新しい主人公・久万雪緒が登場して三巻目になる「しあわせ宅配篇 第3巻」。
だけど、この巻の見どころ(読みどころ?)は、これまで結婚式を挙げていなかった、「くま弁」の店長・ユウと、妻千春の結婚披露パーティーの回。
「くま弁」常連の黒川が発起人となり、かつて「くま弁」でバイトしていた青年桂、ドラマにも登場した占い師のカタリナや、ユウのおせっかいで箸の苦手を克服し、料理上手になった女性若菜、ユウを「アニキ」と呼んで慕う青年ショウヘイなど、第一巻からずっと続いている世界観の中で登場し続けるキャラクターがお祝いに駆けつけるパーティーは、臨場感が感じられ、読みごたえがありました。
実は私も、来年で結婚から十年になるのだけど、式も披露宴も挙げていないので、何となく、いいなあと思いながら読んでいました。
第1巻から、ドラマと並行しながら読んでいて気になっていたのが、黒川のキャラクター。
ドラマではTEAM NACSの戸次重幸さんが演じていて、気さくで誠実そうな人物として描かれているけれど、原作ではちょっと印象が違っていて、気さくなのは一緒だけど、テキトーな一面が強調されていたり(高田純次さんほどではなさそうだけど)、ドラマとは違い、口ひげが印象的ということが描かれていて、ちょっと戸次さんのイメージとは違うなと思いながら読んでいました。
テキトーキャラはともかく、口ひげに関しては、同じTEAM NACSの安田顕さんをイメージしてしまいましたが、ドラマのシーズン2ではどんなキャラとして描かれているのか、シーズン1にはないような一面を見せてくれるのか、その辺も注目したいと思います。
和やかなパーティーの次は、社会問題になっていると言ってもいい、アカウント乗っ取り、「なりすまし」のエピソード。
雪緒に密かに思いを寄せているように描かれ、お互いにそうとは知らずに雪緒とSNSで交流している青年、粕井の甥が、叔父の思いを見抜いて、叔父になりすまして叔父のアカウントを使い、雪緒にアプローチを仕掛けるという、何とも重いエピソードだなと思ったけれど、最後は互いの正体を知った粕井と雪緒がデートの約束を取り付けるシーンで終わっていて、この作品らしいほのぼのとした雰囲気が感じられて良かったと思います。
読んでいて、改めて、アカウントの乗っ取り、なりすましには注意せねばとの思いを新たにしました。
最後のエピソードは、娘に安定した人生を歩み、幸せを掴んでもらいたい一心で、雪緒の両親が、雪緒に内緒で、親が参加する婚活パーティーに参加し、雪緒の同意なしにプライバシー情報を勝手にばらまくという、これまた重いエピソード。
それまで、雪緒が、両親との間に確執というか葛藤を抱えながらやってきたことがそれとなく描かれる中で、そこのところが今後どうなっていくだろうとドキドキしながら読んでいたけれど、最後はどうやら雪緒の思いが両親にも伝わったようで、何だかホッとした気になりました。
こんな風に、時には重くどんよりとした雰囲気に陥りながらも、食べる人を幸せな気持ちにするというコンセプトの「くま弁」の弁当が、それを良い方向に導いていくという基本線がぶれることなく貫かれているので、重くどんよりしたシーンでも、先が怖くて読めないと思うようなことにならず、むしろ先が楽しみと思わせてくれるのも、この作品の魅力だと、改めて実感しました。
いよいよ残るはこの巻のみ。
まださらっとしか読んでいないので、今度の週末にでもじっくり読み込もうと思います。
以前ですが、拙ブログのラベンダー畑駅投稿の際コメントいただいていたのを思い出しました。
(間違えていましたら、お詫びします)
ナナマガラーさんも、ユウさんと千春ちゃんのように素敵な思い出を作れると良いですね。
10年後も20年後もお幸せなご夫婦でありますように💐
こんにちは。
四年前のことを思い出していただき、感激しています。
そう、家族旅行の思い出の場所だったんですよね。
早いもので来年で結婚から10年。毎日色々あるけれど、今後も仲良く日々を積み重ねていきたいと思います。