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北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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街道の一角に

2017-10-10 21:38:54 | 渡島・檜山地方
昨日に続き、江差町内で、観光スポットではないけれど、「はこだて検定」で出題されたことがあるなど、町歩き派の方には外せないと思われるスポットを紹介します。





これは何でしょう?
時計塔かな?




ではありませんで、これは気圧を測定する器械です。

これは、1928年に、江差町の名家である船具商の関川家によって町に寄贈された、「アネロイド気圧計」。
「アネロイド」とは、「非液体」という意味のギリシア語「アネロス」に由来する言葉で、気圧の値を、水銀を用いることなく、内部を真空にした薄い金属製の容器が気圧の変化によって膨らんだり凹んだりするのをてこによって指針に伝え、その針の動きで測定する器械です。

何に用いられたかと言うと、ニシン漁全盛の当時、漁師たちが出漁前にこの気圧計を見て、その日の天候を判断していました。
気圧に基づく天候の判断は漁師たちによって大変重要なポイントでしたが、当時気圧計を保有していたのは親方たちぐらいのものであったので、町に寄贈されたこの気圧計は、一般の漁師たちにとっても大変重宝されていました。

文字盤には、日本語で「かんかん照り」「晴れ」「雨」「嵐」の表示があり、現在でも現役として稼働しています。











アネロイド気圧計の横にあるのは、「姥神大神宮」の基となった「姥神社」「折居社」の跡を示す碑。

解説文にある「折居姥」とはニシン漁の守護神とされた存在で、現在の江差町津花町で草庵を営んでいました。
折居姥は天変地異を未然に知らせることから折居様と崇められていましたが、ある日の夜、折居姥は神島(現在のかもめ島)が光っているのを発見し、そこにいた白髪の翁からに瓶を授けられ、「この中の水を海中に注げば、鯡(ニシン)という青魚が群来して必ず里人の生活を支えるであろう。」とのお告げに従ったところ、本当にニシンの大群(「群来(くき)」と呼ばれます)が来て、町人たちを飢えから救ったという伝説が残されています。

※ニシンという魚は、漢字で「鰊」と表記するのが一般的ですが、江差の漁師たちにとっては、「ニシンは魚に非ず。米のようなものだ」とされていたことから、「魚」に「非」ずという「鯡」という表記がされていました。

今回紹介した場所はこちらです。
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