こういう本は読み終わらないテキストだし、研究者じゃあるまいし通読してもしょうがない。
だがこれがすこぶる面白いのである。
「常陸風土記」では、
茨城というのは、佐伯という国の権威を遮(さえぎ)る土着民がいたので、黒坂命(ショウサイフメイ)が棘(イバラ=ウバラ)を仕掛けて彼らを成敗したから「うばらぎ」というのだ
とか、
天皇がそこの郡を見晴らす高台に立って国見をした言い伝えが云々とか、そういう話が満載で、実際にその土地を散策しながら読み歩きをしたくなる。
他方「出雲風土記」は、正確な地誌的記述が特徴で、地図を開いて読みたくなる。
それが1300年も昔に書かれていたっていうのが第一ロマンチックだし、その川や里や山が、地名を含めて今ここにある、というのが凄い。
何をやるか、が自分の主題だったころには考えられなかった本読みの快楽である。
メディア日記龍の尾亭にも書きました。
よろしかったらこちらも。
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