7月2日(日曜日)午後8時、本来ならNHKの大河ドラマが始まる時間だが、その直前から4、3、2、1、とカウントダウンが始まり、8時ジャストから東京都議会議員選挙の選挙速報が始った。まだ1票も開票されてもいない段階からである。その内容は「小池知事が代表を務める都民ファ-ストの会が、第一党になり、公明党などを加えた小池知事を支持する勢力が、過半数の議席を獲得することが確実です」、「出口調査や情勢分析の結果、都民ファーストの会は48~50議席を確保、公明党が21~23、東京・生活者ネットワークが1~2、さらに都民ファーストの会が推薦する無所属の候補も3~10議席を獲得し、これにより小池知事を支持する勢力は合わせて73~85議席になる見通しで、都議会の過半数の議席を獲得することが確実です」というものである。
投票締め切りと同時に選挙予測の発表、「自分のところの予測能力はこれだけすばらしいのだ!」と誇示しているようで、何となく興醒めの感がある。昔(中高生の頃)、速報は各開票所の集計に基づいて報道されていた。従って時間が経過するごとに得票数が加算され、状況は刻々と変化していった。そして夜中の12時ごろまでに、次々と「当確」がでて体勢が決まる。そんな選挙速報を見ていると、子供なりにイベント感覚のようなものがあってワクワクしたものである。
下の表は日曜8時時点の予測と翌日の結果である。
予測 結果
都民ファースト 48~50 49
都民ファースト推薦 3~10 6
生活者ネットワーク 1~2 1
公明党 21~23 23
合計 73~85 79
確かに予測は的中していると言っていいのだろう。しかしどうも面白くない。それは選挙民の意思を読み取られているという、気持ち悪さからであろうか。子供の時代はリアルな実数の積み上げだから、決着がつくまで時間もかかった。それが年々速くなり、最近は衆議院選でも知事選や市長選でも、まだ開票されていないのに当確が打たれるようになった。こうなるともう虚数の上での当選である。そんな速報を見ていると、必死に戦ってきたが、落選した候補者はどんな気持ちになるだろうと思う。可能性を持って戦っていたのに、一喜一憂する間もなく即「X」である。なんとなく気持ちの収まりが悪いのだろうと思ってしまう。
今はコンピューターに投票率や過去の実績、世論調査や出口調査まで、多くのファクターを入れ込めば瞬時に予測が出るのであろう。今やチェスも碁も将棋もAIが勝つようになった。人工知能がどんどん我々の生活に関与し、個人の好みや買い物傾向まで読まれてしまう。すべて予測される時代になってくると、自分のアイデンティチィーまで失ってしまうような気になる。私のような昭和生まれは、やはりアナログの世界の方が落ち着くのである。
※ 昨日から台東区の入谷朝顔まつりが始まりました。
毎年7月6日~8日
言問い通り
団十郎
入谷鬼子母神
合わせて開催される、かっぱ通り商店街の七夕まつり
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます