英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント 準決勝 その1

2023-09-14 18:02:49 | 将棋
2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメントの準決勝は
 西山朋佳女流三段ー上田初美女流四段  今井絢女流1級ー加藤結季愛女流初段 の組み合わせとなった。
 西山-上田戦は順当と言えるが、今井-加藤(結)戦はかなり意外。

 そこで、トーナメントの組み合わせを視る。
 トーナメントを8つのブロックに分けて精査。


【第1ブロック】……西山女流三冠(1位)井道女流二段(62位)、和田はな女流1級(55位)、船戸女流三段(76位)、相川女流初段(74位)石本女流二段(12位)、村田女流二段(64位)、山口(稀)女流1級(57位)、水町女流初段(35位)
(括弧内の数字は、『shogidata.info』女流棋士レーティングランキング2023年9月13日現在)
(棋士名の色は、青太字…ランク1~10位、青…11~25位、赤…55~66位、赤太字…67~78位)

 9棋士のランクの平均は48.44
 弩級の西山三冠の他は石本二段ぐらい。あとは水町初段。他のメンバーは……阿藤快さん曰く「なんだかあ…」。(続く言葉は"今一つ”とかの言いにくい評価)
 ベスト16戦は西山-水町戦。西山女流三冠がベスト8へ。

【第2ブロック】……中村(真)女流三段(14位)、加藤(圭)女流二段(23位)、山口(恵)女流二段(19位)、高浜女流1級(63位)、脇田女流初段(53位)、中倉女流二段(69位)、宮宗女流二段(58位)、鎌田女流2級(56位)、内山女流1級(11位)
 9棋士のランクの平均は40.67
 このブロックは上のゾーンに第2グループ(青字)の中村(真)三段、加藤(圭)二段、山口(恵)二段が集中、下のゾーンには第2グループトップ11位の内山1級がいる。他のメンバーは4名が"なんだかなあ”。脇田初段も昨年度、里見女流五冠を破った後、甲斐、中井、清水、野原を破るなど覚醒したかに思えたが、直近は1勝10敗と振るわず、レーティングも53位と再降下。
 激戦ゾーンは中村三段が勝ち上がったものの、ベスト16戦、中村ー内山戦で敗れ(内山の勝利)、内山女流1級がベスト8へ。
 内山女流1級は、名人リーグで里見女流五冠を破り、香川、石本、中村(真)、塚田、鈴木などを破っており、今後も楽しみ。

【第3ブロック】……山根女流二段(6位)、中村(桃)女流二段(59位)、大城千花アマ(※65位)、塚田女流初段(10位・5月に二段に昇段)、渡辺(弥)女流初段(34位)、和田あき女流初段(37位)、堀女流1級(39位)、上田女流四段(5位)、室谷女流三段(21位)
 ※大城アマはこれまでの実績…○田中2級(当時)、○野原初段、●千葉四段、●中村二段、●鎌田2級を考慮し、暫定レーティング65位とした
 9棋士のランクの平均は30.67
 Aクラス相当が、上田四段、山根二段、塚田初段の3棋士。室谷三段も最近は不振だが地力は十分にある。さらに、ランク30位台も3名と、かなり厳しいブロックである。
 ベスト16戦は山根-上田戦。上田女流四段がベスト8へ。

【第4ブロック】……山田女流四段(52位)、田中女流1級(54位)、長沢女流四段(71位)、頼本女流初段(26位)、北村女流二段(17位)、藤井女流初段(60位)、木村女流1級(16位)、佐々木女流1級(40位)、中澤女流二段(28位)
 9棋士のランクの平均は40.44
 Cクラスは少ないものの、準Aクラスの木村(16位)、北村(17位)がいるもののやや寂しいブロック。このふたりが3回戦で当たり、木村が勝利。
 ベスト16戦は長沢-木村戦。木村女流1級がベスト8へ。
 長沢四段が2勝を上げる健闘。

【第5ブロック】……香川女流四段(9位)、久保女流2級(48位)、今井女流1級(32位)、鈴木女流三段(8位)、渡部女流三段(7位)、小高女流初段(24位)、竹部女流四段(68位)、上川女流二段(72位)、千葉女流四段(22位)
 9棋士のランクの平均は32.22
 Aクラス3人は、第3ブロックと同じだが、この3棋士が上の山にかたまるという鬼ゾーン。しかも、初戦で鈴木三段と渡部三段が激突。この鬼ゾーン、更にもう一人乱入?しており……(後述)
 このAクラス3名の他にも、小高初段、千葉四段もおり、大激戦ブロック!
 ベスト16戦は今井-千葉戦。久保、香川、渡部、千葉をなぎ倒して、今井女流1級がベスト8へ。
 今井女流1級は元奨励会1級で、2023年2月1日に女流1級で女流プロ入りしている。デビュー後7連勝(香川女流四段、岩根女流三段、渡部女流三段、千葉女流四段に対する勝ち星も含まれている)。8戦目は西山女流三冠(女流王座戦 本戦)。この将棋、大激戦となり、西山危うしの局面もあったが、敗れる。

【第6ブロック】……清水女流七段(25位)、藤田女流二段(65位)、岩根女流三段(27位)、矢内女流五段(38位)、本田女流三段(33位)、武富女流初段(30位)、斎田女流五段(78位)、梅津女流2級(47位)、中井女流六段(15位)
 9棋士のランクの平均は39.77
 合計段位32段!ネームバリューは相当高い。 やや実力は下降したとは言え、経験や地力は相当高いが、緩めのブロックと言える。
 ベスト16戦は岩根-中井戦。岩根女流三段がベスト8へ。

【第7ブロック】……貞升女流二段(61位)、榊女流2級(67位)、礒谷(真)女流初段(49位)、島井女流二段(75位)、大島女流初段(18位)、山口(仁)女流2級(66位)、室田女流二段(31位)、長谷川女流二段(45位)
 9棋士のランクの平均は45.78
 ランクの平均値は第1ブロックより良いが、準Aランクの大島初段がいるだけ。一番レベルの低いブロックと言って良いだろう。いや、赤字レベル("何だかなあレベル”)は第1ブロックの方が上で、"乙乙”付け難い……
 ベスト16戦は礒谷-長谷川戦。礒谷女流初段がベスト8へ。

【第8ブロック】……伊奈川女流二段(36位)、加藤(桃)女流三段(3位)、飯野女流初段(73位)、野原女流初段(13位)、石高女流二段(77位)、加藤(結)女流初段(20位)、松下女流1級(29位)、※礒谷祐アマ(※30位)、伊藤女流三段(4位)
 ※礒谷祐アマは2023年9月1日付けで女流2級となっているが、トーナメント中はアマチュア。アマチュア時代の昨年度からの対女流棋士成績は9勝6敗で、対戦相手の顔ぶれを検討して暫定30位とした。
 9棋士のランクの平均は31.67
 加藤三段、伊藤三段が同ブロックに入り、野原女流初段も参入する激戦ブロック。トーナメント中はアマチュアであったが礒谷祐維も面白い存在。ランクの平均も高い。
 加藤、伊藤の両三段が上下に分かれたので、加藤-伊藤がベスト8を掛けた決戦になるかと思ったが、加藤三段は3回戦で野原初段に敗れ、伊藤三段も3回戦で加藤(結)初段に敗れてしまう。(礒谷アマは伊藤三段に敗れた)
 ベスト16戦は野原-加藤(結)戦。加藤(結)女流初段がベスト8へ。

「その2」に続く
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マスコミは「なぜ内閣改造をするのか?改造する必要があるのか?」を問うてほしい

2023-09-13 16:57:00 | 時事
19人の閣僚名簿が発表された。自民党の役員人事も発表された。
《放送法に関する行政文書を巡って「捏造だったら議員辞職する」と言った高市大臣は留任》(なぜか『産経リサーチ&データ』では"残ってほしい大臣”のトップが高市氏だった)
《マイナンバーカードで不手際が多数発生したが、河野大臣も留任》
他にも不満が多々あるが、以前も書いたが、なぜ、内閣を改造するのだろうか?

 いや、理由はいろいろ想像できる
・党内派閥・人脈の調整をして、総理(総裁)の地盤を固める
・内閣改造で支持率アップ
………総理の党内地盤が固まったり、内閣支持率がアップすれば、内閣の行政遂行能力もアップするので
国政に関係ないわけではないが、主目的は総理の自民党における求心力をアップするのが目的で、"より良き国政”を目指しているとは言い難い。。
(そりゃ、内閣改造によってより有能な大臣が起用されるのであれば文句はないが、過去には人選を誤り立て続けに大臣辞職ということも珍しくない)

 ああ、そうだった!
 この記事の主旨は、内閣改造に対する不満ではなく、《マスコミは、まず、「なぜ内閣を改造するのか?」を問うてほしい》のである。
 総理には一般的な大義名分で躱されてしまうとは思うが、まず、問うてほしいのである。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アニメ『AIの遺電子』 第9話「正しい社会」

2023-09-11 17:18:02 | アニメ
第9話 ストーリー(番組サイトより)
テクノロジーへの称賛と嫌悪は、いつの時代もセットでやって来る。AIを駆使して「不健全」なアニメを作る人気クリエイターは、果たして「悪」なのか? AIを拒否して人の指導による公平を目指した小学校は、果たして「善」なのか? 多様性が綱を引く、倫理観の攻防が始まる。


★今回のテーマは、「倫理(道徳)……人間性とは?」
事例1.『闇ブシドー』作者:小山田茄子(なす)
“不動明(デビルマン主人公)風の男”対風紀委員会で対峙、睨み合う決闘シーン、
不動明(=西園寺というらしい)は女生徒(生徒会長)を人質に取っている
「清く、正しく、美しく……そんなもんはロボットだって出来んだよお。
 汚く、嫌らしく、したたかに……目的のためには何でもやる。
 俺は”闇ブシドー(闇武士道)”の人間だからなあ」

で、決闘?は……その後、手強い西園寺に抗するため、ナイフをも取り出してしまう正義(を主張する)風紀委員会。
それでも、西園寺は何とか皆を倒した。

「西園寺は悪い奴なんだけど、時々、いい奴なんだ。それがいいの」(視聴ファンの田口(“子どもの健全な何とかカンとか”という団体)の息子、娘)
「私を盾にすれば楽勝だったのに……西園寺君、あなた…本当はいい人なの?」(西園寺が取った人質の女生徒)
「俺は“闇ブシドー”の人間だぜ。クククッ」

 “闇ブシドー”がどういう組織なのかは不明。武士道なのか?主義なのか?
 この主人公の目的も不明。ただ、暴れたいだけなのか?社会への反抗なのか?……
……この主人公が何をしたいのかはよく分からない。
 《時々、いい奴》の事例も、《人質を盾にしなかった》ことでは説得力に乏しい。

【田口の主張】
この主人公…物は盗む、人は騙す、やりたい放題。
恐ろしいのは、悪事の報いは一切受けないところ。
“道徳に反する行為が、正当化されている”(ことが問題である!)


………《不健全アニメを追放!》と、「青少年健全団体(←仮称)」の田口らが抗議に行くが、栄養不全で作者の小山田が倒れ、須堂新医院へ。
「行儀のいい人間に合わせていると、悪いことはどんどん増えちまう」
「この国の犯罪率はどんどん下降していて、正し…」(田口)
そういうことじゃあねえ……“悪いとされること”が増えていくのさ。いずれ人間でいること自体が悪になる」
「悪の陣地が減っていて、ひとつもなくなった時、残っているのは…もう人間じゃあない。それは、“かつて人間だった何か”だろう」

(↑後半パート:事例2でも同様なテーマ)
 田口がチンピラに絡まれて、それを止めに入る小山田。小山田にまともに向かっては勝てないと思ったチンピラが、刃物を取り出すシーンは、『闇ブシドー』とリンクさせている。
 小山田は負傷するが、警察沙汰にはしないという。そういう“若気の至り”というか、“幼稚な突っ張り”は容認する。『闇ブシドー』を描く信条を体現する小山田だ。
 ……とは言え、『闇ブシドー』同様、制作サイド(原作者?制作監督?脚本家?)の練り込み不足なのか、(少なくとも私には)理解困難な小山田。

 確かに、《やってはいけないこと》がどんどん増えてきている。
 もちろん、犯罪禁止は当然であるし、“パワハラ”、“セクハラ”、“男女差別”など、あってはならないことなのだが、《そこまで厳密にしなければならないの?》と思うことがある。

 テレビのバラエティなども大変だろう。(弄られキャラの芸人をやたらイタブル嗜好は嫌いだが)


事例2.教師:篠原
「子どもの教育は、人間の大切な仕事です。いかに産業AIが発達していると言えど、人が知性がしっかりと現場を指導していくべきかも」(篠原:採用面接にて)
「小学校は子供の自己形成において、重要な時期です。
 産業AIのアルゴリズムは、多感な子供に人間とはズレた完成を与えかねません。
 “人間の 人間による 人間のための教育” それが登校のポリシーです」
(校長)

【学校教育の現状】
・教室にロボットを置くところは少なくない……学習の手助け、けんかの仲裁など
・教育アドバイザーAIのアドバイスに言うがままに生徒と接する教師も多い
・親の主張「この子には、人間味のある人間になってほしい。世界にたった一つの大事な個性を、量産型産業AIになんかには、任せられない」
 (この学校は、授業風景をリアルタイムで保護者が視る(監視)することができる)

 と言う訳で、何だか胡散臭い《人間の 人間による 人間のための教育》を実践するための、無茶苦茶分厚い“マニュアル”を、教頭から渡される篠原だった……

【模擬授業にて】
教室にはいる時「皆さん、おはよう~!」(篠原)
「早いです!ホームルームまであと30秒あります。後から来た生徒がいたら、遅刻したような疎外感を味合わせてしまいます」(指導教師)
「まだ、あいさつしただけです。ホームルームは始めていませんが」(篠原)
「それでもだめです。過去に苦情が来ています」(指導教師)
「そう、定刻プラスマイナス3秒以内で入室しましょう」(校長)
「…とお渡ししたマニュアルにも明記しています。明日までに頭に叩き込んできてください」(教頭)

【運動会にて】
バーチャル組体操 ”代替代替ピラミッド”
 ……生徒たちが思念を形成し(思念を送ったつもり)、それがバーチャル映像によってピラミッドが形成される。
 各保護者には、わが子がピラミッドの頂点に位置する映像が観られる。非常に気分が良い。
……《どこが、運動なのだろう?》

【篠原の述懐】
―――「するな!するな!」のオンパレード
《八方ふさがりの公平
 この公平は本当に人間的なのだろうか?
 この学校は人間的なのだろうか?
 監視の中で、教師は生徒との交流を恐れ、機械的な受け答えに接している。
 問題児には、怒らず、寄り添うこともなく、静かに退場(退学・転校)を申し出る》


【退職する篠原】
書道クラスの生徒に出品を勧め、特選に選ばれた生徒が喜んでいて、それでジュースを振舞ったが、それが問題となり、厳重注意。同僚教師からも阻害されてしまう。
《教師はロボットじゃない!欠点も偏見も持ち合わせた人間なんだ!》


・(ロボットや人口AIを使用しない)“人間による教育”
・均一な教育(指導)で公平な教育
を目指した結果、マニュアルに縛られた《するな!するな!のオンパレード》の非常にロボット的な教育となってしまっている

………前半パートの小山田の言葉、「悪の陣地が減っていて、ひとつもなくなった時、残っているのは…もう人間じゃあない。それは、“かつて人間だった何か”だろう」がダブる


 篠原は、フリースクールで産業ロボット・パーマ君を見かける。
 パーマ君は思った通りに言葉を発し、遥かに人間的に子どもに接していた。
 篠原は、その様子に光(希望)を感じた。



パーマ君が元気そうで何より!


参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

弁護士という職業は……「京都アニメーション放火殺人事件」裁判

2023-09-08 15:13:37 | 時事
 「京アニ放火事件」での弁護や“危険運転致死傷罪”が適用されない判例などを見聞きすると、《弁護士という職業は……》と釈然としない感情を強く持つことが多い。
 
 そんな思いを説明するのに、Yahoo!ニュース「京アニ放火殺人事件「無罪主張」の被告弁護人への批判に巻き起こる“同情論”」は、相応の記事だ。

【弁護士批判意見】
《いくら弁護士の仕事とはいえ 36人も殺しておいて 無罪はないわ》
《京アニの犯人の弁護士ってどんな気持ちで無罪主張してんだろうね 仕事だからって 遺族に向かってよくこんな事言えるよな 何億円貰えるとしてもとても私には出来ない》

【弁護士擁護意見】
《京アニ放火事件の被告弁護人が無罪を主張するのは、「責任能力なしで無罪」以外は死刑しかほぼありえない状況なんで、ある意味当然かと。私は弁護士じゃないのでよくは知りませんが、「こんな事件の犯人を弁護する」なんて罰ゲームとしか思えないですし、「お疲れ様です」しか言葉がない》
《責任能力を争う弁護人の姿勢を批判するコメントがあるのが恐ろしい。責任能力に応じた刑の減免を批判するなら法制度を変えるしかなく、現行法下では弁護人は責務として争わざるを得ない》


 この記事では、
・弁護人がついていなければ、裁判手続をおこなうことすらできない。被告自らで依頼できる『私選弁護人』がいない場合は、裁判所などが選任する『国選弁護人』が着任することになっている
・困窮者でも弁護を受けられるように作られた制度で、国選弁護人は私選弁護人に比べると、非常に安い報酬で弁護を務めていると云われている

さらに、
・日弁連の職務基本規定『弁護士は、被疑者及び被告人の防御権が保障されていることにかんがみ、その権利及び利益を擁護するため、最善の弁護活動に努める』とされており、被告人の利益に反する発言は禁じられている。検察の求刑をそのまま受け入れるような弁護活動をすれば、懲戒処分を受ける可能性もある
 と説明している。


……と言う訳で、どんな極悪(凶悪)の被告でも弁護士は必要であり、弁護士が弁護するのは当然の職務である……ということは理解できる。

 しかし、今回の場合、犯行直後、青葉被告が警察官に取り押さえられた時に、警察官になぜ事件を起こしたか問われ、「パクられた、小説。お前らがパクりまくったからだよ」と青葉被告が言っている
 ところが、弁護士
「青葉被告は、31歳の時、京アニの作品に感動し、小説を書き始めた。事件の1年前、テレビで京アニの作品を見ていた際、自分のアイデアが使われ、盗まれていたと感じるとともに京アニから逃れられないと苦しむことになった。その後、人や物との関わりを絶とうとし、スマートフォンを解約するなどした。事件の4日前にアパートの隣人と騒音のトラブルになった際には『失うものは何もない』と言って翌日、京都に向かった」
「被告にとってこの事件は起こすしかなかった事件で、人生をもてあそぶ闇の人物への対抗手段、反撃だった。被告の責任について判断する前に、被告が何をしたのか知る必要がある。責任能力は複雑なものなので今後の証人尋問で専門家の意見を聞いて被告に責任を問えるのかどうかを議論すべきだ


 そりゃあ青葉被告から「死にたくない。助けてくれ」と願われたら、弁護士を擁護する意見で述べられたように、“責任能力なしで無罪”しか術はないだろう。
 被告が本当に妄想に囚われていたこともあるかもしれないが、取り押さえられた時の言葉からすると、その可能性は低い。
 日弁連の職務基本規定に《被告の権利及び利益を擁護するため、最善の弁護活動に努める》とあるが、事実とかけ離れた理由を作り上げて減刑(無罪)を主張するのが適正とは思えない。


 それに、こういう事件が起きるたびに思うのは、責任能力云々》について―――
弁護士を擁護する意見として
《責任能力を争う弁護人の姿勢を批判するコメントがあるのが恐ろしい。責任能力に応じた刑の減免を批判するなら法制度を変えるしかなく、現行法下では弁護人は責務として争わざるを得ない》
 正論かもしれない。しかし、「弁護人の姿勢を批判するコメントがあるのは“恐ろしい”」と言うことについては、肯定できない。
 命を奪われた人にとっては、責任能力の有無など関係ない。命を奪われたのに、「心神喪失」とか「心神耗弱(こうじゃく)」とかの…よく分からない状態の者に殺されてしまうなんて、たまったモノではない。そして、そんな理由で“無罪”になってしまうのは浮かばれない。到底納得できない。単純に弁護人を糾弾すべきではない事情はわかるが、「恐ろしい」と表現してしまうことには、反感を持ってしまう。

 被告の精神状態を簡単に判断できないが、“責任能力”を法的にではなく、常識的に考えると……実際の犯行は計画的で責任能力はあると思われる。
ウィキペディアの記載―――
7月15日
午前 - 金融機関口座から現金5万7千円を引き出した後、東海道新幹線に乗車。
午後 - 京都市内に到着後、京都アニメーション本社および第2スタジオ近くの路上を歩く。
夜 - 京都市内のホテルに、本名を名乗って宿泊。
7月16日
10時31分から12時34分まで - JR京都駅前のインターネットカフェに滞在、その際に運転免許証を提示。
午後 - JR宇治駅周辺を移動。
夜 - 京都市内のホテルに、本名を名乗って宿泊。
7月17日
午前 - 事件現場から南へ6キロメートルのホームセンターでガソリン携行缶や台車を購入。
午後 - 台車を押して本社・黄檗駅付近を歩く。
夜 - 事件現場から南西へ500メートルの桃山舟泊公園で野宿。
7月18日
10時0分ごろ - 事件現場から西へ500メートルのガソリンスタンドで「発電機に使う」と店員に告げてガソリン40リットルを購入。京都到着から確保まで、常に赤いTシャツに青いジーンズを着用していた。
10時31分ごろ - 路地でガソリン約10リットルを2つのバケツに移し替えて携行缶を遺棄した後に北へ30メートル移動し、6本のむき出しの包丁(内5本は鞄の中)とハンマーを付近に置いた状態で、第1スタジオ正面玄関から侵入してガソリンをまき放火。



 裁判は《真実を明らかにして、無実かどうかや、犯した罪に対しての罰の重さを決める》のではなく、
 《糾弾する検察官と弁護する弁護人が、綱引きをして、その均衡した地点を裁判官が見極める》もので、真実を明らかにするのが目的ではないらしい。
 


 とは言え、裁判で被告の精神状態や責任能力の有無を論議するのではなく、
被告が思い込んだ《京都アニメーションが被告のアイデアを盗んだのかどうか》
《被告が2012年頃の受刑中に書き溜めたアイデアメモ、2016年「京都アニメーション大賞」の応募作、小説家志望の人が集うサイトの投稿作などの検証←現存している可能性は低い?》など、
事件の背景や動機などを明らかにしてほしいものである。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

揺れる週間予報(2023年9月初旬)、台風13号

2023-09-06 14:00:18 | 気象



 1番上の図は、8月31日発表の週間天気予報。
 この時、F気象予報士「週間予報に、久しぶりに雨マークが登場します。とは言っても、まだ少し先なんですよね。しばらくは、まだ晴れて猛烈な暑さが続く見込み、ただ、だんだんと湿った空気の影響を受けやすくなって、木曜日(7日)からは少し雨が降りやすくなりそうなんです。そして、その雨を境に最高気温・32℃、猛暑日の出口も見えてきています」

 ところが、翌日(9月1日)の週間予報(2番目の図)では5日から4日連続で雨マーク
「台風412号が進んできて、あまり発達せず(紀伊半島のかなり南方で)べったい低気圧に変わる予想となってきているが、九州付近に近づく見込み。この低気圧周辺の湿った空気が流れ込むこと、日本海に秋雨前線が再び停滞するようになることから、福井県の週間予報もガラッと傾向が変わってきましたと、悪びれることなく、予報を修正。

 そして、9月4日の予報では、「5日~8日まで4日連続の雨マーク」→「雨マークは6日の1日のみ」。ついでに言うと、4日(月)は福井市はほとんど降らなかったが、越前市付近は2時間で54ミリの土砂降り。5日(昨日)の福井市は降水量は8ミリあったが日照時間も6.4時間と、どちらかというと「晴れ」寄りの天気だった。(予報では「くもり一時雨」(1日発表)、「くもり」(4日発表))

先週金曜日には週間予報では連日雨の予報になっていたのですが、また、雨のマークは取れました。今のところ、雨のマークはあさって(6日)のみ。あさっては、まとまった雨になる可能性はありますが、7日、8日は曇りマークは、降水確率40%、晴れ間が出たりにわか雨があったり、変わりやすい空模様となりそうです」
 F気象予報士は、気象庁が発表する予報に準じて報じていると思われるが、予報の修正(訂正)をサラッと言ってしまう。もう少し悪びれてほしい。

★台風13号


 台風9号、11号は台湾方面に西進した。台風12号は小笠原から北西に進み、紀伊半島沖で熱帯低気圧(発達せず熱帯低気圧になる予報は見事に的中)になった。東北東方を通過した10号を除き、西進傾向にあった台風だが、今回の13号は東進。
 えっ?と思ったが、《日本海の秋雨前線が日本列島を南下》の予測しているので、日本海の高気圧が勢力を強め、前線を南下させ、台風も東方に押しやると見込んでいるのだろう。(西寄りの進路を取るという予報もあるらしい)
 それはともかく、台風の進行速度は見込み違い、4日の予想図よりはかなり南方に位置している。

 これらの予報が正しいとすると、日本海や大陸気団はやや涼しいので、もう少し気温が下がっても良いと思うが(実際、6日正午前後に寒冷前線が通過して、涼しくなった)、6日の週間予報では、最高気温7日…32℃、8日…31℃、9日…33℃、10日~13日…34℃とほぼ猛暑日。
 今後の気温は、台風の進路次第。果たして……
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アニメ『AIの遺電子』 第8話「告白」

2023-09-04 17:33:04 | アニメ
第8話 ストーリー(番組サイトより)
バレンタインデーに愛情を伝える風習は未来も健在だが、人間の不器用さや鈍感さもまた健在だ。すれ違うこともあるけれど、勇気を出して踏み出せば、物語は動き出す。リサ、須堂、サバちゃんの3人も、例外ではなく……。


今回は“リピート”テーマ←違います!
バレンタインデーに纏わるエピソードで、《ヒューマノイドには恋愛感情は不要か?》というテーマだが、それほど“普遍的な問題”ではなく、“個人的な問題”と言ったほうがよい
(バレンタインデー……20世紀の製菓企業が始めたチョコレートの販売促進日)

(本題に入る前に)
隠しテーマ(“お題”と言った方が良いかも)――リピート
①(義理チョコをもらった患者に「本命いるの?」と訊かれて)
「今日来院した人には、みんなあげてます」

②(ホワイトデーに、その患者が”お返しチョコ”を贈呈の際)
「くれた人には、みんな返してるから」
 
③リサ「先生だけに…せ、先生だけにプレゼントと言うか…もう食べてる…」
(チョコレートケーキを食べて、ちょっとむせたような須堂を見て)
「無理して食べなくていいので…」と、リサが心配げに言う
須堂、おもむろに立ち上がり、じっと顔を見て
“うまい・不味い”で言ったら、何でもロボに作らせれば間違いないわけだ
 でも、リサが一生懸命作ったっていうストーリーは、ロボットには作れない。
 そういういろんなモノをまとめて食べるのが、人間の暮らしなんだと思うよ。
 ケーキ、ありがとな」
(リサ、うるうると感動)←やはり、リサは察する能力が低い。須堂は優しげなことを話すが、暗に…
「それで、その……お口に合いました?」
「………“うまい・不味い”で言ったら、何でもロボに作らせれば間違いないわけだ」(とリピート)………ガーン!

★リピートの真意……《更なる追及の質問は受け付けない》《察してくれ!》
 (②は、《バレンタインデーで他の人にもチョコはもらったよ。モテるんだぞ!》というアピール)


“試合に勝って、勝負に負けた”という例えは?……
(須堂のバレンタインデーでの対応に関して)
「“試合に勝って、勝負に負けた”ってやつだね」(三好レオン:愛称”サバちゃん”)
「その例えはよくわからないけれど、負けた気はする」(リサ)
……この例え、よく使われるけれど、よく分からないなあ……試合の勝ち負けに関しては勝ったが、内容としては負けていて、《実質は負け》、《勝った気がしない》ということなのだろうか?


患者:三好レオン(愛称 “サバちゃん”)
「(恋愛感情は)面倒。
 自分で気持ちコントロールできないし、そういうモノに振り回されるのは無駄。
 まして、私はヒューマノイドですから」
(「ヒューマノイドに恋愛は要らないですか?」)
「恋愛して繁殖している人間よりは、必要性ないと思う」


(いつも冷静に分析し、客観的姿勢を保とうとしている須堂だが)
今回の須藤……リサとその友人のレオンの友情(恋愛)ということもあり、かなり踏み込んだ言動
「彼女はキミのこと好きみたいだしなあ
 (彼女の口からは聞いてはいないが)でも、バレバレ。
 ”サバちゃん”とか言うらしいけど、全然、サバサバしていない。
 リサに気づいてもらえないのが辛くて、わざわざうちの病院に来たんだろう。
 それで、きみを困らせて…女々しいったらないねえ」
と、憎まれ口を叩き、リサを怒らせ、
「その意気で、彼女にも一言言ってやれよ。
 傷つけたり、傷ついたり…面倒だけどさ。
 怖がって何いわないのは、もったいないと思うぜ。友達なんだろう」


須堂に背中を押されて、リサも
「私もサバちゃんのこと好きなの。
 サバちゃんの好きとは違うけど、私はそのままの…恋しているサバちゃんが好き!」
「私が“そのまま”じゃなくなったら、好きじゃない(好きじゃなくなる)?」(レオン)
「そんなことないよ。サバちゃんはサバちゃんだから。
 “今のままのサバちゃんが好き”って、ちゃんと伝えたかったんだ


(リサの気持ちをぶつけられた後)
「恋ってのは、たいがいの人間が発症する病気なんですけどねえ。
 医者としちゃあ、極力放置したいってのが本音ですね。お気持ち変わりませんか?」(須堂)
「(涙を浮かべて)先生、わたし…」

 おそらく、施術は思いとどまったのだろう。(直接言葉に出すのも何だけど、もう少し、分かりやすくしてほしいなあ)
 いろいろな面倒(恋愛など悩み)を抱えて生きるのが人間(ヒューマノイドも含む)なのだろう。
 「私はそのままの…恋しているサバちゃんが好き!」
 「“今のままのサバちゃんが好き”って、ちゃんと伝えたかったんだ」
というリサの言葉に尽きる。
 面倒なものを切り捨ててしまったら、人間じゃないよなあ

 
【察しが悪すぎるリサ】
 「“うまい・不味い”で言ったら…」と須堂にリピートさせるなど、リサは“察し”が悪すぎ
 レオンに対しても、「第4話」の“ほのめかし”をスルーするのは仕方がないにしても、レオンに突撃告白を強いたうえに、その告白(片思いは目の前にいる)に対して、「えっ?どこ、どこ?」は酷い…

【義理堅くて完璧主義で気づかいのできる須堂】
・術式完了!
 綿密にプランニングし、それを精密に実行!
・手作りであることを、さり気なく隠す
 絶品の出来の須堂チョコ。チョコレートケーキが不出来だった気づけまいと、とぼける。


参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェイク・バスターズ ”ウイズフェイク”時代をどう生きるか 【追記あり】

2023-09-02 20:14:15 | 時事
『フェイク・バスターズ  ”ウイズフェイク”時代をどう生きるか』
(初回放送日: 2023年8月26日)
生成AIの登場で真偽の見極めが困難な情報が氾濫。世論工作や詐欺事件に発展し、家族の絆が引き裂かれる事態も。“ウィズフェイク”とも言うべき時代をどう生きるのか?

文章・画像・動画・音声まで…、生成AIを使えば誰でも簡単に精巧なフェイクが作れるようになり、偽の商品レビューや災害、さらには世論工作や詐欺事件が横行している。しかしタイパ重視の倍速視聴やフィルターバブル現象で、私たちはフェイク情報や陰謀論に対し加速度的にぜい弱化。そこにつけ込むビジネスも現れ、家族の絆が引き裂かれ、命に関わるケースも起きている。“ウィズフェイク”時代をどう生きるか、専門家と考える。


【出演】
宇野常寛(評論家)
鈴木美穂(認定NPO法人マギーズ東京 共同代表)
平和博(メディア研究者/桜美林大学教授)
西田公昭(社会心理学者/立正大学教授)
山口真一(経済学者/国際大学准教授)

ナレーション 江口拓也(声優) 伊駒ゆりえ(声優)
声の出演 逢坂力(声優) 大井麻利衣(声優) 久嶋志帆(声優)

番組の内容としては
1.《アメリカ国防総省爆発のフェイク画像》や《台風15号による豪雨で静岡県で水害が起きた際の町全体が水没したような画像》などのフェイク画像
・国防総省爆発のフェイク画像によってニューヨーク株式市場のダウ平均株価が一時100ドル以上下落したこと
・フェイクと見破るのは困難で、株価や生活に多大な影響を与えることができる。《処理水放出による海洋汚染の予測シミュレーション》(←実は東日本大震災のあとで津波の広がりを示した画像)で”かの国民”を日本排斥する迷惑行為を扇動した
・生成AIで特別な知識や技術力は必要なしに作成でき、コストパフォーマンスが非常に良い(アクセス数による多大な広告収入も)
・フェイク判別AIを各地で開発中
・簡単に誰でもスマホなどで《フェイクかどうかを判定できるツール・システム》を開発・普及させることが求められる

2.(生成AIなどによるフェイク画像ではないが)ネット社会における落とし穴(←勝手に見出しを付けました)
・「がんに効く○○」のワナ
・陰謀論

 参考として……
 「1.フェイク画像」「2.ネット社会における落とし穴」については、下記の記事が詳しいです。
 (番組が記事を作成してアップしたのか、記事を基に番組を作成したのかは不明)
関連リンク――――
【記事】偽画像から世論工作まで… “AIフェイク”の巧妙な手口と対策の最前線
【記事】真偽判断は極めて困難… “AIフェイク”氾濫の時代を生きる術とは
【記事】フェイク情報はどんな時に拡散する?そもそもフェイク情報とは?
【記事】親が陰謀論を信じ込んでしまった… 苦しむ子どもたち
【記事】「がんに効く○○」のワナ 37歳で命を落とした女性が信じた誤情報


 今回、特に考えさせられたのは「2.ネット社会における落とし穴」
 この記事では、こちら(第2項)について述べていくが、1についても少し。
生成AIで作成されたフェイク画像を振り込め詐欺に悪用
 IT企業の社長に友人からビデオ電話(テレビ電話)があり、「入札で8500万円必要だ。貸してほしい」と。
 顔も声も本人のモノだと思ったので、疑いを持つことなく振り込んだ


 数秒の動画があれば、フェイク動画は容易に作成できるという。
 番組出演者は「こうやってテレビに出演している我々は危ない」と苦笑
 西田教授(社会心理学者)「なりすまし電話詐欺に対しては、テレビ電話を普及させればいいという確信を持っていたが…」


2.ネット社会における落とし穴
陰謀論を信じ込んでしまった母
 コロナ禍でコロナに関する情報をネットで調べるようになった。
 「新型コロナは存在しない」「ワクチンは人口削減のため」とか言うようになった。
 さらに、「地球温暖化はウソ」「あの震災は人工地震」などコロナに関するものだけでなく、“おすすめ動画”で表示される陰謀論を扱った動画を、次から次へと見ていたらしい。
   ↓
 おすすめ動画には、根拠の不確かな民間療法や健康食品も表示されるように……

砂糖玉…様々な心身の不調に効くという佐藤が原料。1ケース14,000円
微生物を培養したエキスが使われているという飲み物、1本5000円
母「風邪予防のサプリを飲んで。こっちは花粉症よ」
娘「科学的に根拠はないでしょう」
母「私はこれだけ勉強しているから、知ってるの。あなたのためなのよ。もっと勉強しなさい」

「ウクライナの戦争は嘘。ロシアの侵攻じゃなくて、ウクライナの自作自演なのよ」
「戦争なんて起こっていない。すべて捏造なの。あなたこそ目を覚ましなさい」


 ………《嘘の情報を勉強して知っていてもなあ》と反論したくなる
 (番組ではもう一例、紹介していた……参照:親が陰謀論を信じ込んでしまった… 苦しむ子どもたち

《レコメンデーションによるフィルターバブル》
 レコメンデーションによるフィルターバブルというと、何のことやらと思ってしまうが……
レコメンデーション…… ECサイトなどが顧客の訪問履歴や購入履歴などのデータに基づき、顧客に自動的に商品やサービスなどをすすめる仕組み。いわゆる“おすすめ動画(情報)”。買い物だけでなく、動画や情報でもこういった機能が使用されているのだろう。
フィルターバブル……アルゴリズムがネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析し学習することで、個々のユーザーにとっては望むと望まざるとにかかわらず見たい情報が優先的に表示され、利用者の観点に合わない情報からは隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立するという情報環境

 レコメンデーション自体は便利な機能だとは思うが、他人にPCを覗かれた場合、自分の趣味や嗜好が知られてしまうのも、善し悪しだ。
 まあ、この程度なら良いのだが、“フィルターバブル”状態は好ましくない。
 記事で取り上げられた母親などは、まさにこの状態。
 自分が関心のある情報に取り囲まれ、その情報が自分が知覚できる情報の大部分になってしまう。
 その上、《テレビで言っている情報は正しい》《ネットで書かれている情報は正しい》と思う傾向が強い世代である。
 《自分は非常に大量の事実(事実でないものも多い)をたくさん知っている》⇒《自分は正しい》という確信・信念が確立される……恐ろしい。


鈴木美穂氏(認定NPO法人「マギーズ東京」共同代表)
「1回踏んでしまうとどんどんその陰謀論の話が出てきてしまって、その話に囲まれてしまったら、信じてしまう気持ちも分からなくないですよね」
「フィルターバブルの中の危険な状態で、それを信じざるを得なくなってしまっている状況があるというのは、本人の責任だけではなくて、社会やネット上の管理体制にも責任がある」

《がんに効く飲料水》……35歳女性、子宮体がんステージ1B
主治医「子宮や卵巣は摘出する必要があるが、治療をすれば根治が見込める」
女性《将来、結婚して子どもが欲しい》と考えていた
 ⇒《手術(摘出)しなくてすむ方法はないか?》とインターネットなどで調べる。
ある“がんセミナー”の情報を聞き、足を運ぶ
ある飲料水を勧められる
「2時間おきに30ミリリットル飲んでください。あらゆる臓器に入って、癌を死滅させてしまう。副作用は全くないんです」
“特別に加工したヨウ素が入っている”飲料水は、会社の未公開株の購入者がもらえる特典
ラインで病気に関する相談もできるという


毎月50,000円を支払う

【それからの日々】
「がんを3ヶ月で治す!…“私の勝利日記”」を毎日書く
1日8回飲料水を飲み、食事内容なども詳細に綴る。
内容を会員限定のライングループにシェア
励ましの言葉や、生活習慣に関するアドバイスが逐次届くようになった
お客様窓口、不安・悩み相談、食事管理、健康機器、がんアドバイザーなどとの閉ざされた空間だけで悩みや相談を共有するようになった

(ラインの一例)
「きのう(5日ぶりくらいに)また出血が見られました(1日におりものシートを2~3回替えるくらいの量)」
「かなり良いですね! 一気に治るかもしれませんね!!
 これ ひょっとしたら ひょっとしちゃいますね
 無事にがん細胞ちゃんが出産されます(にっこりマーク)」
出血は水の効果で、がん細胞が体の外に出ているかの証拠であるかのように説明していた
      がんアドバイザー……タレント活動をしている人物。医療については独学で勉強したと語る

セミナーでは、《病院での手術や抗がん剤治療は命を縮める》と伝えられていた
「病院での治療、考えてみない?」(姉)
「病院の医者なんて信用できない!手術も抗がん剤治療もやらない!いちいち口出ししないで!」

専門医の見解……出血は子宮体がんの患者の多くに見られる症状で、進行するほど出血量は増える。”出血でがん細胞が排出される”というのはあり得ない
飲料水の分析検査……100グラムあたり、感想昆布50グラム相当のヨウ素

………………苦痛の中で37歳でこの世を去る

鈴木美穂氏(認定NPO法人「マギーズ東京」共同代表)
「ああいう人たちは、やさしいし甘いことばをかけてくるんですよね。
 不安を抱いている時って、“絶対大丈夫”、“絶対治るよ”って言ってもらいたいです。
 だけれども、命や医療は不確実性の多いので、本当に誠実な医師は“絶対大丈夫”、“絶対治るよ”とかは言えない。
 “絶対大丈夫”、“絶対治るよ”と優しく言ってくれる方に行きたくなる」

 ラインでの“ガンアドバイザー”の言葉など、軽薄そのものだが、何の疑いも持っていなかったようだ。


この会社の社長らは“国に届けを出さずに株を売り出していた”金融商品取引法違反の疑いで、今年3月に逮捕、起訴された

警視庁によると《昨年4月までの5年間で約80億円集めていた》
社長は2か月で保釈、5月に株購入者たちの前に姿を現し
「金商法(金融商品取引法)違反は形式犯と言われていますけれど、これ、何かと言いますと、駐車違反などと一緒です。
 テレビの報道を信用してしまえば、それが不安や恐怖となり、うちの治療ができない。
 人の命を救う製品であるので、正しい商品、良い商品は世の中に出すべきだって、主張を強くしていきたいかなって思います」


 命を奪う詐欺(資産強奪)をしたというのに、「“駐車違反”と同じ」と公然と言い切り、「命を救う」正義を主張……
 逮捕起訴されたのも、詐欺ではなく金融商品取引法違反に過ぎない……世の中、間違っている

「閉ざされた携帯の中だけのやり取りで、死のうが何しようが、カモにできてお金が取れればそれでいいんだ。
 死んだところで別に、向こう側にしてみれば、痛くもかゆくもない」

……被害者の姉の怒りの言葉が心に残る…………


平 和博氏(メディア研究者)
「メディアに対する信頼が低下してきているが
 しっかりと情報を検証した上で発信している期間はマスメディアぐらいしかない」


 インターネットの即時性・機動性に押され、「テレビの時代は終わった」と言われているが、テレビ(マスメディア)が今こそしっかりしてほしい。


【追記】
フェイク画像・映像による事件や騒動のポイントとして(本文でも述べたが)
山口真一氏(経済学者/国際大学准教授)
「AIによる作業がコストパフォーマンスが良すぎるということがキーポイント。
 技術のハードルが低い割に、ものすごく大きな利益を得ることができる」


 実行する技術や手間が簡単なら、それを行うことのリスクを大きくすることが有効である。
 リスク、つまり、罰金や実刑をとてつもなく大きくすればよい!

陰謀論について
 取材に応じた動画配信者・ひろ氏(30代)
「都市伝説や陰謀系のユーチューブは、“非常にコスパがいい”」

……もともとは食べ歩きなどの動画を投稿していたが、コロナ禍で関心が高まった陰謀論の配信を始めた。
例えば 『人工地震は本当?  数字の46がすべて関わっている 全て人口茶番劇』
 ……地震は何者かが人工的に引き起こしている説
「人工地震て、最近、自分が面白いと思ったのが、数字の46が入っている事件や事故や地震は全て人口ではないか?
 阪神淡路大震災が起きたのは、平成7年1月17日午前5時46分。東日本大震災、2011年3月11日14時46分
 46という数字を見たら、気をつけた方が良い」

 ……これって、大きな事件事故の共通項(この場合、「46」)を拾い上げて、列挙するだけでよい!
 しかし、視聴者の反応は
「すごい洞察力だ。全く気がつかなかった。確かに46ですね」
「大切なことを教えてくださって、ありがとうございます」
「真実は近くにある。みんな目を見開いて」

 陰謀論をテーマにすると、済生会数が伸び、チャンネル登録者数も6万人に増えた。
 視聴者は1再生当たりの広告単価が高いという45歳以上が8割を超え、効率的に収入を得られるようになった。


“本当かウソか分からないものを発信する重みや責任は?”
「そうですね。重み責任というモノを考えると……
 “間違ったことだけは絶対に広げてはいけないな”という気持ちはありつつ、しかしながら、
 “間違っているかもしれない”という気持ちもありながら、発信はしているですが、
 そこも含めて、楽しんでいただくというがすべてというか、エンターテインメントというモノを楽しんで見てほしい」


 結局、発信することに責任を持たない。それっぽくて興味を引くことを発信して、広告収入を得られれば、いいようだ。
 この番組で、陰謀論に嵌ってしまった母を持つ娘の話を見てほしいものである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

gooブログの日々の運営に感謝しなければならないのだろうが……2023年8月31日の不具合について

2023-09-01 10:34:19 | 日記
昨日(8月31日)午後、gooブログにアクセスできなくなった。
「ただいまメンテナンス中云々……」という表示。
(夜になって、ブログは閲覧できるようになったが、記事アップなどの編集ページに入れない。
夜の11時ごろには、それも解消したようだが……)


《メンテナンスの告知って、あったのかな?》
……おそらく、何かの不具合が生じたのだろう。
 だったら、「障害が発生しており、原因等を調べており、復旧に努めている。復旧時刻は不明」とか、はっきり状況を説明すべきだろう。
 それに、メンテナンス中の“gooブログ”ページが開けないのなら、“goo”本体のページで状況を説明すべき。
 昨日の場合は、トップページで「障害が発生している」という説明はあったが、gooブログの「ただいまメンテナンス中云々……」の文面に、“goo”本体にリンクを張ってほしい。



 運営等(障害発生の対応、仕様変更などのバージョンアップ)については、以前から不満を感じている。
 とにかく、状況の説明ない。スタッフブログに書き込んでも返答なし。


 今回の障害については、
スタッフブログ「goo blog、マルシェルにアクセスしづらい事象について」
日頃よりgoo blogおよびマルシェルをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
2023年8月31日15時20分ごろより、goo blogおよびマルシェルにてアクセスしづらい事象が発生しておます。

ご利用のお客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、
現象の解消に努めておりますので、今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。

《2023/8/31 23:13 追記》
本日22時24分ごろに当事象は解消いたしました。

長時間にわたりユーザーの皆様にはご不便をおかけし、大変申し訳ございませんでした。
今後とも、goo blogおよびマルシェルをよろしくお願いいたします


 機能不全中のgooブログのスタッフブログで、説明しても全く意味はない。
 コメント欄にも
「いきなり503エラーでログイン出来なくて・・・乗っ取られたのかと具合が悪くなりました。
gooブログにもっと明確に「今、ログイン出来ない状態です」と表示してください。」
「不具合の時は、違うところでアナウンスしてくれないと、自分の環境が悪いのかと思ってしまう。スタッフブログも見られないので、ツイッターにはもっと早く出してほしかったです。」


 日々、滞りなく運営されていることに感謝している。
 それに、不具合の修正・修復・復旧は大変だと思うが、もう少しユーザーに向き合って欲しい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする