“今更感”があり過ぎですが、「2018アジア大会雑感 その6」です。
男子マラソンは日本の井上大仁選手とバーレーンのエラバッシ選手の熾烈な競り合いが続き、競技場トラックの最後の直線勝負になった。
両選手ともラストスパートに自信を持っているようで、ふたりの一騎打ちになってからは、いつ?どこで?どちらが仕掛けるのか?あるいはトラック勝負か?…手に汗握る展開になった。
……しかし、それは残念な決着になってしまった。
勝負は最後の直線にもつれ込んだ。
1レーン内に二人が並走。先行していた井上選手がやや前で2レーン寄り、わずか後ろをイン側にエラバッシ選手。
両者ともスパートをかけ、身体が接触しそうなほど激しい競り合いが続き、ゴール目前で両者が接触。エラバッシ選手がバランスを崩し、減速。その後、エラバッシ選手も立て直し追うが、井上選手が胸の差で先着ゴールイン。
競技後、エラバッシ選手サイドから、「押しのけられて金メダルを阻まれた」と井上選手の走路妨害を主張した。
これに対し、巷では「(ビデオ検証した結果)エラバッシ選手が右手で井上選手をかき分けるような動作を起こして接触。その反動で、エラバッシ選手がバランスを崩しただけで、エラバッシ選手のほうこそ走路妨害で、自業自得だ」とする意見が大多数。
私も何度もビデオを確認したが、確かにエラバッシ選手は上記のような動作を行っていた。ただ、その直前、最終コーナーを回って直線に入った直後に、エラバッシ選手がスピードを上げ、井上選手はその気配を感じ、わずかではあるがイン側に走路を変えた。そのせいで、エラバッシ選手の進路がやや狭くなってしまった。
それでも、抜くだけの幅はあるように見えたが、エラバッシ選手はそう感じなかったのではないだろうか?それで、上記の行為に至ったと思われる。(あくまで、私の想像)
【走路妨害についての考察】
トラック競技(セパレートコースで行われる100m、200m、400m以外)の走路(走行)妨害についての詳細は分からないが(「だったら記事を書くな」という突っ込みはご容赦ください)、
①原則として、追い抜くときは外側から
②イン側にスペースがあれば、イン側から追い抜いても妨害行為とはならない
・①を絶対化すると、極端な場合、前の選手が3レーンを走っていたら、そのアウト側に回り込んで追い抜かなければならなくなる
・1500mなどはかなりの人数で密集して走るので、①を絶対化するのは無理。多少のスペースがあればイン側から抜いても問題視されない。その際、軽度の接触は許容されるようだ。
③妨害を目的とした走路変更や幅寄せ・接触は失格
・故意でなくても、理由なく進路を変えて、その結果、他選手に対する著しい妨害になった場合も失格
・意図しない不意の進路変更(周囲の走者の店頭などを避けようとした場合など)によって、他の走者を妨害した場合は、責任を問われない
【走路(走行)についてのマナーや暗黙のルール】
・オープンコースの場合、どこを走っても(3レーンでも6レーンでも)かまわないが、トラックを走る場合はアウト側の方が走行距離が長くなるので、インコース寄りを走る
・後方の走者から抜かれる時、抜かれまいとアウト側に進路を変え、斜行するのは妨害行為に該当する可能性があるが、多少の幅寄せは許容されているようだ
・周回遅れの選手は、トップ選手たちの邪魔にならないよう、抜かれる少し前にアウトレーンに退避する(マナーで絶対ではない)
・トップ走者を風除けやペースメーカーとして利用するのは卑怯だが、「賢い走り方」と評価する解説者が多い。
※接近しすぎて、足が絡んで転倒するケースも多いので、注意する必要がある。過去に、駅伝で福士選手が他チームのランナーにピッタリマークされたあげく、足が絡まって大転倒。苦痛に顔を歪めながらも残りを走り切り、タスキを渡したが、重傷だった。
今回のアジア大会の場合、井上選手のインコースへの幅寄せは、わずかであり、エラバッシ選手の走行を大きく妨害したとは言えない。わずかな幅寄せは、ランナーの本能的な行為で、ある程度は許容されるものであろう。(42km以上も走ってきて、本能を律するのはかなり困難)
また、エラバッシ選手のかき分け行為も、井上選手のわずかな幅寄せが起こしたもので、酌量の範囲内と考えたい。
両者とも失格にならなくてよかった。
アジア大会の記事はこれで終わりです。旬は過ぎてしまいましたし、私の記憶もあやふやになっています。
まあ、もともと、この記事で最後のつもりで「その5」まで書いていたのですが、なんだかんだで先のばしているうちに、ずるずると今日に至りました。ずっと、心の片隅に引っかかっていて、完結することができ、良かったです。
本当は、もう一記事「総論(心に残るシーン、出来事)」があったのですが、ほぼ忘れてしまっています。
ただ、これだけは今でもはっきり印象に残っているのが……
………≪池江選手のスーパーな活躍≫!
パンパシフィック水泳に引き続いてのビッグな大会で、疲労もあったはずですが、素晴らしかったです!
その1「至極残念な中継 ①温度差がありすぎる中継」
その2「至極残念な中継 ②浅いインタビュー」
その3「至極残念な中継 ③勝手に大会終了」
その4「男女混合種目の問題点」
その5「甘い“技あり”判定」
男子マラソンは日本の井上大仁選手とバーレーンのエラバッシ選手の熾烈な競り合いが続き、競技場トラックの最後の直線勝負になった。
両選手ともラストスパートに自信を持っているようで、ふたりの一騎打ちになってからは、いつ?どこで?どちらが仕掛けるのか?あるいはトラック勝負か?…手に汗握る展開になった。
……しかし、それは残念な決着になってしまった。
勝負は最後の直線にもつれ込んだ。
1レーン内に二人が並走。先行していた井上選手がやや前で2レーン寄り、わずか後ろをイン側にエラバッシ選手。
両者ともスパートをかけ、身体が接触しそうなほど激しい競り合いが続き、ゴール目前で両者が接触。エラバッシ選手がバランスを崩し、減速。その後、エラバッシ選手も立て直し追うが、井上選手が胸の差で先着ゴールイン。
競技後、エラバッシ選手サイドから、「押しのけられて金メダルを阻まれた」と井上選手の走路妨害を主張した。
これに対し、巷では「(ビデオ検証した結果)エラバッシ選手が右手で井上選手をかき分けるような動作を起こして接触。その反動で、エラバッシ選手がバランスを崩しただけで、エラバッシ選手のほうこそ走路妨害で、自業自得だ」とする意見が大多数。
私も何度もビデオを確認したが、確かにエラバッシ選手は上記のような動作を行っていた。ただ、その直前、最終コーナーを回って直線に入った直後に、エラバッシ選手がスピードを上げ、井上選手はその気配を感じ、わずかではあるがイン側に走路を変えた。そのせいで、エラバッシ選手の進路がやや狭くなってしまった。
それでも、抜くだけの幅はあるように見えたが、エラバッシ選手はそう感じなかったのではないだろうか?それで、上記の行為に至ったと思われる。(あくまで、私の想像)
【走路妨害についての考察】
トラック競技(セパレートコースで行われる100m、200m、400m以外)の走路(走行)妨害についての詳細は分からないが(「だったら記事を書くな」という突っ込みはご容赦ください)、
①原則として、追い抜くときは外側から
②イン側にスペースがあれば、イン側から追い抜いても妨害行為とはならない
・①を絶対化すると、極端な場合、前の選手が3レーンを走っていたら、そのアウト側に回り込んで追い抜かなければならなくなる
・1500mなどはかなりの人数で密集して走るので、①を絶対化するのは無理。多少のスペースがあればイン側から抜いても問題視されない。その際、軽度の接触は許容されるようだ。
③妨害を目的とした走路変更や幅寄せ・接触は失格
・故意でなくても、理由なく進路を変えて、その結果、他選手に対する著しい妨害になった場合も失格
・意図しない不意の進路変更(周囲の走者の店頭などを避けようとした場合など)によって、他の走者を妨害した場合は、責任を問われない
【走路(走行)についてのマナーや暗黙のルール】
・オープンコースの場合、どこを走っても(3レーンでも6レーンでも)かまわないが、トラックを走る場合はアウト側の方が走行距離が長くなるので、インコース寄りを走る
・後方の走者から抜かれる時、抜かれまいとアウト側に進路を変え、斜行するのは妨害行為に該当する可能性があるが、多少の幅寄せは許容されているようだ
・周回遅れの選手は、トップ選手たちの邪魔にならないよう、抜かれる少し前にアウトレーンに退避する(マナーで絶対ではない)
・トップ走者を風除けやペースメーカーとして利用するのは卑怯だが、「賢い走り方」と評価する解説者が多い。
※接近しすぎて、足が絡んで転倒するケースも多いので、注意する必要がある。過去に、駅伝で福士選手が他チームのランナーにピッタリマークされたあげく、足が絡まって大転倒。苦痛に顔を歪めながらも残りを走り切り、タスキを渡したが、重傷だった。
今回のアジア大会の場合、井上選手のインコースへの幅寄せは、わずかであり、エラバッシ選手の走行を大きく妨害したとは言えない。わずかな幅寄せは、ランナーの本能的な行為で、ある程度は許容されるものであろう。(42km以上も走ってきて、本能を律するのはかなり困難)
また、エラバッシ選手のかき分け行為も、井上選手のわずかな幅寄せが起こしたもので、酌量の範囲内と考えたい。
両者とも失格にならなくてよかった。
アジア大会の記事はこれで終わりです。旬は過ぎてしまいましたし、私の記憶もあやふやになっています。
まあ、もともと、この記事で最後のつもりで「その5」まで書いていたのですが、なんだかんだで先のばしているうちに、ずるずると今日に至りました。ずっと、心の片隅に引っかかっていて、完結することができ、良かったです。
本当は、もう一記事「総論(心に残るシーン、出来事)」があったのですが、ほぼ忘れてしまっています。
ただ、これだけは今でもはっきり印象に残っているのが……
………≪池江選手のスーパーな活躍≫!
パンパシフィック水泳に引き続いてのビッグな大会で、疲労もあったはずですが、素晴らしかったです!
その1「至極残念な中継 ①温度差がありすぎる中継」
その2「至極残念な中継 ②浅いインタビュー」
その3「至極残念な中継 ③勝手に大会終了」
その4「男女混合種目の問題点」
その5「甘い“技あり”判定」
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