英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『週刊将棋』4月4日号 詰将棋入門

2012-05-24 19:46:05 | 詰将棋

 『週刊将棋』4月4日号 詰将棋入門の第2問です。制限時間は3分となっています。
 いつも中田章道七段でしたので、少し球筋を変えてみます。
 中田七段の作品も溜まりっぱなしという状態なのに、自ら傷口を広げる行為のような気もします。
 
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『鍵のかかった部屋』 第6話「密室劇場」

2012-05-23 15:43:56 | ドラマ・映画
 今週は視覚の死角を突いたトリックだった。
 人間は超低速の動きや変化を知覚できないらしい。映像クイズでもよく出題されていて、「アハ体験」と言うと思い当たる方も多いかもしれない。「アハ体験」というのは、今まで分からなかったことを、いろいろ頭を働かせて分かるようになったという体験で、いわゆる「ひらめいた」という感覚である。

 今回は切り出しと言う舞台セットの陰に隠れながら、秒速0.2mの低速で移動し、200人の観衆の目という密室をすり抜けたトリックだった。
 文字で書くと、非常に馬鹿馬鹿しいが、映像では説得力があり、面白いトリックだった。映像に向かなかった先週のトリックとは対照的だ。何気なく、オープニングの問題提起のシーンにこのトリックが盛り込まれていたのも巧妙だった。

 とは言え、観客の目はともかく、スタッフの誰も気づかないのはかなり無理を感じる。キャストがずっと舞台にいるのも不自然だし、当然、裏方もいるはずだから。
 それに、もし、トリック成立の条件を満たしていたとしても、舞台上の誰かが気づく可能性はかなり高い。
 もし気づかないとしても、80分間も気づかれる恐れを抱きながら、あの低速運動をするのは、肉体的にもすごいが、強靭な精神力だと言える。常人ではとても耐えられそうにない。

 そこまでの精神力があるのなら、殺人など犯さずに、ゴーストライターの件を公表してやり直すこともできたのではないか。長年苦楽をともにした仲間を手にかけること、また、人の弱みを握り脅すような卑劣な人間のために一生を懸けて行う行為でもない
。……なんて言っていたら、刑事ドラマにならないか。

【その他の突っ込み・感想】
①芹沢(佐藤浩市)の日和見主義は相変わらず面白い。水城日本企業法務弁護士協会会長(清水紘治)に調子のよい話の合わせっぷりは見事。
 「チーム榎本」への冷め方や自分本位さも面白いが、子供っぽさが影を潜めたのは少し残念。
②(たぶん多くの方が指摘していると思うが)登場人物の名前の鬼塚、薬師寺、畑山、井岡は、ボクシングつながり。
③「下手(しもて)の楽屋」が最初、「下手(へた)の楽屋」かと思った
④「今回の密室は破れないかもしれない」と榎本(大野智)が言ったのは、予告用?
⑤鬼塚が舞台のトリックが「物理的なトリック」だったのに、「心理的なトリック」と間違えたのは、仮にも脚本担当のうえ、舞台にも関わっているのだから、間違えるのはありえない

【ストーリー】(番組サイトより)
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)に誘われて、水城里奈(能年玲奈)が出演する「密室に囚われた男」という舞台を見に来た。それは、パフォーマンスと演劇に分かれた舞台だった。

観劇後、下手(しもて)の楽屋に里奈を訪ねると劇団員たちの様子が慌ただしい。楽屋で薬師寺(山中聡)というパフォーマーが撲殺されていたのだ。

その後、容疑者に里奈の恋人でパフォーマーの井岡(桐山照史)が浮上した。純子から事件のことを聞いた芹沢豪(佐藤浩市)は、度重なる密室事件にうんざりしながら、榎本を呼べと指示する。

榎本、純子、里奈が劇場を訪ねると演出の畑山(堀内敬子)、脚本家兼パフォーマーの鬼塚(坂本昌行)が迎えた。純子は、楽屋には上手(かみて)と下手があるのに、なぜ薬師寺だけが下手にいたのか、と尋ねる。鬼塚はそこが薬師寺専用になっていたと明かす。薬師寺の楽屋に行くには、売店があるロビーを通るか、舞台上を横切るしか方法がない。しかし事件発生時、演劇が上演中で客席には200人の観客がいた。外部からの侵入の形跡もない密室状態だった薬師寺の楽屋に、犯人はどうやって侵入して殺害し、誰の目にも触れず逃走できたのか。

現場検証を続けた榎本は、今回の密室は破れないかもしれない、と言った。

里奈に頼んで井岡に会った純子は、井岡のカバンに「密室の作り方」という本があるのに気づいた。役作りのために必要だという井岡に、パフォーマーなのになぜか、と純子が尋ねると、井岡は焦りながらももっともらしい答えを返した。


同じ頃、榎本のもとに鬼塚が現れた。次の舞台の題材で防犯ネタを使いたいという鬼塚は、榎本に質問があるという。そんなとき、榎本が前回の舞台のトリックをどう思いついたのかと尋ねた。鬼塚は、自分のアイデアから心理的なトリックが浮かんだ、と答えたが、舞台で使われたのは物理的なトリックだった。

榎本からそう聞いた純子は、前回の舞台の脚本を鬼塚ではなく井岡が書いたのでは、と推測。そして、井岡を問い詰めたところ、鬼塚と自分がお互い了承済みのことだ、と言ってそれを認めた。

純子は犯行を行ったのが鬼塚だと仮定すれば、密室を破る方法が絞れるのでは言う。榎本は、最後にパフォーマンスを終えた鬼塚が密室を作る時間は、演劇が上演されていた80分あったことになると話す。舞台上で何か工作したとしたら自分たちが気づいたはずなのに、という純子の言葉に榎本はひらめきを感じた。

再び劇場にやってきた榎本は、舞台上でスローモーションのような動きをしている鬼塚を見つめた。そして、車に戻ると舞台の映像を分析し始めた。

その頃、純子は、畑山から重要な証言を聞き劇場へとやってきた。誰ひとりいない舞台上で、鬼塚を探す純子。その後ろに、足音も立てず鬼塚が立った。気配に気づき純子が振り返ると、鬼塚は無言で純子を見詰めた。得の言われぬ恐怖に包まれたとき、ドアが開き、榎本、芹沢が入ってきた。安堵した純子に、榎本は「密室は、破れました」と言った。


榎本は、パフォーマンスを終えた鬼塚が楽屋で薬師寺を撲殺、その後、舞台上の切り出しと呼ばれるセットの後ろに隠れ、自分で移動させながら舞台上を横切った、と明かした。鬼塚が得意なスローモーションのような動きで、非常にゆっくりと移動すると、人間の目はそれを認識できないと言う。舞台の画像を早送りしてみると、確かに舞台の奥で切り出しが横切るのが確認できた。

殺意はあったのかと聞く芹沢に、鬼塚は、事故だったと弁明。しかし榎本は、舞台上に切り出しを何度も引きずった傷があることから、何日も練習を重ねて犯行に及んだはずだと指摘。それでも動機がない、という鬼塚に純子は、畑山から聞いたと言って、井岡をゴーストライターに使っていたことで、鬼塚が薬師寺に脅されていたと明かした。遂に言い逃れができなくなったが、それでも鬼塚はどこか平然としていた。

後日、純子から舞台の誘いを受けた榎本は、携帯電話をスピーカーにしたまま話していた。開錠作業中の榎本は、純子の言葉にも応えず没頭し…。
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『ATARU』 第6話

2012-05-22 18:56:56 | ドラマ・映画
【記事タイトルを入れずにトラックバックを送ってしまい、申し訳ありませんでした】
 今回は「絶対音感を持つ人の苦痛」が気になってしまった。
 事件は、チョコザイ(中居正広)のヒントを基に、沢(北村一輝)が事件を解明したような気がする。
 絶対音感についていろいろ悩んでしまったので、事件の解明の段取りは覚えていないんです。そちらの方に気を取られて、「絶対音感を持つ水瀬咲絵(寺島咲)の苦しみが殺意にというパターン」かと思わせておいて、実は隣人の東(石田卓也)かなと思ったが、違った。
 真犯人は第一発見者の大家・石嶺(花王おさむ)だったとは!発見時の現場の説明が妙なところだけ鮮明だったので、引っかかりはあったが、制作側のトラップ(ミスリード)に引っかかってしまったようで、少し悔しい。
 証言の矛盾を突っ込む様は、コナンのようで、面白かった。

 ミスリードに載せられてしまった八つ当たりで、絶対音感が原因で本当に苦しんでいる人には申し訳ありませんが、咲江には≪絶対音感を持つ者の苦しみは、凡人には分からないのよ≫といった「自分は特別」という意識を感じた。
 ≪学校のピアノの調律のズレ、同級生の下手な歌が気持ち悪い≫
 ≪こんな能力、何の役にも立たない。ただの障がいだ≫
 ≪人にはただの雑音でも、私には全部意味のある音になる。意味分かんないですよね≫
 ≪踏切の音は全部同じに聞こえるかもしれないけど、ほんとはひとつひとつ違う。すべてが少しずつずれている≫
 ≪実の親だって、私の苦しみを分かってくれなかった≫
 ≪あなた(チョコザイ)にはきっとわかってくれる人がいるのよね。私みたいに特殊じゃないから≫

 相当苦しいんでしょうね。
 う~ん、そこまで辛いものなのか……ええと、不協和音は誰でも不快。音に敏感なせいで、その不快感が増幅されるのか?(最悪の組み合わせの不協和音はあるみたいだが)
 でも、それだけではないような感じだ。単なる騒音でも苦しいみたいだし。
 「全部の音が意味のある音に聞こえる」というのは鬱陶しいかもしれないが、苦痛とまではいかないように思える。でも、四六時中だったら辛いかも。
 それに、踏切の音がそれぞれ違うのは普通の人にも分かる。それがどれくらいか(何ヘルツか)はよく分からないけれど。
 咲江の場合、「レ」の音ならぴったり「レ」の音でないと気持ちが悪いのではないだろうか。だとしたら、世の中にはズレた音や中途半端な音ばかりだから、それは苦しいだろう。


 しかし、いくら絶対音感を持っていて何ヘルツかわかっても、そのヘルツを再現する能力、つまり正確に歌う能力は別だと思う。「同級生の歌声が気持ち悪い」というのは事実でも、「下手」というのはどうかと思う。
 確かに、凡人にはその音が何ヘルツか、何の音階なのかは分からないが、お手本の音を模倣して歌うことはできるのだ。彼女にとって、普通のプロの歌も聞くのは辛いのかな?
 街に出る時はヘッドホーンでクラッシックを聴くとか、仕事なら、それこそピアノの調律師になればいいと思うんだけど。音が聞こえるのは、すごくいいことだと思うのだけど。世の中には、音を失くした人もいるんだよ。

 沢に、「うるさい!二度と私に近づかないで」って……


【その他の感想、突っ込み】
・「また捨てヤマ、掘り返しやがった」って、野崎刑事(千原せいじ)のその捜査姿勢も問題だが、事件の本質を見抜けない刑事としての資質も非常に疑問だ。刑事、辞めた方がいいと思う。
今どき、レコード!……


【ストーリー】(番組サイトより)
 チョコザイ(中居正広)の身元引受人となった沢(北村一輝)が、同居のため舞子(栗山千明)の父が所有するアパートに引っ越してきた。舞子は保護主任者としてチョコザイの検査のために送り迎えをすることになった。
 夜勤明けで朝から酔っている犬飼(中村靖日)は沢を呼び出し、先日から気がかりだった違法電波がアメリカ大使館からのもので、公安の外事が揉み消しに動いていると告げる。嫌な予感がした沢は、「そのことは忘れろ」と忠告するが、納得のいかない犬飼は一人でも調べると言い張る。
 そんな時、沢に事件の連絡が入った。長岡満(布施紀行)という青年が自宅アパートで手首を切りバスタブの水に手を入れた状態で亡くなっていたのが発見されたという。大家の石嶺(花王おさむ)の通報で駆け付けた警察が家宅捜査や鑑識を行った結果、後頭部に腫れはあるものの自殺の可能性が高いと判断された。
 同じ頃、検査のためチョコザイと舞子がタクシーにて移動していると、横断歩道の途中で、苦しそうにしゃがみ込む女性・水瀬咲絵(寺島咲)に遭遇。慌てて舞子が駆け寄ると、咲絵は鞄から電子チューナーを取り出し、自分の耳に当て何かを聞き始めた。その時、チョコザイが「440ヘルツ、Aです」と呟く。舞子には何の事だか見当がつかなかったが、咲絵はチョコザイの一言に驚きを隠せない様子。事情を聴くと、咲絵には絶対音感があり周波数までわかってしまうため、睡眠時以外は不協和音で体調を壊してしまうという。
 舞子がチョコザイをともなって咲絵を自宅アパートまで送っていくと、沢たちが捜査をしていた。亡くなった長岡の部屋の左隣が咲絵の部屋だったのだ。長岡の右隣に住む東(石田卓也)に事情を聴き捜査を進めるが、事件性がないことから自殺だと断定。納得のいかない舞子は、科捜研の渥見 (田中哲司)を訪ね、長岡の部屋の中に残っていた正体不明の指紋を見つけたと聞き…。
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金環食

2012-05-21 22:20:18 | 気象
 今日は金環食でした
 「ね」が赤字で太字ということに気がつき、私が何か特殊な感情を持っていることを想像した方は鋭いです。
 そう、福井は金環食ではなく、部分食でした。と言っても、9割以上月に隠れるので、輪っかになるかならないかの「ちょっとした違い」です。ええ、ちょっとした違い、ちょっとした違い、ちょっとした違い、ちょっとした違い………。
 今回は、南ほど天気が悪い予報が出ていたので、「金環食なんて、雲に隠れてしまえ~」なんて思いませんよ(笑)

 でも、9割は隠れる日食なので、夕方のように暗くなりました。天気は良かったので青空が広がり、太陽も輝いて見えたのに、暗いんです。脳は「天気が良い日中」と認識しているのに、視界は暗い。そのギャップに脳がついていかず、目がおかしくなったような錯覚に陥りました。

 かなり不思議な感覚でした。
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『平清盛』 第20話「前夜の決断」

2012-05-21 17:44:22 | ドラマ・映画
 今回が一番面白かった。実は、ある事情で、『平清盛』の記事はやめようと思っていたのですが、それを踏み止まらせるくらいの出来でした。

 清盛(松山ケンイチ)、忠正(豊原功補)、池禅尼(和久井映見)、頼盛(西島隆弘)、後白河天皇(松田翔太)、信西(阿部サダヲ)、崇徳上皇(井浦新)、頼長(山本耕史)、義朝(玉木宏)、為義(小日向文世)、通清(金田明夫)、正清(趙和)、時子(深田恭子)、由良(田中麗奈)、常盤(武井咲)らが、それぞれの思い、思惑で決意をする、そんな様がよく描かれていた。
 特に、清盛と後白河天皇が対峙するシーンは見ごたえがあった。


 天皇(後白河天皇)方と上皇(崇徳院)方へと分かれていくなか、平氏はどちらに組するかを明らかにしない。態度を保留することで、戦の行方を大きく左右する平氏の価値を高めるのが狙いで、前回の崇徳院に刀を突きつけたことから分かるように、この時点では既に清盛の腹は決まっていたはず。腹心たちも、この事実(鳥羽院への忠義の署名や警護に当たったこと)は知っていたはずで、今週の一族の話し合いは、ピント外れのように思う。

★後白河帝と崇徳院、どちらに付くか?
①義理(筋)、正義
 平氏としては、鳥羽院に使えてきたことを考えると、後白河帝に付くのが筋である。また、現天皇に仕えるのは大義名分が成り立つ。平氏一族の考えもこの考えが大勢を占めていたよう。
 ただ、皇位継承の順当さを考えると、崇徳院という考え方もできる。
 
②どちらが優勢か
 現実的には、これが一番肝心かもしれない。実際、荒れ武者・源為朝(橋本さとし)が崇徳院方に参戦すると聞き、意気消沈気味の平氏一門。
 しかし、実際問題では、最大武力を保有する平氏一門が加勢した方が有利なのは間違いない。

③どちらが勝ったほうが都合が良いか
 この都合というのが微妙で、恩賞が大きいかが一番分かりやすい基準。
 そして、清盛が重視したのは、長年の念願であった武士の世が来るか、武士が力を発揮できる世が来るか?ひとつの観点としては、御し易い人物かどうか?
 後白河帝の場合、本人も信西も一癖もふた癖もある人物、美福門院もいる。崇徳院方は、頼長は切れ者だが、崇徳院は御しやすそう。
 もうひとつの観点は、どちらが武士を登用してくれるか?これは、普通に考えると貴族が実験を握る世の中では、進んで武士を登用してくれるとは思いがたい。だからこそ、清盛は態度を保留して、平氏の価値を高めようとした。
 可能性を考えると、貴族政治第一主義の頼長よりは、後白河帝のほうが可能性が高いと考えられたが、清盛と後白河帝の密談の際、後白河帝は「そち(清盛)の思うとおりにはならぬ。朝廷の番犬として死んでいくのじゃ」と言い切られてしまう。

④仕えるに値する人物か
 これは、③の範疇に含めてもいいのかもしれないが、清盛はこれを重視したように感じたので、敢えて④として別扱いにした。
 まず、平氏の価値を吊り上げようとした腹の中を見透かされたことに清盛は後白河帝の鋭さを評価した。
 しかし、「ずっと番犬」と言い切られては崇徳院に組みするしかないが、後白河帝の言葉は、平氏に力を与えると危険と見て、つまり平氏(武士)の力を認めての言葉だと解釈、さらに、後白河帝の言葉通りに捉えず、「権力を取れるものなら取ってみろ」という挑戦だと考えた。
 後白河帝の器の大きさを認め、そこに、武士の世の可能性を見出したのだろう。穿った見方をすれば、後白河帝に惹かれ、面白いと感じたのかもしれない


 とは言え、「番犬として死んでいけ」と言い放つ後白河帝に組みするのは、かなりの博打で、頼盛が不満や不安を感じるのはもっともなことかもしれない。

★清盛が博打に乗ったわけだが、博打を仕掛けた後白河帝の方が、もっとリスクを背負った博打だったはず
 清盛の腹(値を吊り上げる)を見透かしていた上、鳥羽院崩御の際に、崇徳院に刀を突きつけた事実を考えると、清盛が自分に味方するつもりであることは推し測れていたと思える。
 なので、なにも「番犬宣言」するのは、非常に危険な一手だ。言葉通りに清盛が受け取って、「あ、そう。じゃあ、崇徳院に付くよ」と言っちゃう可能性が大きく、危険を通り越して「大悪手」であろう。何しろ、放っておいても、自陣営についてくれそうだった(しかも、その考えを見抜いていた)。
 よほど博打が好きなのか?脚本家さんがどんでん返しが好きなせいなのか?

 とは言え、この二人の対峙シーンは見ごたえがあった。

★忠正の決断
 忠正は清盛を認めていた。今回の行為や決断を「兄・忠盛も同じことをしたであろう」と。
 しかし、万が一、後白河帝側が敗れて平氏一門が全滅になってしまうことを危惧した池禅尼の意を汲んでの決断であった。
 しかも、「平氏は一蓮托生」という清盛の思いを考え、頼盛に「わしとお前の間には、はなっから絆などないわ」の言を託す。
 私は確信できなかったけれど、清盛は叔父の真意を汲み取ったんですよね。涙したのは、叔父の気持ちが分かったからなのでしょうね?
 一番嫌われていた叔父と清盛、袂を分かって戦うことになったが、一番強い絆で結ばれていた……

 また、頼盛が崇徳院側に付くことを察知し、留める。
 これは、清盛側(後白河帝側)が勝つことを予見し、若い命を散らしてはいけないという思いと、頼盛の死は池禅尼が悲しむという思いからだったのだろう(忠正は池禅尼を好きだったんだよね)。
 そして、兄弟が戦うというのは絶対避けたかったのだろう。

 この忠正の思い、頼盛も理解したのかな。(忠正の言を伝える頼盛の表情はそういう風に感じた)

★何を賭して戦うのか?
伊藤忠清(藤本隆宏)の侍大将としての言葉
「戦は博打ではござりませぬ。戦は常に、生きるか死ぬか。
 今この時を戦うことに一心に打ち込まぬ者は命を落とす」

 先日、「(後白河帝か崇徳院か)どちらでも良い故、早う戦わせて下さりませ」といった男の言葉とは思えぬまじめな言である。
 これに対し、清盛
「皆に尋ねるが、
 此度の戦は、何が為に戦うのか?
 帝と上皇に成り代わり、関白と悪左府の名代として武士同士が戦うのだ。
 これに命をとして戦えるのか?」
「武士の世はもうそこまで来ている。
 我ら平氏は、そのために戦う」


 確かに、あんなやつらの為に命を懸けて戦うのは阿呆らしい。


【その他の感想】
・鬼若(後の弁慶・青木崇高)は、人間的に軽すぎるように思える



次回は、いよいよ、保元の乱。



【ストーリー】(番組サイトより)
 1156年(保元元年)7月2日、鳥羽法皇(三上博史)が崩御した。あわただしく人が行きかう鳥羽院御所の門前には西行(藤木直人)の姿もあった。手をあわせる西行に平清盛(松山ケンイチ)は戦になると告げる。
 失脚の憂き目にあった左大臣・藤原頼長(山本耕史)は崇徳上皇(井浦新)に接近。頼長は自分と組むことでいずれ天下の権を奪い返すこともできると崇徳上皇を説得した。しかし、その動きを察知した信西(阿部サダヲ)は、二人に謀反の疑いをかけ、武士たちに帝(みかど)をお守りせよと発令。後白河天皇(松田翔太)と崇徳上皇の雌雄を決する戦が始まろうとしていた。
 諸国の武士が京に集結し、天皇方と上皇方へと分かれていくなか、清盛の館に平氏一門が集まるが、どちらにつくか意見がまとまらない。清盛は、武士の世を作るため、双方を待たせて戦の後の恩賞をつり上げるという方針を決定した。弟の頼盛(西島隆弘)は清盛の決定に不安をかくせなかった。
 7月8日(戦の2日前)、京は日増しに騒然としていた。天皇、上皇それぞれのもとへゆかりの武士たちが諸国からも召し出されていた。鎮西にいた荒れ武者・源為朝(橋本さとし)もその一人だった。圧倒的な存在感を放ちながら京の町を進む為朝の姿を鬼若(青木崇高)が見つめていた。
 清盛の作戦が功を奏したか、上皇方の藤原頼長や、天皇方の藤原成親(吉沢悠)・信頼(塚地武雅)らは清盛の動向に目が離せず、いらだち始めていた。
 そのころ、源義朝(玉木宏)は、父・為義(小日向文世)と決裂、後白河側につくことを決断。親子で戦うことの是非を問う鎌田通清(金田明夫)に、為義はしかたないと答え、義朝の乳兄弟である鎌田正清(趙和)には義朝側につく自由をあたえた。しかし正清は動かない。
 そんな中、後白河天皇は清盛を自邸に招き、二人だけの密談を始めた。後白河天皇は清盛の策略を見透かし、たとえ恩賞をつり上げても戦勝後に清盛の思いどおりになどならないと告げ、サイコロで即座の決断を迫った。清盛はこの戦いにも後白河天皇にも勝ってみせると言い返した。
 7月9日(戦の前日)、為義の前では為朝が存分に働いてみせると豪語する。それを為義は頼もしそうに見つめていた。一方、平氏一門にも頼もしい加勢があった。伊藤忠清(藤本隆宏)が豪勇で知られる弟・忠直(土平ドンペイ)を連れてきたのだ。しかし一門の顔は晴れない。評判の高い為朝が上皇方についたこと、そして清盛はそれとは反対に天皇方につくと決めたからである。清盛は後白河天皇が自分の志や武士の力を見抜いていたことを挙げ、平氏の今後を賭けることを決めたのだった。疑問を残しつつも棟りょうの言葉に従う一門だったが、頼盛はある決意を固めていた。
 京の町が殺伐としてくると、義朝は正妻・由良(田中麗奈)と鬼武者(のちの頼朝)が避難している別宅に、側室の常盤(武井咲)と子どもたちを連れて行く。由良はいやな顔ひとつせず常盤を迎えた。一方、清盛は時子(深田恭子)や子どもたちを故・藤原家成の娘、経子の元に預けた。そこで、後に夫婦となる長男・重盛と経子が出会う。そのころ、頼盛は腹心の家臣を集め、自分は清盛とたもとを分かち、上皇方につくと明かす。母・池禅尼(和久井映見)は頼盛をいさめるが、頼盛は自分は兄・家盛のようになりたくないと反発する。
 7月10日(戦の当日)、後白河天皇は高松殿、崇徳上皇は白河北殿に本陣を置き、まもなく始まる戦に備えた。清盛とともに出立する重盛・基盛に、時子は母として声をかけるとともに清盛に新たな子が宿ったことを告げる。一方、義朝も由良と常盤のもとで出立の準備をすすめる。常盤は親兄弟と戦うことの是非を改めて問い、由良は存分に働くようにと声をかける。
 為義たちは崇徳上皇方の白河北殿で警備を固めていた。そこで鎌田通清は、息子の正清に好きなようにするがよいと話し、正清は後白河天皇方の義朝のもとへ向かうことを決断した。
 六波羅の館で清盛は一門を集め、出陣を命じた。頼盛は秘めた思いを胸に別行動を起こそうとしていたが、頼盛の裏切りを見抜いていた叔父・忠正(豊原功補)は、頼盛の裏切りを認めようとしない。やがて清盛の軍勢に頼盛軍が合流するが、一緒に来るはずの忠正が来なかった。忠正は、頼盛の代わりに崇徳上皇方についたのだった。平氏の絆を重んじる清盛は、忠正を連れ戻そうとするが家臣に止められる。そんな清盛に頼盛は忠正の伝言をつたえる。「お前とわしとの間に絆などはなっからないわ!」と。
 そして清盛は300騎をつれて高松殿に参陣し、それを義朝が迎えた。清盛と義朝は身内と敵対する痛みをかかえながら「保元の乱」と呼ばれる戦を戦うこととなった。
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『カエルの王女さま』 第6話

2012-05-18 15:54:45 | ドラマ・映画
テーマはメッセージソング
 青春ドラマで、生徒から総スカンに合い、寂しく電車に乗ろうとした瞬間、プラットホームに生徒達が駆け込んできて、「いかないでくれ、先生!」と叫び、大団円を迎える………『飛び出せ!青春』『われら青春!』を彷彿させるストーリー、ベタの王道だった。ちなみにプラットホーム云々は『われら青春!』の第1回だったと思う。
 『飛び出せ!青春』は村野武範主演、ヒロインに酒井和歌子、主題歌『太陽がくれた季節』。『われら青春!』は中村雅俊主演、ヒロイン島田陽子(揚子)、主題歌『帰らざる日のために』挿入歌『ふれあい』。両作に『俺は男だ』(主演・森田健作、ヒロイン・早瀬久美、主題歌・『さらば涙と言おう』)に加えた日本テレビ青春ドラマ3連作は思い出深い。ちなみに私は村野さんと早瀬さんが好き。
 『飛び出せ!青春』と『われら青春!』は同じ高校が舞台で、中村雅俊演じる沖田俊
は村野武範が演じた河野武の後輩という設定で繋がりが強い。しかし、視聴率は対照的で、『飛び出せ!青春』は最初低調だったが徐々に人気が高まり大河ドラマをしのぐほどになったが(放送枠が日曜8時だった)、『われら青春』は低調で、半年ほどで打ち切りとなった。

 って、全然、『カエルの王女さま』 について書いてない……
 ……う~ん、このベタな筋にもっていくため、不自然な展開(気持ちや行為)になってしまった感が強いので、筆が進まない。

★澪(天海祐希)の行動に違和感
 市長(岸部一徳)によって、ブロードウェイスターでなかったこと、6年前にたった1回代役として演じただけだったということを暴露され、さらに、「三流のシンガーでど素人同然だった」というエージェントの評価を伝えられた。(エージェントの評価は市長の意訳や歪曲が含まれている可能性もある)
 澪は、市長の暴露を否定はしないと言い、シャンソンズの指導も舞台復帰のために利用するという打算によるものだったと告白。

やや間があって、ため息……【間①】

「バレて、清々した」
「私には 音楽堂がなくなろうが、この町が消えようが 関係ないし」
 ≪騙しておいて無責任な≫という責めに
「騙す?…でも、私は自分の責任は、果たしてきた。
 じゃあ、あなたたちは、私が…」

と続きを言いかけて、メンバーの顔を見渡すと、刺すような疑惑や怒りの冷たい視線……【間②】

「シャンソンズなんてさ…そこらで鳴いてるカエルと一緒。
 どんなに頑張ったってカエルはカエル。
 カエルの合唱団には、そこのお堅いリーダーがお似合い」

 忠子(石田ゆり子)がビンタ一発、「出て行って下さい!」

 ひとり、部屋でブロードウェイステージでの靴を眺め考え、町を去ることを決心する。


 正直に事実や打算を認めたのは澪らしい。
 【間①】のあと、抱えていた後ろめたさがなくなり、開き直って、やるべきことはやってきたことを主張しようとしたのも、澪らしい。
 しかし、皆の冷たい視線に、【間②】のあと、捨て台詞適な言葉を吐いてしまうのには、強い違和感を感じた。
 
 「自分は責任(指導)はしっかり果たしてきて、メンバーもその指導についてきた。メンバー達が歌うのに、自分(澪)の実績などまったく関係ないはず。自分のために歌うのではないか!」
 と、叱り飛ばすというのが、澪のイメージ。

 さらに、自分の誇り(ブロードウェイで揉まれてきた、つねにトップを目指してきた)を否定されたような気になって、すごすごと町を去ろうとする負け犬の姿は、澪には似合わない。
 ブロードウェイで代役とはいえ、一度でもステージに立ったことはすごいことだし、ずっとステージに立つことを目指してがんばってきたことを、胸を張って誇れば良いと思う。


★メンバーの反応にも違和感
 メンバーも騙されていたという怒りやショックもあるだろうが、澪の指導によってショークワイアの素晴らしさも分かり、実力もアップしてきている。澪の過去の実績など関係なく、澪を認め、積極的に支持するものがいても良いと思う。中学生や高校生じゃないんだから。

 澪のメッセージソングにメンバーが「澪と一緒に歌いたい」と心を動かされ、
 メンバーのメッセージソングで澪が「町に残ろう」と思う。


 この筋書きに強引に乗せてしまった感が強い。


 それにしても、『何度でも』(DREAMS COME TRUE)を、いつ練習したのだろうか?

『何度でも』(DREAMS COME TRUE)について
 この『何度でも』は、とても好きな曲。
 ただ、合唱には向いていないような気がする。
 コンサートでも、会場中で「何度でも、何度でも、何度でも、立ち上がり呼ぶよ~」と大合唱になるようだ。そうなる気持ちは非常によく分かるが、私の独善的好みだと思うが、ここはソロのほうが心に響く。


【その他の感想】
・皆川玉子(菊地美香)にようやくスポットが当たったが、ほんのおまけ的エピソードだった
哲郎(小泉孝太郎)は最低だね



【ストーリー】(番組サイトより)
 澪(天海祐希)のもとに、ニューヨーク時代のエージェントから家賃立て替え分の請求書が届いた。香奈絵(久野綾希子)からもらっているシャンソンズのコーチ料だけで生活をしていた澪は、金に困り、昼食代もままならない状況に追い込まれてしまう。

 哲郎(小泉孝太郎)に頼まれて、澪の過去を探っていた玲奈(片瀬那奈)は、澪の部屋でエージェントからの解雇通知書を発見する。しかし玲奈は、それを哲郎に渡すべきかどうか悩んでいた。

 一方、忠子(石田ゆり子)は、みぞれ(大島蓉子)、玉子(菊地美香)らとともに、音楽堂の取り壊しに反対する署名運動を始める。まひる(大島優子)も、南(福原美穂)、忍(千葉雄大)、一希(玉山鉄二)と商店街を一軒一軒回って署名を集めていた。だが、思ったように署名は集まらず、目標の1000人分には程遠い状況だった。そんな彼女たちのもとにやってきた澪は、もっと人目を引くやり方でなければダメ、と言って歌いだした。それに合わせて、歌い出すシャンソンズのメンバーたち。すると、急にそこに、人々が集まり始め…。

 署名活動の件は、すぐに市長の清忠(岸部一徳)の耳にも入った。いらだつ清忠は、結果を出せ、と哲郎を叱責する。

 パチンコ店で勝負に出た澪は、玉子のアドバイスのおかげで大勝する。澪と別れた後、市役所に立ち寄った玉子は、そこで玲奈と哲郎がもめているのを偶然目撃する。玉子からその話を聞いた忠子は…。

 そんな中、シャンソンズは、新たなテーマとしてメッセージソングに取り組む。署名運動を通じて、自分の思いを人に伝える難しさを痛感した忠子の発案だった。しかし、曲の決定に関してまたもや澪と忠子がぶつかり、お互いに1曲ずつ用意して勝負することになってしまう。

 澪は、玉子とともにパチンコ店通いを続けていた。そこで澪は、玉子が姑や夫との関係に悩んでいることを知る。

 同じころ、情報の収集に失敗した哲郎は、清忠からスパイとして使っていた玲奈との関係を問われる。井坂家から出ていくよう命じられた哲郎は、泥酔し、玲奈のアパートを訪れた。そんな哲郎の姿を見た玲奈は、解雇通知書を彼に渡してしまい…。


【登場人物】
ブロードウェイを目指したが、花開かなかった倉坂澪(天海祐希)
音楽堂を取り壊して県内最大のゴミ処理場を建設を計画する市長・井坂清忠(岸部一徳)
澪の高校時代の恩師で、市民センターの館長である森香奈絵(久野綾希子)
シャンソンズ復活を目指す学級委員タイプの井坂忠子(石田ゆり子)
妻より市長の義父が大事そうな夫・哲郎(小泉孝太郎)
4人の子持ち主婦・馬場みぞれ(大島蓉子)
パチンコに入り浸っているお調子者の専業主婦・皆川玉子(菊地美香)
引っ込み思案で就活も53連敗中の大学生・野々村まひる(大島優子)
美貌の市役所受付嬢・桜井玲奈(片瀬那奈)
キャバクラで働く元レディースのシングルマザー・羽田南(福原美穂)
閉鎖寸前の工場で働いているフェミニンな男性・高垣忍(千葉雄大)
忍の同僚の乾一希(玉山鉄二)…天海さんと共演が多いなあ
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『鍵のかかった部屋』 第5話「鍵のかかっていない部屋」

2012-05-17 17:18:02 | ドラマ・映画
なぜ、予告編での芹沢の変な走りをカットしたんだ~!
 確かに疲労困憊のよろけた走りのシーンはあったが、予告編での犯行現場の家から出て行くときの、明らかにわざとと思われる「乙女走り」がカットされていたのは残念至極!

★密室トリックは………
 家の歪みの為、ソフトハンマーなどで何度も叩かないとドアを完全に閉めることができないという設定は面白かったが、ピッチングマシーンでテニスボールをダクト用の穴を高速で通し連続してドアを叩けば閉めるというトリックはかなり無理がある。
 あちこちで指摘されているように、
・ピッチングマシーンを持ち出すのは目立ちすぎる
・何度も発射してボールをぶつけるのはやはり目立つし、音もするだろう
・ボールの回収も上手くいくのか疑問
・すべての作業を1時間で終えるのは不可能っぽい

 なので、犯人はピッチングマシーンより星飛雄馬を雇うべきだったのだ。彼ならドアに当て跳ね返ってくるボールもまたダクト用の穴を通すコントロールを持っている。ボール回収の手間も要らない。
 そもそも、密室にする必然性があまりない。不具合をチェックしに来ただけなので、締まりにくいドアを閉める必要はない。あの状況だと、閉めたドアを中から開けるのは相当難しい。
 室内で犯行を行った後、ドアを閉めて外に出ることは不可能なので犯行は不可能という理屈は成り立つが、かえって不自然さが残ってしまった。(芹沢が指摘)


 今回の事件の元凶が、歪んでしまった家で、その歪みを利用して密室トリックを完成させるということが、今作の主眼だったのかもしれません。だから、大がかりで困難なトリックに挑んだのでしょう(犯人も言ってましたが)。

★今回の見所は、鴻野刑事(宇梶剛士)に対抗心を燃やし行為が子どもっぽくなる芹沢(佐藤浩市)
 榎本(大野智)が青砥(戸田恵梨香)が呼んだのではなく、鴻野が呼んだと知るや、態度を180度翻したり、「榎本さん」と「さん」付けで呼んだり、勝手に「チーム榎本」を結成したり(「チーム芹沢」じゃないんだね)、もう榎本をマスコット兼エース扱い。
 無理やりのトリックのせいか、その分芹沢に暴れてもらったような気がする。

★歪んでしまった心
「こいつ、ころそう。ころしてやる」
 新築の家が地震で歪み、婚約も解消されてしまった。
 地震が起きなければ、せめて結婚してから地震が起きていれば、手抜き建築でなければ、婚約は解消されなかったかもしれない。
 施工者が不用意な言葉を発しなければ、ピッチングマシーンが近くになかったら、近くに古美門弁護士がいれば、凶行に及ばなかったかもしれない。


「自分でも どうしてあんなことが できたのか。
 何で あんなことしたのかよく 分かりません。
 でも 今となっては…。
 どうでも いいんです。 もう」


 殺人はいけないのは言うまでもないが、犯人・杉崎(新井浩文)が痛々しかった。


「あの ゆがんだ家を見たときに 思ったの
 これは 私たちの未来だ
 きっと 神様が
 私たちにそう警告してるんだって」

婚約者の気持ちは理解できるが、あんまりな仕打ちだと思う。




【ストーリー】(番組サイトより)
 榎本径(大野智)は、新築の家で起こった死亡事件現場にやってきた。その家は、高校教師・杉崎(新井浩文)が建てたものだが、引渡し直後に起こった震度4の地震で大きく歪んでしまった。杉崎は、施工会社に手抜き工事だとクレームをつけ、社長の竹本(田窪一世)が補修工事を請け負うことに。ところが、その下見の最中に竹本が亡くなったという。
 榎本を現場に呼んだのは、青砥純子(戸田恵梨香)でも芹沢豪(佐藤浩市)でもなく、刑事・鴻野(宇梶剛士)だった。榎本の防犯やカギに関する知識や能力を目の当たりにし、協力を要請したのだ。現場には、現在手がけている買収契約に施工会社が関係していた芹沢と、偶然、榎本と行動をともにしていた純子も集まった。
 遺体発見現場のリビングも家同様に大きく歪み、ドアも開閉できない状態だった。窓は施錠されていたため、逃走経路に使えた可能性があるのは廊下側のドアだけだが、このドアを閉めるには室内から一定の場所を何度も強い力で叩く必要があった。
 この部屋は密室だったのか、と尋ねる純子に、榎本は部屋にはもうひとつ開口部があると示唆。それは、リビングの壁に開けられた内径7.5センチのエアコンのダクト用の穴だった。

 榎本、純子、芹沢は杉崎が勤める高校を訪ねた。そして、杉崎が顧問を務める野球部員から話を聞き、事件当日の9時から12時まで練習があり、杉崎も参加していたことがわかる。竹本の死亡推定時刻は10時から11時までだから、杉崎のアリバイは証明された。
 榎本らが高校を出ようとしたとき、体育倉庫からふたりの野球部員が出てきた。様子がおかしかったため倉庫を覗いてみると、室内にはタバコの匂いが充満していた。

 榎本と純子は再び事件現場へやってきた。榎本は、ダクト用の穴を使いドアを閉めることができるかどうかが密室を解く鍵だと言う。そこへ芹沢が入ってきて、近所でランニング中の野球部員たちに会ったと話す。1時間も走るなんて青春だ、と言う芹沢の言葉に何かがひらめいた純子は部屋を飛び出していく。
 そして、追いついた部員たちに、ランニング中、杉崎はどこにいるのかと尋ねるが、部員たちは知らなかった。そこへ、自転車に乗った榎本が到着、部員たちを眺めるとほかにも部員がいたはずだと聞く。ランニングに参加しない部員がいると聞いた榎本は、再び学校へ。
 体育倉庫の扉を開けると、以前目撃したふたりがタバコを吸っていた。榎本は、事件発生時もそこにいたふたりから、事件当日に倉庫からピッチングマシンが無くなっていたという証言を得る。そして、密室は破れた、と言った。

 その後、榎本、純子、芹沢は杉崎と対峙した。警察が事故死だと断定したのに何の用か、といぶかしがる杉崎に、芹沢は自分たちは竹本は殺害され、ボールを使ったトリックで密室が作られたと考えている、と話す。そして、榎本がダクト用の穴とピッチングマシンを使ったトリックを披露した。学校から借りてきたマシンにテニスボールをセットすると、ボールはダクト穴を通り猛スピードでリビングのドアを叩いた。それを繰り返すうち、ドアは完全に閉まった。室内にはボールが溜まるが、それは家の傾斜を利用し下部のダクト穴に集まり、摘出できるよう計算されていた。


 状況証拠を示されても自分には殺害理由がない、と言い張る杉崎に、純子が杉崎の婚約者・飯倉加奈(関めぐみ)から話を聞いた、と切り出した。
 加奈は、杉崎との将来に不安を感じていた。そんな矢先に地震が起こり、新居が歪んでしまう。歪んだ家に自分たちの未来を見た加奈は、結婚を取り止める決意をし杉崎に伝えた。しかし、杉崎はそれが単に家の問題だと思い、家は直るから、と加奈をなだめた。それでも、決心を変えない加奈に杉崎は絶望。怒りの矛先は竹本に向いたのだった――。


 またもや密室事件を解決した、と意気揚々の芹沢は、鴻野に礼を言われさらに上機嫌になり、榎本と純子をチームメイトだと言って飲みに誘う。
 その頃、鴻野は、険しい表情で榎本の写真や掌紋鑑定に関する報告書を読んでいて…。
コメント (2)
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将棋雑感 ~名人戦、棋聖戦、王位戦など~

2012-05-16 21:35:00 | 将棋
★名人戦
 第三局は森内名人が勝ち、森内名人の2勝1敗となった。相変わらず、森内名人は名人戦、特に先手番が強い。まあ、この一局は、羽生二冠が封じ手前後で自爆に等しい指し方をしてしまったことが大きい。しかし、そこからの羽生二冠の頑張りは凄まじく、一分将棋にもつれ込んだ。
 この頑張りは、羽生二冠の名人位への思いによるものかもしれないが、それにもまして、福島のファンを思い、簡単に土俵を割っては申し訳ないという思いによると推測する。
 羽生ファンとしては、逆転できなかったのは残念だが、「羽生二冠に勝つことは、いかに大変か」を知らしめたことは非常に大きかったと考える。しかし、第四局を落とすようなことになると、1勝3敗のうえ、第5局は後手番となり、かなり苦しい状況になってしまう。第四局は、今期名人戦のカギを握る一局である。
 と言っても、第四局を落としたら「第五局の後手番を凌げば、ブレイク数は互角」、第四局に勝利したら「これで五分」と、「第五局が大一番」と言っているに違いない。

★棋聖戦
 一次予選で宮田利七段、阿部健四段、船江四段、森信七段、二次予選で森内名人、内藤九段、決勝トーナメントで佐藤康九段、戸辺六段、佐藤天六段、深浦九段を破ってタイトル戦初登場(段位は当時)。
 昨年度40勝7敗、勝率.851(第1位・歴代2位、勝数第3位、12連勝は5位)。更に昨年度から継続していた連勝は15まで伸ばし、今季成績は7勝2敗(対局数、勝数ランキング1位)と、まさに破竹の勢い。
 正直、ノーマークで、棋風などは殆ど分からない。NHK杯、最強戦を見る限り、攻め合いに強そうだが、早指し棋戦なので何とも言えない。
 直前の最強戦で対戦している(初対局)のは、縁を感じる。ネットなので顔は合わせていないというのも、妙な感覚。
 順当ならば、羽生二冠の防衛は堅いが、伸び盛り、未知数という不気味さもある。

★王位戦
 赤組は、広瀬七段、戸辺六段、渡辺竜王、中村修九段、豊島七段、船江五段と活きのいい若手が揃っており、渡辺竜王もすんなりプレーオフに進めないのではないかと期待?したが、戸辺六段に敗れたものの4勝1敗で再戦なしで、プレーオフ進出。
 白組は、藤井九段、村山五段、高橋九段、丸山九段、日浦八段、牧野四段。赤組と比べると、失礼だがやや勢いが感じられないメンバー。その中で、最も勢いを失っていた藤井九段が4勝1敗でプレーオフ進出(再戦なし)。

 藤井九段は好きだし、羽生×藤井戦の実績(羽生二冠の19勝1敗)を考えると、藤井九段に頑張っていただきたい(非常に小心な羽生ファンである)。名人戦が優勢なら、「渡辺竜王、どんと来い!」と言いたいのだが。
 藤井九段が渡辺竜王相手にどんな将棋を指すか、楽しみ。

★王座戦
 決勝トーナメントも、1回戦がほぼ終了。残る1回戦は森内名人×西尾六段。
 準々決勝の組み合わせは、羽生二冠×広瀬七段、郷田九段×丸山九段、屋敷九段×行方八段、中村太五段×(森内×西尾戦の勝者)。羽生二冠の次の相手は強敵だが、あと3つ勝って、渡辺王座に逆襲して欲しい。

★マイナビ女子オープン
 女流棋界最高峰を争うと言うのは抵抗を感じてしまい、興味がわかなかった。

 上田女王の将棋は、勝ちやすい手を選び、大崩れせず、勝ちが見えると逃さない印象がある。「勝負強い」と言えばいいのだろう。これは一局の将棋だけでなく、タイトル奪取のチャンスをしっかりものにしたことにもつながっている。
 大盤解説で三浦八段の聞き手を務めた時、どんどん三浦八段に指し手を問い詰め、追い詰めた度胸の良さも彼女の強さだと思う。
 「地位が強くする」……自信と相手の恐れという効果と、男性棋士と指す機会も増える……ということもあり、強さを感じるようになった。と言っても、昨期の成績は16勝12敗と物足りない。(今期は5連勝)

 上田女流が女王位を奪取するまでは、トップから数えると8~10番手ぐらいというイメージ。昨期の決勝トーナメントでも、もっとも手強いと思われる里見女流三冠、清水女流六段とは当たっていない。(トーナメントの相手は、長谷川アマ(今期の挑戦者)、鈴木女流初段、矢内女流四段、石橋女流四段)
 甲斐女流とのタイトル戦も、初戦を甲斐女流のポカで勝ちを拾い、それが影響したのか、3連勝で奪取。
 今期も、ついこの間まではアマチュアだった長谷川女流二段が相手。未知数で伸び盛りとは言え、相手に恵まれたと言ってよい。ただ、「最近までアマチュアだった棋士に負けるわけにはいかない」というプレッシャーもあったはず。
 長谷川女流は粗削りで、序盤はやや不利でも、中盤のねじり合いから力を発揮するタイプ。しかし、序盤が雑過ぎで、「銀桂交換の駒損を意に介さない」、「歩切れになりやすい」というのは、上位者には通用しない。
 駒の働きを重視し、馬を作らせたり、駒損も恐れないのは、頼もしいとも言える。

★その他
 菅井五段が9勝1敗でも昇段できなかったのは、厳しい。
 この厳しさは、現システムの問題点が如実に表れた結果でもある。その問題点は……相当、辛口になってしまいそう。データの整理もしないといけない。リクエストがあれば、お書きします。
コメント (10)
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『ATARU』 第5話

2012-05-15 20:53:27 | ドラマ・映画
食い違う目撃証言……見間違ったのか、それとも、どちらかが嘘をついているのか?

 今回は、事件(謎)の構造がシンプルだったので、素直に楽しめた。
 登場人物の門倉教授(遠藤憲一)は清廉潔白で格好良かったし、「あたしが、いつもあなたの左側にいるから」と言って浅尾(岡田義徳)に寄り添い「あたしがあなたの左側になるから」と見つめる桂井まどか(臼田あさ美)にじ~んとした(単純です)。


★半側空間無視
 今回の浅尾の場合、左側が見えない。だから、加害者を見ていなかったと証言した。ただ、大切だと思うものは左側でも」認識できるらしい。(だから、「見えない」のではなく「認識できない」と考えた方がいいようだ)
 この、「大切なものは認識できる」ことが、浅尾の症例を発覚させなかった。ただ、さすがに10年以上も「どんくさい」で見過ごされていたというのは、ちょっと不自然かも。車の運転をしていたとしたら、かなり怖い。
 周囲が気づかない、特に彼女の桂井が気づかなかったのは迂闊かも(医師でもあるし)。
症状を疑うべき点はいくつもあった
・つまづきやすい
・方向音痴
・左側にいた舞子たちを無視
・沢(北村一輝)は目の前の人物を指差すのが癖だが、左寄りに指した時は放置で、右寄りに指差した時は払いのけた
・左半分のご飯を残した、杏仁豆腐は見えた(大切なものは認識できる)

 半側空間無視が判明して、絶望する浅尾に、「それが君の能力だ。そういう症状を持ちながら、助手の仕事をこなしていた」と認め、励ます。かっこいいなあ。
 彼女の桂井も能力者?……「人に無視される(人の視界に入らない)能力」。そう言えば、刑事にも似たような能力者がいたような……



【その他の雑多な感想】
「私の血圧が上がらない程度の言い訳してみてください」
「あぁその、別に大したことでは…」
「140、145、…150を超えました」


いい味出しています。島田久作さん。

・チョコザイ(中居正広)が「BRAIN(脳) HALLUCINATION(幻覚)」と呟いたが、まだ何も分かっていない状況だったはず

・MRの北見(東根作寿英)が舞子(栗山千明)たちを食事(弁当)に誘うのは不自然

・血圧とコレステロールの薬や浅尾と桂井の付き合っているというフェイクは要らないように感じた。ただ、門倉教授がチョコザイがサヴァン症候群と判断した(推測程度)。後々、再登場があるかも

・「真中はどこ?」というチョコザイの言葉から、真相に近づく過程がないのは強引。ドラマの演出的には仕方がないかも。


 「真中はどこ?」と必死に訴えるチョコザイ。よほど、舞子の弟の昇(玉森裕太)の証言が正しかったことを証明したかったのだろう。



【ストーリー】(番組サイトより)
 昇(玉森裕太)が通う帝都医科大学のキャンパス内で、植松教授(小島康志)が階段から転落して死亡した。目撃していたのは、階段を上がっていた精神科助手の浅尾(岡田義徳)と昇だった。
知らせを受けた警視庁の沢(北村一輝)をはじめ野崎(千原せいじ)たちと舞子(栗山千明)が現場の調査にやってきた。現場の状況を確認すると、「先に階段を上がっていた浅尾の左側にいた人影が物陰に消えた」と昇は証言。校内放送で、植松が転落した時に近くにいた人を集めると、新薬説明会のため移動していた門倉教授(遠藤憲一)、精神科講師の桂井まどか(臼田あさ美)、優志製薬の北見(東根作寿英)や実習生たちが集まったが、転落の瞬間に居合わせた浅尾が姿を見せない。その後、研究室に現れた浅尾は、極度の方向音痴で集合場所にたどり着けなかったと詫びる。そして、転落の瞬間「教授は一人だった」と証言。昇と浅尾の証言は食い違っていた。

その後、現場検証を行っていた鑑識の唯(光宗薫)は、「階段の上に落ちていた植松の名札から血液反応が出た」と沢に報告。早速、DNA鑑定へと動き始めた時、病院から逃げ出したチョコザイ(中居正広)が大学に現れた。レポートのために映画を見ていた昇を訪ねた沢は、浅尾が「教授は一人だった」と証言したと話したその時、チョコザイが「BRAIN(脳) HALLUCINATION(幻覚)」呟く。昇の脳が幻覚を見たというのか!?
さらに聞き込みを進めていくと、講師のまどかと浅尾が付き合っていること、まどかの論文が教授会で植松に酷評され准教授になれなかったという証言があり、浅尾がまどかをかばっている可能性が浮上し…。
コメント (4)
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『平清盛』 第19話「鳥羽院の遺言」

2012-05-13 19:54:55 | ドラマ・映画
前回「落胆」と書いたが、今週は「怒り」さえ感じてしまった。

 この脚本家さんは、よほど宮廷のドロドロを書きたいのだろう
 前回、後白河帝誕生(松田翔太)の際、鳥羽院(三上博史)のブレブレの心情、信西(阿部サダヲ)の画策、崇徳院(井浦新)の狂わんばかりの嘆き悲しみ怒りなど表現した(急転直下の結末に釈然としないものを感じた)。
 その決定を受けての混乱、そして、平氏、源氏の決断が今回の主題となるものと思っていた
 確かに、義朝(玉木宏)は弟を斬ってまでの源氏の頭領の座を奪い取り、父や鎌田正清(趙和)とも決別してまで己の進む道(武士の世の中をつくる?)を切り開こうとする。
 清盛は、鳥羽院と崇徳院の仲を取り持とうとするが、結局、信西にそそのかされて、鳥羽院側につくこと決める。
 この決断、信西の「最も守るべきものは何か、守りたいものは何か」よ~く考えて決めろと言われたことが因である。で、ひとりで考え込み、決断。確かに、信西の言だけでなく、義朝の非情な姿、取って付けたような時子(深田恭子)の「優しげな眼で、重盛たちのことを見ておりました。きっとあのお方にも、大切な奥方様やお子がおありでございましょうね」に惑わされた?様子も描かれていましたが、あまりにも軽い独断である。
 ドラマ序盤からずっと言ってきた「面白く生きる」、今回、「血の繋がらない親子だから真の親子になれる」などとほざいていたのは何だったのだろうか?
 人の心は移ろいやすいと言えど、清盛、義清、鳥羽院、璋子、西行、信西、家盛、宗子など、あまりにもブレブレ、急変ぶり。しかし、ドラマなのだから、キャラをもっと固めた方が良いと思う。今は亡き?忠盛(中井貴一)も言っていたではないか、「心の軸」と。特に、主人公・清盛のぐらぐら感は酷い。土壇場で崇徳院に刀を突き付けるくらいなら、仲を取り持つなどしなければいいのに。

 後白河天皇誕生で、平氏一門はほぼ清盛を静観。時子の妹・滋子(成海璃子)登場の際の、新喜劇並のコントを披露しただけ。

 そもそも、前回あれだけ後白河天皇誕生劇を描いたのだから、今週は揺れる平氏、源氏の内幕や心情を掘り下げて欲しかった。
 得子(松雪泰子)の崇徳院への諭し、崇徳院の鳥羽院への温情、そして、清盛の崇徳院に刀を向ける行為。どんでん返しが好きな脚本家。みんな、優しい面を持っているとでも言いたいのだろうか?

 確かに、保元の乱が大きな事変であることは間違いない。なので、その周辺を描きたいのかもしれないが、このドラマは『平清盛』なのである。
 初回からずっと、血のドロドロ、男と女の怨念的情愛を中心に描いている。今回のタイトルも、大河ドラマとしてなら「清盛の決断」とか「守りたいもの」であるべきで、「鳥羽院の遺言」とは意味不明。
 いっそのこと、ドラマのタイトルも『平安朝の滅亡』にしてはどうか。
 

【ストーリー】(番組サイトより)
誰も予想していなかった後白河天皇(松田翔太)が誕生し、朝廷は大騒ぎになる。再び父親である鳥羽院(三上博史)に裏切られた崇徳院(井浦新)の心のうちはいかばかりかと清盛(松山ケンイチ)は不安になる。そんな騒ぎをよそに、清盛の館には時子(深田恭子)の妹・滋子(成海璃子)という美しい娘がやってくる。強い意志をもつその娘を清盛はまぶしく見る。一方、源氏では、義朝(玉木宏)の子・義平(波岡一喜)が、義朝の弟・義賢(阪本浩之)を討ち、棟梁の証しである友切の太刀を奪い返し、義朝に渡す。これにより、為義(小日向文世)と義朝の関係は冷えきっていく。そんな中、後白河天皇即位の宴が開かれて、崇徳院から祝いの歌が届けられるが、その歌には後白河への恨みが込められていた。後白河は烈火のごとく怒りだし、その姿を見た鳥羽院は後白河を即位させたことを後悔する、そして崇徳院との関係を修復したいと願い、その思いを清盛に託す。
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