まだ買っていなかった「弁当屋さんのおもてなし」の「しあわせ宅配篇」。
全4巻を纏め買いしました。
まずは第1巻から。
ユウと千春が夫婦となり、「くま弁」に、配達のアルバイトとして、「久万雪緒(くま・ゆきお)」が加入するところからスタートしているのだけど、新しい主人公と位置付けられているだけあって、当たり前の話なんだけど、どの場面も、雪緒の目線でしっかりと描かれているのが分かり、それだけでも読み応えがあって面白いです。
雪緒が行動している場面はもとより、夫婦となって「くま弁」を切り盛りしているユウと千春の姿も、あくまで雪緒が物語の中心であるという視点がぶれることなく描かれているので、この切り替わりが見事だなと思いました。
作者の喜多みどりさんは、表紙の裏で、「登場人物のリアルで丁寧な心理描写(中略)に定評がある」と紹介されているけれど、この巻を読んでいて、そのことが強く実感させられた気がします。
この第1巻の軸は、冒頭で、雪緒に「くま弁」を薦めた「ミステリアスな美女」として登場する、アイドル「白鳥あまね」こと、常連客黒川の娘である茜の物語。
北海道のローカルアイドルから全国区となり、ドラマや映画、バラエティーなどで活躍するも、大きなトラブルに巻き込まれて、休業を余儀なくされるという展開は読んでいて衝撃で切なくなったけれど、面白いと思ったのが、最後のストーリーで、あまねと事務所の社長が記者会見を開き、世間を騒がせたことを謝罪するシーン。
何故面白いと思ったかというと、その記者会見が、たまたま「くま弁」のテレビで流れていたという、「夕方の情報番組」で放送されていて、アナウンサーやコメンテーターが色々コメントしていたという記述。
「夕方の情報番組」ということは、もしこのシーンがドラマ化されるとすれば、当然その番組は「イチオシ!!」で、アナウンサーは森さやかアナ、コメンテーターは、オクラホマ河野君か藤尾君なんだろうなあと思いながら読んでいました。
小説中では、一連の騒動について、「北海道出身のアイドルだけあって、道民には茜に同情的な人も多い」とか、「『とにかく元気そうな姿にほっとした』というアナウンサーの声は混じりけのない本心に聞こえた」という記述があり、読んでいて、さやかアナなら本当にそんなコメントをしそうだなあと思いましたが、道産子である喜多さんだけに、「もしかして、そこを意識した?」と一瞬思ったものの、この巻の初版が出たのは、さやかアナが「イチオシ!!」のメインMCとして復帰する前の令和2年8月。当時のメインMCは高橋春花アナだったけど、「もしかして春花アナを意識した?」なんてことを考えながら読むのも面白いと思いました。
続く第2巻は、とりあえず半分くらいまで来ました。
一週間後くらいを目標に、感想を書きます。
そうなのです、主人公が変わったのです。
ですが、ナナマガラーさんの仰る通り、何の違和感もなく読み進めて行きました。
逆に雪緒さん視点からの、ユウさん千春さんが細やかな描写で、千春さんが可愛らしい人だなぁと思いました。
茜ちゃんの会見の様子は、是非イチオシで!と私も思いました。
ドラマの続編を見たいですね。
こんにちは。
私と同じように感じていらしたということで、嬉しく思います。
主人公だった人物が脇役に回ることで、それまでとはまた違う描かれ方をされるというのは、所謂「スピンオフ」作品でよくあることだけど、それも、主人公の目線を大切にするという基本がぶれていないからこそなんだなあということを、改めて実感しました。
記者会見の様子は、ぜひ「イチオシ!!」として描いてほしいですよね。
シーズン2では、実際の番組若しくはコーナーとのコラボにも期待したいと思っています。