残り梅 寒の戻りに しるべして
梅士 Baishi
昨日の朝は4℃だったが、今朝は12℃、何があろうと
も、日は高く昇りつつある。
冬の日々の希望であった梅の花は、淡雪のように道を
染めながら、薄紅の花を風に送りつつある。
梅の季節が終わろうとしている。
諸行は無常である。
大津波の被害は甚大であったが、心機一転しなければ
なるまい。
たった一人の第二卒業式をした。
卒業証書授与をし、式辞と送辞を兼ねた話をし、答辞に
代わる決意表明をもらった。
出席の少ない学生だったが、最期まで耐え、戦ったに違
いない。
試練の青春だっただろう。
担任の涙が、みんなの涙を誘った。
卒業というけじめの一節が、しなやかな力を生み出すだ
ろう。
【 福島原子力発電所の震災事故は、それでも安全である 】
福島原発事故は、連日放射能汚染の報道やINES
レベル4から、レベル5に引き上げたなどという危なげな報
道などで、不安が高まっているかもしれない。
しかし、MIT技術者、Dr.Josef Oehmen の緊急レポー
トをたまたま紹介されて目を通した。
結論から言えば、福島原発は、計画されたコントロール
の下にあるということである。
「避難指示などが出されているが、報道は十分な理解も
ないままにいたずらに不安を煽るような報道・言説を流布
するべきではない。福島原発の炉心は、深刻な状況には
あるが、技術者の設計と努力によって、安全にコントロール
されている」というものである。
すなわち、チェルノブイリの原子炉崩壊のような事故に
はなり得ないし、核爆発にもなりえない。
最悪、炉心溶融の事態になっても、第三格納容器に封
じられた状態は確保されており、健康に被害を与える重大
な事態にはならないというのである。
そのレポートはA4版9ページにわたるかなりの長文なの
で紹介できないが、図解つきで十分に納得のゆく科学的
な説明がなされている。
今問題となっている放射線問題は、二次生成物である
セシウムとヨウ素同位体という二次放射性物質であるが、
数秒で核分裂して安全化する微弱なもので、重大な危害
を与える分量ではない。
本体であるウラン燃料(酸化ウラン)は既に制御棒で中
性子放出を止めており、ただ、二次放射性物質による残
留熱をいかに早く冷却するかという問題に直面しているに
すぎない。
いわば、炉心を収めている圧力容器が余熱に晒されて
いる状態だというのである。
そこで、圧力釜の圧力を適正化するために、時々蒸気を
放出するが、その際に、蒸気とともに、二次放射性物質が
紛れ込むという問題が今騒がれていることである。
しかし、その放射性は数秒で消えるHeのようなもので、
人体に健康被害をもたらすレベルのものではない。
水蒸気が放出される間、Heは発散されるがおそれるほ
どのものではないということである。
今後もっと問題となることは、原子力発電が全国で点検
停止されることになるので、そのために失われる15%の
電力生成能力をどう補うのかという問題だという。
もちろん、全国の原子炉は安全性に致命的な問題はな
いという。
原子力発電への安易な不安心理や誤解からこれを廃止
するようなことになるとすれば、エネルギー問題の重大な
コスト上昇と原油やガスに依存する供給不安をもたらすこ
とになる。
日本の原子力発電技術はたいしたものであり、40年前の
原子炉であっても、想定値の5倍を超える負荷にもかかわ
らず、炉心の安全が制御されていることは、称賛に値する
と述べられている。
このレポートは何れ何らかの形で公表されるのであろう
が、原子炉は安全にコントロールされている。
そのことをまず、伝えたい。
防災対策としては、津波にも耐える非常用電源の設置
状況を見直すということであろう。
レポートの結論部分は、回をあらためて、紹介する。
立憲女王国・神聖九州やまとの国
梅士 Baishi