今日は、この時期らしからぬ気温で涼しい札幌。
昨夜は蒸し暑くて寝苦しかったけど、朝になったら一気に涼しくなったので、今夜は、二晩分(?)眠れそう。
予報に反して、雨はパラパラと降る程度だけど、明日はそこそこ降るようなので、おとなしくしてます。
三連休だし、天気が良ければ、町ブラネタのストック増やしをしたかったのだけど、残念ながら、消化のみになってしまいそうです。
ということで、今日のストック消化はこちらを。
札幌市内の割と中心部にあるレンガ造りの建物。
その名のとおり、銭湯・・・でした。
「北海湯」という名前で、富山県出身の「竹矢安太郎」という人物が明治末期に開業し、平成11年(1999年)まで三代に亘って営業していたそうです。
現在は、1階がカフェバー、2階が貸スタジオとして使われているそうですが、それだけならここで紹介しようとは思いません。
どういう建物かというと、
「さっぽろ・ふるさと文化百選」に選定されている由緒ある建物でした。
「さっぽろ・ふるさと文化百選」というのは、以前一度書いたことがあるのだけど(こちら)、昭和63年(1988年)に、札幌市創建120周年を記念し、北国の生活の息吹きと開拓の労苦を伝える身近な文化遺産を再発見し、市民自らの手でこれを守り、後世に伝えていくことを目的として、市内の建物46件、遺跡26件、街並み 19件、用具5件、まつり・行事など4件の計100点を選定したもので、同年11月に選定結果を公表し、翌年には、選定物件の由緒、由来や関係写真などを記した案内板を設置したというものです。
それから30年以上経ち、選定された物件の中には、都心の開発などにより解体・閉鎖されたものもありますが、こうして残されているものは、今後も大切にされていってほしいと思います。
公衆浴場として建てられた建物としては、現存するものでは札幌で最も古い中の一つというこの建物。
当時は大変モダンであったレンガ造りというのも、後世に残したい、伝えたいという点では大きなポイントだったのでしょう。
そしてもう一つ、この建物は「札幌景観資産」にも選定されています。
札幌市が進めている施策で、景観形成上重要な価値があると認められる建築物や工作物、樹木、その他のものについて、所有者の同意を得たうえで、「札幌景観資産」として指定し、地域の良好な景観の形成を推進しているもので、札幌市のHPによると、指定基準としては、
・意匠、様式(樹木にあっては樹容)等が良好な景観を特徴付けているもの
・地域の歴史を物語る象徴的なもの
・市民や観光客から親しまれているもの
・将来のまちづくりに生かされる可能性のあるもの
のどれかに該当することだそうです。
それを踏まえてもう一度見てみると、確かに、建物は札幌市の歴史資産として景観形成上大きな意味を持っていると思いますが、電柱と電線が邪魔ですね。
これまでも、あちらこちらで写真を撮ってきて、何度かそう思ったことがあるけれど、今回が、最も強くそれを思った気がします。
電線の地中化が進んでくれれば、さらに景観もよくなると思います。
最後は、毎回恒例(?)、レンガの積み方に注目。
横一列が、小口を表面にしている段と、長手が表面になっている段とが交互になっている「イギリス積み」の部分もあれば、長手だけが表面に出ている部分もあってと、様々ですね。
(注目するようになったきっかけはこちら)
北海道におけるレンガ製造の歴史の始まりは、先日、白石エリアの記事で触れましたが(こちら)、この建物の建築過程に関すること(関わった人物、建築会社、白石エリアで紹介した鈴木煉瓦製造所との関係の有無)については、調べてみたけれど、これと言った情報は得られませんでした。
当時はレンガ造りの建物は大変モダンで珍しかったとのことなので、その辺をストーリー立てて調べてみるのも面白そうです。
ということで、調べてみたいテーマのストックが、また一つ増えました。