないでしょうか。河西健司さんの演技もよかったと思いました。
河西健司さんと言えば「アゲハ蝶」(S4-14)での犯人役も印象深いです。それ以来約14年ぶりの「相棒」出演でした。あのころの「相棒」は今と比べると強烈な話が多かったです。
次回は前後編ですか。初めから前後編と予告するのは近年では珍しいですね。
本分で書きましたが、「クライマックスでの右京の説得に納得がいかない」「強盗後の逃走(金の移送)が意味不明」などの不満点もありましたが、ドラマとしては面白かったです。河西さんの演技は良かった。
>初めから前後編と予告するのは近年では珍しいですね
そうですね。
知らずに観ていて、肩透かしを食らうことが多かったです。