三条の右大臣屏風の歌
いたづらに おいにけるかな たかさごの まつやわがよの はてをかたらむ
いたづらに 老いにけるかな 高砂の 松やわが世の はてをかたらむ
三条の右大臣に奉呈した屏風歌
いたずらに歳を取ってしまったものだなあ。高砂の松が私の人生の果てを語ってくれるだろう。
この歌は、続後拾遺和歌集(巻第十五「雑上」 第968番)にも入集しています。「三条の右大臣」は平安時代前期から中期にかけての貴族藤原定方(ふじわら の さだかた)のこと。古今和歌集 0231 を始め十三首が勅撰和歌集に入集している名歌人でもあり、中でも百人一首(第25番)にも採録された次の歌はつとに有名ですね。
なにしおはば あふさかやまの さねかずら ひとにしられで くるよしもがな
名にしおはば 逢坂山の さねかずら 人にしられで くるよしもがな
(後撰和歌集 巻第十一「恋三」 第700番)