少々ごぶさたしました。本試験も近づいて来て、新しいことと復習と両方が気になってどっちつかず、といういつもの通り(?)の状況になっていますが、あまり時期にこだわらずに、その日その日やる気のするほうに焦らず取り組んでいます。
さて、これまでにも何度か断片的に触れましたが、今日は 『弓』 や 『弓道』 に関する語を集めてみました。他にもまだまだありそうですが、普段馴染みのない訓読みやら頻出の熟字訓やら、「出題ネタ」になりそうなものが結構ありますね。(かっこ内の数字はいつもの通り「漢検 漢字辞典」初版の掲載ページです。)
【檠】 (398)
音 : ケイ
訓 : ゆだめ
「ゆだめ」とは、「曲った弓を両側から引き締めて、ゆがみを直すこと。また、その道具。」の意で、訓読み問題として 25-3 で出題されたばかり。弓とは関係ないですが、熟語 【檠灯(けいとう。燭台にともされたともしび。)】 も「辞典」の見出し語ですから押さえておきましょう。
【弭】 (1277)
音 : ビ ミ
訓 : ゆはず
弓の両端にある弓弦をかけるところ。「ゆみはず」から。先日も書きましたが、【弓弭】 と書いても熟字訓で「ゆはず」。また、【弓筈】 とも書きます。
「やめる/とめる」との意味もあり、その意味での熟語としては 【弭兵(びへい)】 【弭息(びそく)】 など。
【夬】 (165)
音 : カイ ケツ
訓 : ゆがけ
弓を引くときに指を傷つけないために用いる革の手袋。
【決】 から連想される通り「きめる」との意味もあり、【夬夬】 という熟語が「辞典」に小さく出ているのですが、読みが書かれていません。手持ちの辞書で調べたのですが、「漢語林」には「けつけつ」、「大漢和辞典」には「かいかい」と出ていて、結局どちらなのかわかりません。まあ、どちらでも良いということですかね。
【靫】 (553)
音 : サイ サ
訓 : うつぼ ゆぎ
「うつぼ」と「ゆぎ」は、どちらも矢を入れて持ち運ぶ道具のことですが、「うつぼ」と「ゆぎ」とでは形状が異なるとのこと。あとで出てくる「えびら」「やなぐい」も基本的に同義のようです。
また、古代、「ゆぎ」を背負って宮廷を守った武力集団のことを「ゆげい」と言い、 【靫負】 と書きます。「辞典」の索引にある熟字訓。
【箙】 (1333)
音 : フク
訓 : えびら
矢を入れて携帯する武具。同じく「えびら」と読む
なんて漢字もあるようですが、どちらも漢検配当外ですね。
【弋】 (1522)
音 : ヨク
訓 : いぐるみ
矢に糸や網をつけておき、当たると糸や網がからみつくようになっている狩猟道具。いとゆみ。
ずいぶん前に記事にしましたが、【弋】 は 【戈】 【曳】 の3つのどれに「ノ」と「、」があるのかないのかでいつもわからなくなる、私にとって鬼門の漢字の1つです。【遊弋】 【干戈】 【揺曳】 の各熟語を何度復習したことか・・・(泣)。
なお、「いぐるみ」と読む漢字には、「辞典」になく「要覧」のみに記載の訓ですが、
(660)
という字もあります。
【矧】 (788) 準1級配当
音 : シン
訓 : は・ぐ
竹の棒に羽などをつけて矢を作る。
音読みの「シン」が難しいですが、これを用いた熟語は見当たりませんでした。
【箆】 (1357) 準1級配当
音 : ヘイ
訓 : の へら
【箆(の)】 とは、矢の、竹で作られた棒の部分。準1級配当漢字ですが、訓読み問題で 【箆太い】 などと出されるとちょっとあわてる?
【左手】 (538)
熟字訓 : ゆんで
左手は弓を持つ方の手ということで「ゆんで」。「弓手」とも書きます。子供の頃に読んだ江戸川乱歩の少年探偵シリーズの中に、「ゆんでゆんでとすすむべし」という一節があったのを思い出しました。
弓とは関係ありませんが、これに対して 【右手】 は「めて」。ウマの手綱を取るほうの手ということで「馬手」とも書く。 【左手(ゆんで)】 【右手(めて)】 、どちらも「辞典」の索引にある熟字訓。
【胡籙】 (451)
熟字訓 : やなぐい
矢を入れて携行する道具。普通に音で「ころく」とも読む。18-2、20-2、22-2 と出題されている頻出問題。4年たちますから、そろそろまた出るでしょうか。
<5/24 追記>
2つ、追加です。
【鞆】 (1168)
音 : -
訓 : とも
弓を射るとき、弦が手首を打たないように、左腕につける革製の道具。アーチェリーにも同じ用途の道具があり、「アームガード」という名称のようです。そのまんまですね。(汗)
射ったときに弓の弦がこれに振れて鳴る音のことを 【鞆音(ともね)】 。どんな音なんだろう?
本試験国字書き取り問題の定番で、18-1、20-1、22-1、24-1 と頻出中の頻出。「偶数年度の第1回に必ず出る!」ということですね。(笑) ということは、来月に迫った 26-1 でも?
【袰/母衣】 (1417/1378)
訓(熟字訓) : ほろ
昔、よろいの背につけて矢を防いだ布製の袋状のもので、「母」と「衣」を縦に一文字で書いて国字の「ほろ」、横に二文字で書いても熟字訓で「ほろ」。飾りや目印としても用いられたもので、表記に関しては、もともと二文字の熟語だったものを一つにして国字が作られたとのこと。母親が息子のために手作りしていたのでしょうね、きっと。
さて、これまでにも何度か断片的に触れましたが、今日は 『弓』 や 『弓道』 に関する語を集めてみました。他にもまだまだありそうですが、普段馴染みのない訓読みやら頻出の熟字訓やら、「出題ネタ」になりそうなものが結構ありますね。(かっこ内の数字はいつもの通り「漢検 漢字辞典」初版の掲載ページです。)
【檠】 (398)
音 : ケイ
訓 : ゆだめ
「ゆだめ」とは、「曲った弓を両側から引き締めて、ゆがみを直すこと。また、その道具。」の意で、訓読み問題として 25-3 で出題されたばかり。弓とは関係ないですが、熟語 【檠灯(けいとう。燭台にともされたともしび。)】 も「辞典」の見出し語ですから押さえておきましょう。
【弭】 (1277)
音 : ビ ミ
訓 : ゆはず
弓の両端にある弓弦をかけるところ。「ゆみはず」から。先日も書きましたが、【弓弭】 と書いても熟字訓で「ゆはず」。また、【弓筈】 とも書きます。
「やめる/とめる」との意味もあり、その意味での熟語としては 【弭兵(びへい)】 【弭息(びそく)】 など。
【夬】 (165)
音 : カイ ケツ
訓 : ゆがけ
弓を引くときに指を傷つけないために用いる革の手袋。
【決】 から連想される通り「きめる」との意味もあり、【夬夬】 という熟語が「辞典」に小さく出ているのですが、読みが書かれていません。手持ちの辞書で調べたのですが、「漢語林」には「けつけつ」、「大漢和辞典」には「かいかい」と出ていて、結局どちらなのかわかりません。まあ、どちらでも良いということですかね。
【靫】 (553)
音 : サイ サ
訓 : うつぼ ゆぎ
「うつぼ」と「ゆぎ」は、どちらも矢を入れて持ち運ぶ道具のことですが、「うつぼ」と「ゆぎ」とでは形状が異なるとのこと。あとで出てくる「えびら」「やなぐい」も基本的に同義のようです。
また、古代、「ゆぎ」を背負って宮廷を守った武力集団のことを「ゆげい」と言い、 【靫負】 と書きます。「辞典」の索引にある熟字訓。
【箙】 (1333)
音 : フク
訓 : えびら
矢を入れて携帯する武具。同じく「えびら」と読む
なんて漢字もあるようですが、どちらも漢検配当外ですね。
【弋】 (1522)
音 : ヨク
訓 : いぐるみ
矢に糸や網をつけておき、当たると糸や網がからみつくようになっている狩猟道具。いとゆみ。
ずいぶん前に記事にしましたが、【弋】 は 【戈】 【曳】 の3つのどれに「ノ」と「、」があるのかないのかでいつもわからなくなる、私にとって鬼門の漢字の1つです。【遊弋】 【干戈】 【揺曳】 の各熟語を何度復習したことか・・・(泣)。
なお、「いぐるみ」と読む漢字には、「辞典」になく「要覧」のみに記載の訓ですが、
(660)
という字もあります。
【矧】 (788) 準1級配当
音 : シン
訓 : は・ぐ
竹の棒に羽などをつけて矢を作る。
音読みの「シン」が難しいですが、これを用いた熟語は見当たりませんでした。
【箆】 (1357) 準1級配当
音 : ヘイ
訓 : の へら
【箆(の)】 とは、矢の、竹で作られた棒の部分。準1級配当漢字ですが、訓読み問題で 【箆太い】 などと出されるとちょっとあわてる?
【左手】 (538)
熟字訓 : ゆんで
左手は弓を持つ方の手ということで「ゆんで」。「弓手」とも書きます。子供の頃に読んだ江戸川乱歩の少年探偵シリーズの中に、「ゆんでゆんでとすすむべし」という一節があったのを思い出しました。
弓とは関係ありませんが、これに対して 【右手】 は「めて」。ウマの手綱を取るほうの手ということで「馬手」とも書く。 【左手(ゆんで)】 【右手(めて)】 、どちらも「辞典」の索引にある熟字訓。
【胡籙】 (451)
熟字訓 : やなぐい
矢を入れて携行する道具。普通に音で「ころく」とも読む。18-2、20-2、22-2 と出題されている頻出問題。4年たちますから、そろそろまた出るでしょうか。
<5/24 追記>
2つ、追加です。
【鞆】 (1168)
音 : -
訓 : とも
弓を射るとき、弦が手首を打たないように、左腕につける革製の道具。アーチェリーにも同じ用途の道具があり、「アームガード」という名称のようです。そのまんまですね。(汗)
射ったときに弓の弦がこれに振れて鳴る音のことを 【鞆音(ともね)】 。どんな音なんだろう?
本試験国字書き取り問題の定番で、18-1、20-1、22-1、24-1 と頻出中の頻出。「偶数年度の第1回に必ず出る!」ということですね。(笑) ということは、来月に迫った 26-1 でも?
【袰/母衣】 (1417/1378)
訓(熟字訓) : ほろ
昔、よろいの背につけて矢を防いだ布製の袋状のもので、「母」と「衣」を縦に一文字で書いて国字の「ほろ」、横に二文字で書いても熟字訓で「ほろ」。飾りや目印としても用いられたもので、表記に関しては、もともと二文字の熟語だったものを一つにして国字が作られたとのこと。母親が息子のために手作りしていたのでしょうね、きっと。