漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 623

2024-12-29 05:27:53 | 貫之集

うつつには あふことかたし たまのをの よるはたえずも ゆめにみえなむ

うつつには 逢ふことかたし 玉の緒の 夜は絶えずも 夢に見えなむ

 

現実にあのひとに逢うことは難しいから、夜はいつも夢に現れてほしい。

 

 「玉の緒」は「絶ゆ」に掛かる枕詞。百人一首第89番 式子内親王の歌がつとに有名ですね。

 

たまのをよ たえなばたえね ながらへば しのぶることの よわりもぞする

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞ

 

 この歌は拾遺和歌集(巻第十三「恋三」 第809番)に入集しています。そちらでは柿本人麻呂が作者とされていますが、拾遺集の記載は誤りと考えられているようです。



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