漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0921

2022-05-08 06:13:27 | 古今和歌集

みやこまで ひびきかよへる からことは なみのをすげて かぜぞひきける

都まで ひびきかよへる からことは 波の緒すげて 風ぞひきける

 

真静法師

 

 都にまでその名が響き渡っているここ唐琴は、弦として張った波を風がはじいて弾いているのであった。

 「唐琴」は地名で、0456 の物名歌にも登場しました。第四句の「すげ」は糸や紐などを穴に差し通して付ける意の他動詞「すぐ」の連用形。「唐琴」という地名からこれを楽器の琴と見なし、そこに波が弦として張られているという見立てですね。
 真静法師(しんせいほふし)の歌が 0453 以来久々の登場。古今集への入集はこの2首です。

 



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