漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0139

2020-03-17 19:12:23 | 古今和歌集

さつきまつ はなたちばなの かをかげば むかしのひとの そでのかぞする

五月待つ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする

よみ人知らず

 五月を待って咲く花橘の香りをかぐと、昔の人の袖の香りがする。

 「昔の人」は、かつて思いを寄せた異性でしょう。その人が焚いていて袖から漂っていたお香が橘の香りと似ていて、毎年五月になって橘の花が咲くとその人のことが思い出される。その思いは暖かい懐旧か、それとも、今もなお切ない思いでしょうか。



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