漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 233

2023-12-05 05:21:01 | 貫之集

山田のなかに 小鷹狩りしたるところ

あきのたと よのなかをさへ わがごとく かりにもひとは おもふべらなり

秋の田と 世の中をさへ わがごとく かりにも人は 思ふべらなり

 

山田の中で小鷹狩りをしているところ

秋の田は刈り取りを終え、世の中までも私の人生のごとく仮のもの。人は「狩り」にちなんでそんな風に思うものであるようだ。

 

 「かり」を「狩り」と「仮」の掛詞として使っていることを前面に出した詠歌ですね。こういうのは逆に珍しいように思います。