漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 199

2023-11-01 05:58:07 | 貫之集

三条の右大臣屏風の歌

いたづらに おいにけるかな たかさごの まつやわがよの はてをかたらむ

いたづらに 老いにけるかな 高砂の 松やわが世の はてをかたらむ

 

三条の右大臣に奉呈した屏風歌

いたずらに歳を取ってしまったものだなあ。高砂の松が私の人生の果てを語ってくれるだろう。

 

 この歌は、続後拾遺和歌集(巻第十五「雑上」 第968番)にも入集しています。「三条の右大臣」は平安時代前期から中期にかけての貴族藤原定方(ふじわら の さだかた)のこと。古今和歌集 0231 を始め十三首が勅撰和歌集に入集している名歌人でもあり、中でも百人一首(第25番)にも採録された次の歌はつとに有名ですね。

 

なにしおはば あふさかやまの さねかずら ひとにしられで くるよしもがな

名にしおはば 逢坂山の さねかずら 人にしられで くるよしもがな

(後撰和歌集 巻第十一「恋三」 第700番)



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