龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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今夜友人に送ったメール

2011年03月01日 00時24分22秒 | インポート
今夜友人に送ったメール。

救急搬送されてそのまま入院した91歳になる父親の付き添いをして、今夜はそのまま病院に泊まり込んでいる。

するとついさっき、親父が、

「あんたが(っておれのこと)こんなに優しいとは気づかなかったよ、ありがとう」

と言い出した。

オレの中の皮肉屋は、
「へえ、じゃあ今まではどんな息子だと思ってたのさ」
とまぜっかえしたいところだし、

「そんなに優しくねえよ」
と、クソガキとしてはいってやりたい。

格好つけの照れ屋としては
「早くケンカできるぐらい回復してみろよ」

と憎まれ口の一つも叩きたいところだ。

けれど、もうそんな息子の子供っぽいわがままを受け止める「父親」はここにはいない。

そう思うと、複雑なものがこみあげてくる。

しかし一方、管だらけで寝たきりの父親が、それでも生活の本能からかトイレに行きたいと起き上がろうとするのを、辛うじて目覚めた私が抱きとめ、彼の生活の本能を受け止めてこの両手の手のひらの中で緩く溶かして鎮めていく行為は、もはや単に夜中の見張り番というアラーム センサー=道具としての役割ではなくて、彼が死ぬまで生きる限りを尽くしているその場所に、辛うじて共に立ち会うことができる子供としての幸福そのものなのかもしれない、とも思えてくる。

だとするならば、今夜あなたにこんなメールを送れることは、きっと俺にとってはそれが「今夜」を生きることそれ自体、ということになるのだろう。

ありがとう。

おやすみなさい。