昨日紹介した「山鼻公園」の向かいにある「山鼻小学校」の敷地の一角に、このような碑があります。
現在でも、天皇陛下にお言葉をかけられるということは大変光栄なことなのだと思いますが、天皇が国家元首であった当時においては、現在では想像もつかないほど、畏れ多く、また名誉なことだったのだろうと思います。
注目したいのは、道路を挟んで山鼻公園側に植樹されている、柏の木。
当時、山鼻小学校で休憩された明治天皇は、一本の古木に目を留め、その木の種類は何かと、近くの人に尋ねられたそうですが、このこともまた、先程の「いっそう仕事にはげむように。」とのお言葉と同じくらいの、大事件と言ってもよいレベルの出来事だったそうで、いつしかその古木は、「お声がかりの柏」と呼ばれ、大切にされるようになりました。
その30年後の明治44年(1911年)には、当時の皇太子、後の大正天皇が札幌を訪問された際にも、同じ柏の木を視察され、そのまた11年後の大正11年(1922年)には、またまた当時の皇太子、後の昭和天皇が同様に柏の木を視察されるという出来事があって、そのことから、写真の通りは、「行啓通」と呼ばれるようになりました。
「お声がかりの柏」は、その後も行啓通の車道にはみ出すように存在していましたが、昭和51年(1976年)に、枯れてしまったことから撤去され、現在は、その根から育った二世の木が、山鼻公園内に植えられています。