場所は札幌の西区琴似。
通称「琴似本通」と、「旧国道5号」こと「道道宮の沢北1条線」の交差する箇所。
現在は、こうして1階に、北海道のコンビニ「セイコーマート」が入っていますが・・・。
このビルの看板は、未だ昔のまま。
かつて、「セイコーマート」の場所には、「くすみ書房」という書店があったのでした。
昔といっても、2009年(平成21年)までの話なのだけど、ここにあった「くすみ書房」は、規模的には中程度だったものの、地元に根付いた「町の本屋さん」という印象の強いお店で、私も、高校入学と同時に西区に引っ越してきてから、何度となく通ってお世話になったものでした。
ここの書店にまつわるエピソードとして有名なのは、2003年(平成15年)から始められた「なぜだ!?売れない文庫フェア」というフェアで、長年店内に置かれながら、売れるどころか手に取られることすら少なかった良質の文庫本を前面に出すという企画。これは、メディアでも取り上げられ、話題となりました。
その後、地下鉄大谷地駅側に移転しましたが、平成27年(2015年)に惜しまれつつも閉店し、その二年後には、店主でいらっしゃった久住邦晴さんが病気で亡くなられ、再開を待ち望む根強いファンの声に応えることなく現在に至っています。
先日、たまたま前を通りかかったところ、ビルの看板がかつてのままになっていたのを見つけ、「これは懐かしい!」と思って記事にしてみました。