
御茶ノ水駅から徒歩五分ほどの所にある「東京復活大聖堂教会」通称「ニコライ堂」。
函館の「ハリストス正教会」に関連する本を読んでいて、そういえばと思い、宿泊先からも近いこともあって、ちょっと足を運んでみました。

「ニコライ堂」という通称は、函館にもゆかりの深い人物である、日本に正教会の教えをもたらしたロシア人修道司祭、聖ニコライに由来するもの。
と言っても、この建物は、ロシア正教会のものではなく、ニコライが伝道したことで広まった、日本正教会の大聖堂です。
この建物は、ニコライの依頼を受けたロシア人建築家のミハイル・シチュールポフが原設計を、お雇い外国人として来日していたジョサイア・コンドル(東京駅の建築に携わった建築家、辰野金吾の教授としても知られる)が実施設計を担当して、1884年3月に起工した後、1891年2月に竣工し、同年3月8日に成聖式が行われました。
1923年9月1日に発生した関東大震災により、煉瓦造の鐘楼が倒壊して、中央の八角形ドームも破壊されてしまいますが、1927年から1929年にかけて、岡田信一郎という建築家の設計により構造の補強と修復が行われ、1962年6月、「日本ハリストス正教会教団復活大聖堂(ニコライ堂)」の名で、国の重要文化財に指定されています。
現在では、土曜日の夕方6時から「徹夜祷」と言う祈祷が行われ、日曜日朝10時から聖体礼儀が行われています。
なかなかじっくり見て回れるようなスポットではないかもしれないけれど、函館にある施設との関連ということが頭にあったおかげで、大変興味深く感じることができました。