★名人戦
第三局は森内名人が勝ち、森内名人の2勝1敗となった。相変わらず、森内名人は名人戦、特に先手番が強い。まあ、この一局は、羽生二冠が封じ手前後で自爆に等しい指し方をしてしまったことが大きい。しかし、そこからの羽生二冠の頑張りは凄まじく、一分将棋にもつれ込んだ。
この頑張りは、羽生二冠の名人位への思いによるものかもしれないが、それにもまして、福島のファンを思い、簡単に土俵を割っては申し訳ないという思いによると推測する。
羽生ファンとしては、逆転できなかったのは残念だが、「羽生二冠に勝つことは、いかに大変か」を知らしめたことは非常に大きかったと考える。しかし、第四局を落とすようなことになると、1勝3敗のうえ、第5局は後手番となり、かなり苦しい状況になってしまう。第四局は、今期名人戦のカギを握る一局である。
と言っても、第四局を落としたら「第五局の後手番を凌げば、ブレイク数は互角」、第四局に勝利したら「これで五分」と、「第五局が大一番」と言っているに違いない。
★棋聖戦
一次予選で宮田利七段、阿部健四段、船江四段、森信七段、二次予選で森内名人、内藤九段、決勝トーナメントで佐藤康九段、戸辺六段、佐藤天六段、深浦九段を破ってタイトル戦初登場(段位は当時)。
昨年度40勝7敗、勝率.851(第1位・歴代2位、勝数第3位、12連勝は5位)。更に昨年度から継続していた連勝は15まで伸ばし、今季成績は7勝2敗(対局数、勝数ランキング1位)と、まさに破竹の勢い。
正直、ノーマークで、棋風などは殆ど分からない。NHK杯、最強戦を見る限り、攻め合いに強そうだが、早指し棋戦なので何とも言えない。
直前の最強戦で対戦している(初対局)のは、縁を感じる。ネットなので顔は合わせていないというのも、妙な感覚。
順当ならば、羽生二冠の防衛は堅いが、伸び盛り、未知数という不気味さもある。
★王位戦
赤組は、広瀬七段、戸辺六段、渡辺竜王、中村修九段、豊島七段、船江五段と活きのいい若手が揃っており、渡辺竜王もすんなりプレーオフに進めないのではないかと期待?したが、戸辺六段に敗れたものの4勝1敗で再戦なしで、プレーオフ進出。
白組は、藤井九段、村山五段、高橋九段、丸山九段、日浦八段、牧野四段。赤組と比べると、失礼だがやや勢いが感じられないメンバー。その中で、最も勢いを失っていた藤井九段が4勝1敗でプレーオフ進出(再戦なし)。
藤井九段は好きだし、羽生×藤井戦の実績(羽生二冠の19勝1敗)を考えると、藤井九段に頑張っていただきたい(非常に小心な羽生ファンである)。名人戦が優勢なら、「渡辺竜王、どんと来い!」と言いたいのだが。
藤井九段が渡辺竜王相手にどんな将棋を指すか、楽しみ。
★王座戦
決勝トーナメントも、1回戦がほぼ終了。残る1回戦は森内名人×西尾六段。
準々決勝の組み合わせは、羽生二冠×広瀬七段、郷田九段×丸山九段、屋敷九段×行方八段、中村太五段×(森内×西尾戦の勝者)。羽生二冠の次の相手は強敵だが、あと3つ勝って、渡辺王座に逆襲して欲しい。
★マイナビ女子オープン
女流棋界最高峰を争うと言うのは抵抗を感じてしまい、興味がわかなかった。
上田女王の将棋は、勝ちやすい手を選び、大崩れせず、勝ちが見えると逃さない印象がある。「勝負強い」と言えばいいのだろう。これは一局の将棋だけでなく、タイトル奪取のチャンスをしっかりものにしたことにもつながっている。
大盤解説で三浦八段の聞き手を務めた時、どんどん三浦八段に指し手を問い詰め、追い詰めた度胸の良さも彼女の強さだと思う。
「地位が強くする」……自信と相手の恐れという効果と、男性棋士と指す機会も増える……ということもあり、強さを感じるようになった。と言っても、昨期の成績は16勝12敗と物足りない。(今期は5連勝)
上田女流が女王位を奪取するまでは、トップから数えると8~10番手ぐらいというイメージ。昨期の決勝トーナメントでも、もっとも手強いと思われる里見女流三冠、清水女流六段とは当たっていない。(トーナメントの相手は、長谷川アマ(今期の挑戦者)、鈴木女流初段、矢内女流四段、石橋女流四段)
甲斐女流とのタイトル戦も、初戦を甲斐女流のポカで勝ちを拾い、それが影響したのか、3連勝で奪取。
今期も、ついこの間まではアマチュアだった長谷川女流二段が相手。未知数で伸び盛りとは言え、相手に恵まれたと言ってよい。ただ、「最近までアマチュアだった棋士に負けるわけにはいかない」というプレッシャーもあったはず。
長谷川女流は粗削りで、序盤はやや不利でも、中盤のねじり合いから力を発揮するタイプ。しかし、序盤が雑過ぎで、「銀桂交換の駒損を意に介さない」、「歩切れになりやすい」というのは、上位者には通用しない。
駒の働きを重視し、馬を作らせたり、駒損も恐れないのは、頼もしいとも言える。
★その他
菅井五段が9勝1敗でも昇段できなかったのは、厳しい。
この厳しさは、現システムの問題点が如実に表れた結果でもある。その問題点は……相当、辛口になってしまいそう。データの整理もしないといけない。リクエストがあれば、お書きします。
第三局は森内名人が勝ち、森内名人の2勝1敗となった。相変わらず、森内名人は名人戦、特に先手番が強い。まあ、この一局は、羽生二冠が封じ手前後で自爆に等しい指し方をしてしまったことが大きい。しかし、そこからの羽生二冠の頑張りは凄まじく、一分将棋にもつれ込んだ。
この頑張りは、羽生二冠の名人位への思いによるものかもしれないが、それにもまして、福島のファンを思い、簡単に土俵を割っては申し訳ないという思いによると推測する。
羽生ファンとしては、逆転できなかったのは残念だが、「羽生二冠に勝つことは、いかに大変か」を知らしめたことは非常に大きかったと考える。しかし、第四局を落とすようなことになると、1勝3敗のうえ、第5局は後手番となり、かなり苦しい状況になってしまう。第四局は、今期名人戦のカギを握る一局である。
と言っても、第四局を落としたら「第五局の後手番を凌げば、ブレイク数は互角」、第四局に勝利したら「これで五分」と、「第五局が大一番」と言っているに違いない。
★棋聖戦
一次予選で宮田利七段、阿部健四段、船江四段、森信七段、二次予選で森内名人、内藤九段、決勝トーナメントで佐藤康九段、戸辺六段、佐藤天六段、深浦九段を破ってタイトル戦初登場(段位は当時)。
昨年度40勝7敗、勝率.851(第1位・歴代2位、勝数第3位、12連勝は5位)。更に昨年度から継続していた連勝は15まで伸ばし、今季成績は7勝2敗(対局数、勝数ランキング1位)と、まさに破竹の勢い。
正直、ノーマークで、棋風などは殆ど分からない。NHK杯、最強戦を見る限り、攻め合いに強そうだが、早指し棋戦なので何とも言えない。
直前の最強戦で対戦している(初対局)のは、縁を感じる。ネットなので顔は合わせていないというのも、妙な感覚。
順当ならば、羽生二冠の防衛は堅いが、伸び盛り、未知数という不気味さもある。
★王位戦
赤組は、広瀬七段、戸辺六段、渡辺竜王、中村修九段、豊島七段、船江五段と活きのいい若手が揃っており、渡辺竜王もすんなりプレーオフに進めないのではないかと期待?したが、戸辺六段に敗れたものの4勝1敗で再戦なしで、プレーオフ進出。
白組は、藤井九段、村山五段、高橋九段、丸山九段、日浦八段、牧野四段。赤組と比べると、失礼だがやや勢いが感じられないメンバー。その中で、最も勢いを失っていた藤井九段が4勝1敗でプレーオフ進出(再戦なし)。
藤井九段は好きだし、羽生×藤井戦の実績(羽生二冠の19勝1敗)を考えると、藤井九段に頑張っていただきたい(非常に小心な羽生ファンである)。名人戦が優勢なら、「渡辺竜王、どんと来い!」と言いたいのだが。
藤井九段が渡辺竜王相手にどんな将棋を指すか、楽しみ。
★王座戦
決勝トーナメントも、1回戦がほぼ終了。残る1回戦は森内名人×西尾六段。
準々決勝の組み合わせは、羽生二冠×広瀬七段、郷田九段×丸山九段、屋敷九段×行方八段、中村太五段×(森内×西尾戦の勝者)。羽生二冠の次の相手は強敵だが、あと3つ勝って、渡辺王座に逆襲して欲しい。
★マイナビ女子オープン
女流棋界最高峰を争うと言うのは抵抗を感じてしまい、興味がわかなかった。
上田女王の将棋は、勝ちやすい手を選び、大崩れせず、勝ちが見えると逃さない印象がある。「勝負強い」と言えばいいのだろう。これは一局の将棋だけでなく、タイトル奪取のチャンスをしっかりものにしたことにもつながっている。
大盤解説で三浦八段の聞き手を務めた時、どんどん三浦八段に指し手を問い詰め、追い詰めた度胸の良さも彼女の強さだと思う。
「地位が強くする」……自信と相手の恐れという効果と、男性棋士と指す機会も増える……ということもあり、強さを感じるようになった。と言っても、昨期の成績は16勝12敗と物足りない。(今期は5連勝)
上田女流が女王位を奪取するまでは、トップから数えると8~10番手ぐらいというイメージ。昨期の決勝トーナメントでも、もっとも手強いと思われる里見女流三冠、清水女流六段とは当たっていない。(トーナメントの相手は、長谷川アマ(今期の挑戦者)、鈴木女流初段、矢内女流四段、石橋女流四段)
甲斐女流とのタイトル戦も、初戦を甲斐女流のポカで勝ちを拾い、それが影響したのか、3連勝で奪取。
今期も、ついこの間まではアマチュアだった長谷川女流二段が相手。未知数で伸び盛りとは言え、相手に恵まれたと言ってよい。ただ、「最近までアマチュアだった棋士に負けるわけにはいかない」というプレッシャーもあったはず。
長谷川女流は粗削りで、序盤はやや不利でも、中盤のねじり合いから力を発揮するタイプ。しかし、序盤が雑過ぎで、「銀桂交換の駒損を意に介さない」、「歩切れになりやすい」というのは、上位者には通用しない。
駒の働きを重視し、馬を作らせたり、駒損も恐れないのは、頼もしいとも言える。
★その他
菅井五段が9勝1敗でも昇段できなかったのは、厳しい。
この厳しさは、現システムの問題点が如実に表れた結果でもある。その問題点は……相当、辛口になってしまいそう。データの整理もしないといけない。リクエストがあれば、お書きします。