もしも歴史が違っていたら・・・

今日は悪天候のため、外歩きはせずに図書館に籠っていた。
相変わらず、日曜日は、図書館で函館の歴史関係の勉強をすることが多いのだけど、今日は、そんな中で知った「へぇ～」な話を一つ。








写真は、黒船で有名な、かのペリー提督。

注：この写真は昨年１月のもので、ペリーの像は、現在も函館の元町公園前の広場にありますが、像と一緒に写っている人物の紹介板は、現在はここからは撤去されています。

ペリーの来航がきっかけで、１８５４年に締結された「日米和親条約」において、日本は、下田（現在の静岡県）と箱館の二つの港を開港したというのは、日本史の授業でも習う有名な話だけど、実はこの時、ペリーが開港を要求してきたのは、箱館ではなく、松前だったとのこと。
（函館と松前の位置関係は、こちらを参照）

正確には、ペリーが開港を要求してきたのは、松前、浦賀、琉球（若しくは鹿児島）の三箇所だったそうだが、この要求に対して幕府は、「松前と琉球は、遠くて監督に困る上、それぞれ領主がいて、純然たる管理下にない」との理由から、当初は突っぱねる姿勢を見せた。
しかしペリーは「琉球は断念しても、松前は、直接行って領主に直談判する」と強く主張し、やむなく幕府は、「松前藩」として大名松前氏の統治下にあった松前を開港させる代替措置として、箱館を開港させたのだとされている。

このことにより、１８５４年に蝦夷地が松前藩の統治下から幕府の直轄へと移行し、同年、箱館奉行所が設置され、かの箱館戦争を経て新政府による統治下に移行した後、１８６９年には、開拓使の出張所を箱館に開設する布告がなされ、それによって、名称も「函館」と改称され、１８９９年には、札幌、小樽と共に、自治制の「函館区」となり、今日に至る発展の礎が築かれてきたのだけど、と言うことはですよ、もし、１８５４年当時、幕府が、ペリーの要求どおり、松前を開港していたとしたら・・・。
そう、多少の違いは無論あっただろうけど、こうして都市として発展してきたのは、函館ではなく松前だったということになり、そもそも、「函館」も「箱館」のまま、道南の小さな港町として、現在に至っていたであろうことが想像されます。

他にこのことから想像されることとして、例えば北海道の鉄道網も、かつては函館から松前まで「松前線」という路線が走っていたのだけど、松前が道南の拠点として発展していたら、札幌からの特急列車も、函館ではなく松前を結んで走っていた可能性が高く、先日開業した北海道新幹線の駅も、当然、現在の新函館北斗駅の場所などではなく、青函トンネルを抜けて北海道に入った後で松前へ向かっていた、いや、そもそも、津軽海峡を通るトンネルのルート自体が、東北側はともかく、北海道側は、現在の知内町ではなく、松前で出入りする形で計画された可能性すら考えられます。

注：これらのことは、あくまでも個人的に想像しているだけです。別に文献からの引用とかではありません。

他にも想像できることは沢山あるけれど、今自分達がこうして暮らしている函館の街が、こうした経緯があって今に至っているというのは大変興味深いことであり、もしこの歴史がちょっとでも違っていたら・・・、怖くはないけれど、どうなっていただろうというのは凄く気になりますね。